米国第七艦隊の旗艦ブル−リッジが苫小牧港に寄港したいと申し入れをしている件で、いまちょっとした論議を呼んでいます。
先日反対を表明している四つの団体の代表の方々が私の事務所を訪れ、約20分間程度お話もしました。
そもそも札幌雪まつり開催中の寄港であり、米国総領事のお話では艦内で希望をとったところ札幌雪まつりを見たいという艦員が非常に多かったということです。 私自身は本件を問題視すること自体が問題だと思っています。 反対している皆さんのポイントに対する私の意見を記してみます。

1.「寄港は軍港化につながることであり平和を阻害することだ」
 前提として日米安全保障条約を肯定するか否定するかという思想的背景によって議論の余地がないことなのですが、私には寄港が軍港化につながるという視点が国旗を掲げることは軍国主義復活だと叫んでいると同じレベルの話のようにしか思えません。 まったくコミック的で滑稽な話として響いてしまいます。
私自身も戦争など二度と起こしてはならないし、次の世代の為により平和な国家を創りたいと願っている一人です。
 一方で、冷戦時代が終わってもなおアジアのなかで緊張状態が続いている地域の一つである朝鮮半島に隣接したわが国です。 不安を煽るつもりはまったくありませんが国家として最低限の危機管理対応が必要だということについてのコンセンサスは得られていると思います。
仮に今回の米艦の寄港目的が軍事訓練の一環であったとしても、私は日米安全保障体制のもとで特に違和感を感じる問題とは思いません。
つまり現実的な問題として、地球上の全ての国家やグル−プが軍備を放棄して国家間、地域間、民族間の戦争が起こる可能性がまったくなった地球社会ができない限り、自国の安全を考えるのは当然のことであります。

2.「寄港は情報収集が目的だ」
 これも滑稽な視点ですが、今は人工衛星で1メ−トル四方の範囲を識別できる時代です。
また、およそ日米関係に関する限りこれだけ一般人の往来が自由に行われているわけですから、今更情報収集でもないでしょう。

3.「核を搭載しているのではないか」
 非核三原則堅持は当然のことです。 日米安全保障条約上、米軍の核持ち込みは事前協議の対象であり、事前協議が行われない以上核の持ち込みはないというのが日本政府の立場です。
さらに個別艦船における核の有無については、米軍は肯定も否定もしないといういわゆるNCND政策(Neither confirm nor deny)をとっており、事前協議が行われない以上核の持ち込みはないと判断すべきだと思います。
このNCND政策ですが、たとえが悪いかも知れませんがたとえば現金輸送車が現金を輸送する日時や額を公開することがあり得ないように、米軍がどの艦に核が搭載してあってどの艦に搭載していないなんていう情報を公開出来るわけがないと思いませんか?
 そこで日米関係に鑑みて、事前協議という行為をもって仮に核搭載船が日本の港に寄港する場合は、日本政府に事前に通告することになっているわけです。
何度も同様の視点を書きますが、日米関係は両国間の信頼を前提に成り立っているのであり、NCND政策に理解を示したからといって広島や長崎で起きた悲劇を絶対に繰り返してはならないという思いに何ら影響をきたすものではないと考えます。

以上、私のところに来られた反対の立場をとっている皆さんが言っておられたポイントについての反論を試みてみました。
何とも白黒のテレビを見ているような20分程度の議論でしたが、時代は21世紀、米国も新政権が誕生したばかりです。 寄港した米軍兵士に苦労して誕生したブッシュ政権誕生をお祝いしてあげようではありませんか。
苫小牧市長(苫小牧港管理者)も苦しいお立場ですが、是非前向きに対応して欲しいと思います。

岩倉博文


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