第2次・怪獣大戦争
― 復讐者襲来 ―


第20章  緊張から混乱へ

ハワイ沖でエイリアン工作員が屈辱を味わっていた頃、
神埼とマイケルを乗せたSY−0が、オアフ島の国連基地に帰還した。
科学者や自由の女神と共にSY−1が破壊され、サイトSまで爆破される事態を受け、
悲観的になり兼ねなかった状況での「奇跡の生還」に、大きな歓声が沸き起こった。


(SY−0帰還)

富士「よく、生きて帰って来てくれた。これは奇跡だ」
神崎「富士会長。エイリアンが侵攻計画を…」
富士「やはりそうか、詳しく聞きたい。疲れているだろうが、協力してくれるか?」

2人はすぐ、UNA本部に設けられた非常事態特別対策本部に呼び出された。
宇宙活動でのストレスに加え、様々な事件に巻き込まれた2人の疲れは相当なハズだったが、
彼らはそれをおくびにも出さずに報告に専念した。
またマイケルは当初、神崎を若造と見くびっていたが、
果敢にSY−0を駆って生還に貢献した功績を高く評価し、将来を期待していた。

富士「彼は、国連太平洋艦隊司令部のアルバート・パウエル将軍だ」
神崎「よろしく」
マイケル「将軍、光栄です」
パウエル「2人共、よく帰って来てくれた。事態は急を要している、ぜひ聞かせてくれ」

2人からもたらされた情報により、
一連の事件群がほとんど全てエイリアン組織によって引き起こされた、
侵略のための謀略であった確信が持たれ、日米ソ間の外交上の緊張は緩和へと向かう。
しかし同時に、新たな危機の種が浮上しつつあった。
それはまさしく、エイリアンの侵略であった。

現在確認されている事態で、敵の作戦が終了するハズはない。
神崎達は、サイトSを爆破した工作員が作戦の『第2段階』を口にしたことを示唆しているし、
降下中に目撃したというモスラの飛翔も意味深だ。
守護神とも呼ばれる怪獣達が動きを活性化させているとすれば、
『第2段階』に怪獣が絡んでくる可能性も十分にある。

現に、ハンター星人が直接侵攻工作に関与したとされる1972年には、
宇宙怪獣ガイガンが飛来した。
そして今回もUNA管轄の天文台で、
地球衝突の可能性が高い軌道を持った2個の小天体が発見され、疑念は確信へと変わる。
自然に出現したにしてはタイミングが良すぎるこの小天体こそ、
『第2段階』に相当する存在に違いない。

富士「先程、サイトMのグレン主任から、通信があった」
神崎「直接、本部へ?」
パウエル「仕方ないさ、もうサイトSも存在しない。それに、それだけ緊急という事だろう」
富士「火星の方向から、2個の天体がまっすぐ地球を目指しているらしい」
神崎「隕石ですか?」
パウエル「そうかも知れんが、怪しいと思わんか?」
富士「君たちがサイトSで見た異星人は、昆虫のような姿をしていたと言っていたな?」
神崎「はい。まるで2本脚のゴキブリでした」
パウエル(富士と見合って)「間違いない、ハンター星人だ」
マイケル「ハンター星人と言えば、確かガイガンを送り込んだエイリアンでしたね?
…ということは、その天体はもしかして…」
パウエル「…可能性は多いにある」

神崎生還の情報は、東京のホテルで連絡待ちをしていた鳥居の元にも入る。
事態の重みを察した鳥居は、実家に予定変更の電話を入れ、ハワイへ向かうことを決意する。

鳥居「ああ、先ほどはどうも…えっ…ホントですか?…そうですか、良かった…」
エリカ「ねぇ、誰から?」
鳥居「先輩だよ。神崎先輩…電話してきた人は違うけど」
エリカ「さっき言ってた人?宇宙飛行士だったわよね」
鳥居「生きていたんだ…ホントに良かった」
エリカ「見て、ニュースでもやってるわよ。このコトでしょ…どうしたの?複雑な顔して」
鳥居「…帰れないな、これじゃ」

また街頭のSY−0生還報道を聞き、唇を噛んでいた女性がいた。
黒髪の美女は谷沢を刺殺し、ザイエフ暗殺未遂に関与した人物で、
彼女の正体こそダイアナであった。


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