| 姿形書換字 (1) |
一 2
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「上」の姿形書換字。真ん中の縦線が,クランクのように曲がっている。類似の折れ曲がった字体の字に「山」がある。 写真は,上海の電話用マンホールの蓋。「話」も繁体字だが,最近の物は,簡体字で,「上」も普通の字体となっている。 左記の『今昔文字鏡』@000013は常用漢字の字体。 撮影:2000年9月,上海市徐匯区 |
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Unicode:未収録 文字鏡:未収録 | ||
一 4
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これも「上」の姿形書換字。前掲の字よりも曲がりが二つ多く,2画増えている。 写真は,中国料理店の提灯看板。 左記の『今昔文字鏡』@000013は常用漢字の字体。 撮影:2002年10月,大阪市中央区 |
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Unicode:未収録 文字鏡:未収録 | ||
一 5
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「不」の姿形書換字。「一」の下に「父」を書いてから縦線を引いている様に見える。 写真は,法善寺の水掛不動こと不動明王の提灯。 左記の『今昔文字鏡』@000044も別の姿形書換字。 撮影:2002年4月,大阪市中央区 |
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Unicode:未収録 文字鏡:未収録 | ||
一 11
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「聖」の姿形書換字。部首の「耳」が「一」と「日」に分けて書かれている。台北市内の道観行天宮にも同じ字が彫られていた。 写真は,19世紀に天主教徒が4度にわたって大きな迫害を受けた殉教聖地「ホワンセバウィ」を示す碑。ハングルは‘鸛の岩’を意味するこの地名を記している。 左の『今昔文字鏡』@029074は基本字体。 撮影:2001年1月,韓国・忠清南道公州市 |
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Unicode:未収録 文字鏡:未収録 | ||
一 17
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「嚴」の姿形書換字。日本では「厳」と略すが,香港では写真の通り。中国の簡体字は内側をさらに略した「 」を採用している。この様な略し方は,「亞」、「惡」、「麗」などでも見られる。 写真はエスカレータの注意書き。‘貨物の運搬厳禁’の意。 撮影:1999年5月,香港特別行政区中西区・中環 |
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Unicode:未収録 文字鏡:084466 | ||
亠 4
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「新」の姿形書換字。中国では,硬筆の行書に頻繁に使用されているが,この例では楷書化されている。別の看板の例もある。 写真は書店の新刊書の紹介。板にチョークで「新書架」と書かれている。下に書かれた『眼下的韓寒已』は書名の一つ。 左の『今昔文字鏡』@038635も別の「新」の姿形書換字。 撮影:2000年9月,浙江省紹興市 |
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Unicode:未収録 文字鏡:未収録 | ||
亠 4
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「毎」の中古字の姿形書換字。唐の歐陽詢の『九成宮醴泉銘』などに下部を「毋」と作る用例が見られるが,この例では「亠」と「貫」の上部を組み合わせた字体に作っている。 写真は八幡市環境課によるごみ収集日の掲示。「毎週[ ][ ]曜日」と書かれているが,肝心の曜日が書き込まれていない。 撮影:2000年1月,京都府八幡市 |
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Unicode:未収録 文字鏡:084467 | ||
亠 5
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これも「毎」の中古字の姿形書換字。上記の例と違い,「母」の様に点が二つとなっている。右下が「母」と同じく交差している中古字は唐の歐陽詢の『九成宮醴泉銘』などに用例が見られる。 写真は松花堂庭園の休館日の表示。「第」の異体字と「曜」の交換略字が使われている。 左の『今昔文字鏡』@016726は中古字。宋の趙佶の『痩金書千字文』などに用例が見られる。 撮影:2001年1月,京都府八幡市 |
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Unicode:未収録 文字鏡:未収録 | ||
亠 7
