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<その一>
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『日向ぼっこ』
ぐぅるるるぐぅるるるかあさんのかおりだ
しゅるんとひげのさきっぽぴくぴくふわん
ふとんのうえでおひるねぽわぽわすてきさ
『日溜まり』
こねこのふわふわの毛をほほに感じながら
あたたかい日溜まりの中でこうしていると
いつまでもやさしい気持ちでいられるよね
『内緒話』
あのね
おかあさんの
みていないところで
ちいさなこえで
これはふたりだけの
ひみつだよって
おとうさんがわらう
ないしょのはなしは
なんだかたのしくって
わたしすきよ
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<その二>
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『天球儀』
理科準備室で
ほこりをかぶっていた天球儀
なれた手付きで操作しながら
きみは説明してくれた
夜空には夢があると
よく語っていたよね
人の手のふれない世界が
無限にあると
きみのやさしいくちびるとともに
中学の思い出
『フレグランス』
あなたがつけていた香水の匂い
きょう駅のホームで嗅ぎました
雑踏の中で私を呼んでるようで
いないはずのあなた探しました
『冬の薔薇』
木枯しすさぶ 街角に
独りたたずみ 涙する
うすべに色の 冬薔薇
『進行形』
隣の部屋の少年は
いつもおどおどとしていた
いくつもの打撲の痣や
怪我を隠そうとする
けして理由を語らない
今夜も隣の部屋からは
男と女の罵声が聞こえる
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<その三>
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『as time gose on by』
ゆっくりと熟成された愛がある
醸し出された風味に酔いしれて
幾度となく繰り返す甘い吐息に
時間を忘れてただ身をゆだねる
『告白』
片言の日本語での告白は唐突のようだったが
たどたどしさの中に本気の愛がわかったとき
おれの腕の中で寒さと飢えに震えていた頃の
おまえの涙を思い出してしまったじゃないか
故郷の話をするときのおまえの顔は暖かいな
こんなおれを選んでいいのか所詮はチンピラ
それでもいいと繰り返しておれを抱きしめる
『変形』
いつのまにか違っていたのは愛の形
歪みに気がつかなかったのは私の方
少しずつ形が崩れていたのは世の中
『戦火』
すでに意味を失った戦争はそれでも終わらず
燃え続ける街のそこかしこからは嗚咽と呪詛
絶望は煙る雨とともにゆっくりと蝕んでいく
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