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「夜」の姿形書換字。「亠」と「但」の組み合わせと作っている。 『宋元以来俗字譜』にも収録されており,現在も中国では俗字として広く使用されている。台湾で規格化されている字体のため,Unicodeにも収録されている。他に,「液」や「腋」でも同様の書き換えが見られる。 写真は「夜總会」と書かれている,ナイトクラブのネオンサインの一部。「總」の部分は簡体字。 撮影:1999年10月,天津市河東区 |
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Unicode:4EB1 文字鏡:000309 | ||
亠 8
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「亮」の中古字の姿形書換字。「亠」の下にある「口」を梯子の様に作る中古字の脚は,通常「儿」で,Unicode 3.1で20159に収録されたが,この例では「几」と作っているので,別の字体である。 写真は眼鏡店のネオンサイン。 左の『今昔文字鏡』@050922は中国の正式な字体で「几」と作っている。 撮影:2000年10月,広東省仏山市 |
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Unicode:未収録 文字鏡:210061 | ||
人 4
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「佐」の姿形書換字。旁の「左」の「工」が「匕」と書き換えられている。同様の例は「左」でよく見られる。 写真は,居酒屋の看板の一部。土佐と読めるが、「土」は「丶」が打たれた意符書換字。 撮影:2011年6月,高知県高知市 |
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Unicode:未収録 文字鏡:074825 | ||
人 5
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「佛」の姿形書換字。旁の「弓」が「三」と書き換えられている。 写真は,俗に薬令市と言われる生薬屋街にある生薬店の店名表示。「佛草堂」と読めるが,「草」も草冠の字体が異なる姿形書換字となっている。 撮影:2003年12月,韓国・大邱広域市中区 |
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Unicode:未収録 文字鏡:066984 | ||
人 6
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「侯」と同様の,「 」の姿形書換字。右上「フ」が「丶」と書き換えられ,「矢」が「夫」に換わっている。同じ字は隋の『徐智竦墓志』や唐の 遂良の『倪寛贊』にも見られる。写真は,公山城の入口に建つ『判官李侯聞榮永世不忘碑』の一部。 左の『今昔文字鏡』@000633は常用漢字の字体。 撮影:2001年1月,韓国・忠清南道公州市 |
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Unicode:未収録 文字鏡:未収録 | ||
人 8
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「侯王古廟」という道教の廟の名称表示に見える「侯」の姿形書換字。旁の「ユ」が「工」と書き換えられていて,1画多い。 『中華字海』にもこの字体は収録されていないが,白井寛蔭が江戸万延元年(1860年)に著した『音韻仮字用例(おんいんかなづかい)』には見える。「喉」などでも同様の書き換え例がある。 撮影:1999年9月,香港特別行政区九龍城区 |
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Unicode:未収録 文字鏡:084468 | ||
人 8
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「俣」の姿形書換字。「俣」の旁の「 」は「呉」の姿形書換字だが,この例では「天」の部分が「工」と「ハ」に書き換えられていて,1画多い。写真は,呉服店の店名表示。後の「呉」の字も類似しているが,「工」の1画目が曲がっていて,『今昔文字鏡』に未収録の字体。 左の『今昔文字鏡』@000718は基本字体。 撮影:2002年11月,長野県長野市 |
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Unicode:未収録 文字鏡:未収録 | ||
儿 6
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「兒」の姿形書換字。日本では「児」と書かれるが,香港などでは写真の様に筆写される。赤い縦長銘板の字体が標準的。なお,大陸では「儿」が正式な簡体字として使用されている。「幼〜園」は‘幼稚園’。 『香港増補字符集』は「口」の中が「ソ」の同字(Unicode 20487)を収めている。 撮影:1998年10月,広東省汕頭市 |
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Unicode:未収録 文字鏡:084471 | ||
儿 7
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これも「兒」の姿形書換字。「向」の下に「兀」を組み合わせた様な字体となっている。 写真は,教育者の陳鶴琴氏の塑像の前に刻まれている「一切為兒童」の文字。1892年生まれの氏が88歳の時に書いた字なので,1980年頃に書かれた事になる。 撮影:2002年11月,上海市 |
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Unicode:未収録 文字鏡:未収録 | ||
几 6
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「風」の姿形書換字。「几」の内側が「西」に近い形になっている。 写真は,レストランの入り口の表示。「百般〜味」となっている。各地の料理を出す店という意味か。 左の『今昔文字鏡』@001765は「風」の古字。 撮影:2000年9月,浙江省紹興市 |
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Unicode:未収録 文字鏡:未収録 | ||
刀 3
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「功」の姿形書換字。「力」が「刀」に変わっている。唐の歐陽詢や隋の智永の書にもこの字が見える。 写真は,宇治川派流に架かる蓬莱橋の欄干。昭和五年「三月竣功」と彫られている。 撮影:2000年1月,京都市伏見区 |
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Unicode:未収録 文字鏡:001876 | ||
刀 7
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「臨」の交換略字「 」の姿形書換字。「 」が「亠」に変わっている。この書き換えは,隋、唐代以来,楷書でよくみられる。写真は,レストランの窓に貼られた歓迎の字句。「大駕光臨」は‘大きな乗り物で華々しくやってくる’事を意味する。 左の『今昔文字鏡』@054932は交換略字。簡体字とは字体が異なる。 撮影:2000年10月,広東省広州市天河区 |
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Unicode:未収録 文字鏡:未収録 | ||
刀 8
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「劇」の姿形書換字と思われる。字体が今ひとつはっきりしないが,とりあえず収集した。 「 」の「豕」を「刀」に代えたものと見られる。撮影:1999年6月,名古屋市中村区 |
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Unicode:未収録 文字鏡:084473 | ||
力 9![]() |
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「動」の姿形書換字。旁の「重」が「亠」と「里」の組み合わせになっている。この書き方は「重」などにも見られる。 写真は不動産会社の事務所に示された社名表示。 左の『今昔文字鏡』@002390は常用漢字の字体。 撮影:2002年8月,熊本県熊本市 |
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Unicode:未収録 文字鏡:未収録 | ||
力 9![]() |
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「勘」の姿形書換字。旁の「甚」の下部の「儿」が「メ」に換えられている。部品となっている、「甚」の姿形書換字「」は『今昔文字鏡』@087784、@087981やUnicode 6.0の2B7AAに収録された。 写真は神社の柵に刻まれた寄進者の名の一部。 左の『今昔文字鏡』@002393は常用漢字の字体。 撮影:2006年9月,愛媛県今治市 |
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Unicode:未収録 文字鏡:089427 | ||
十 2
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「平」の姿形書換字。『康煕字典』に見られる「 」という字体の1画目と2画目を続けて書いたもの。『今昔文字鏡』はこの字体を「国字」に分類しているが,中国や香港でも多用されており,国字ではない。写真は,善光寺の手水の水槽に刻まれた寄進者名の一部。単調にならないように隣の「平」と字体を変えている。昭和18年に松明玉照講という団体が寄進したもの。 撮影:2002年11月,長野県長野市 |
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Unicode:未収録 文字鏡:066151 | ||
十 2
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「廿」の姿形書換字。本来の字体と思われる「十」を二つ並べるように作っている。 写真は札次神社の鳥居に刻まれた建造年の一部で、明治廿九年とある。 『今昔文字鏡』@202430は名称文字として収録しているが、読みなどの情報はない。 撮影:2013年3月,東京都町田市 |
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Unicode:未収録 文字鏡:202430 | ||
十 2
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「卅」の姿形書換字。最後の一画を右に曲げて跳ねている。 写真は恐山からの距離を示す道標で,「卅二丁」と彫られている。安政6年(1859年)に参道沿いに建てられたもので,現在では県道4号線となっている。 撮影:2009年6月,青森県むつ市 |
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Unicode:未収録 文字鏡:217741 | ||
十 9
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「奉」の古字の姿形書換字。‘ささげる’という字は,もともと左右の手で‘穂’を意味する音符「 」を持つ形を示しているが,ここでは「屮」が「十」に変形され,左右に広がる部分が「人」に書き換えられている。写真は,大阪天満宮内にある石灯籠で,「奉獻」と彫られている。 左の『今昔文字鏡』@005894は基本的な字体。 撮影:2001年5月,大阪市北区 |
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Unicode:未収録 文字鏡:未収録 | ||
卜 2
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「竹」の姿形書換字。「4」と「卜」の組み合わせの様に書いている。下に続く「輪」の「車」は簡体字の様に書かれている。「ご」は変体仮名。 写真は,トビウオのすり身で作った「あご竹輪」のパッケージ。浜下商店という水産物店のもので,焼きたてを店内でこの袋に入れて売っている。 左の『今昔文字鏡』@025841は常用漢字の字体。 撮影:2003年1月,鳥取県鳥取市 |
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Unicode:未収録 文字鏡:未収録 | ||
卩 6
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「御」の姿形書換字。ぎょうにんべんを伝統的な楷書によく見られる「ラ」の形に作り,まん中の部分は4画に略している。同じ字が北魏の『元詳造像記』に見られる。 写真は,薪能発祥の地である薪神社内に置かれた「御千度竹入」の木箱。平成6年(1994年)の字が見える。 左の『今昔文字鏡』@002870は仏字として収録されている字体。「去」ではなく「虫」の両脇の縦線が無い形で書かれる事が多い。 撮影:2001年1月,京都府京田辺市 |
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Unicode:未収録 文字鏡:未収録 | ||
厂 11
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「歴」または「暦」の姿形書換字。この字はJIS補助漢字にも収録されている。 写真は2つ並んだ塔で有名な開元寺の由来を記した石碑の一部。 撮影:1999年7月,福建省泉州市 |
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Unicode:53AF 文字鏡:003016 | ||
冂 3
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「肉」の姿形書換字。「冂」と「夂」の組み合わせであって,「肉」よりも1画少ない。 写真は香港の昔ながらの市場の一角にある肉屋のテントだが,この通りに立ち並ぶ肉屋の半分近くがこの字体を使用していた。 『玉篇』は,肉部の部首に「冂」と「久」の組み合わせの字を選び,「肉」を同字としている。 左の『今昔文字鏡』@084476は最後の1画が少し短い。 撮影:1999年5月,香港特別行政区湾仔区 |
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Unicode:未収録 文字鏡:084476 | ||
厂 7
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「厚」の姿形書換字。旁にある「日」を梯子の様な形に変え,「厂」と「子」に接して書いている。 画像は土地の有力者の家の入口の上に書かれた家訓の一部で「忠厚」と読める。 撮影:2009年5月,台湾・澎湖県 |
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Unicode:未収録 文字鏡:219448 | ||
又 14
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「叟」の姿形書換字。上部が「ノ」と「田」の組み合わせに作られている。 奉納者の名前を刻んだ石柱で、古川祭の三番叟(さんばそう)のからくりを演じる組の名前と思われる。 左の『今昔文字鏡』@003176は『康煕字典』に収録の字体。 撮影:2006年8月,岐阜県飛騨市 |
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Unicode:未収録 文字鏡:未収録 | ||
又 14
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「獻」の姿形書換字。「虍」が「丶」と略され,「鬲」の中が「¥」に,部首であった「犬」が「友」に書き換えられている。 写真は大阪天満宮の石灯籠に彫られている「獻燈」の字。「燈」も「癶」が「兆」に似た4画の部品に代わっている。 左の『今昔文字鏡』@020654も別の姿形書換字。 撮影:2001年5月,大阪市北区 |
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Unicode:未収録 文字鏡:未収録 |