クアラルンプ-ルで再開された日朝国交正常化交渉で拉致問題と共に注目が集まっている核兵器開発問題についてレポ−トします。
T北朝鮮核関連年表
1959 ソ連原子力平和利用協定調印(以後、小規模実験炉等の設置・実験)
1985 核不拡散条約(NPT)加盟
1992.1 韓国と北朝鮮、「朝鮮半島の非核化に関する共同宣言」に調印(前年9月、韓国と北朝鮮は国連に同時加盟)
1993.2 国際原子力機構(IAEA)が北朝鮮に対して特別査察を要求し、北朝鮮は拒否〜下記資料1
1993.3 北朝鮮、NPTからの脱退を宣言
1993.6 米朝協議の開始
1994.10 米朝「枠組み合意」に署名〜下記資料2
1995.3 朝鮮半島エネルギ−開発機構(KEDO)設立
1998 クムチャンニで核関連の地下施設を建設中との疑惑(99年、00年に米国が訪問「枠組み合意」に違反なしと報告)
2002.10 米国、北朝鮮がウラン濃縮計画を認めたと発表
[資料1]
<IAEAの核査察における疑問>
〔北朝鮮の主張〕
・原子炉の燃料棒を一度も交換していない
・原子炉の稼動によって抽出したプルトニウムは90gのみ
・IAEAが疑惑施設と主張する施設は軍事施設であり査察の対象外
〔IAEAの疑念〕
・原子炉の燃料棒を交換したプルトニウムを抽出した可能性
・北朝鮮が主張する量以上のプルトニウムを抽出した可能性
・北朝鮮がIAEAに未申告の疑惑施設が核廃棄物貯蔵施設の疑い
↓
IAEAの特別査察要求
↓
IAEAの特別査察要求を拒否(93.2)
NPTからの脱退を宣言(93.3)
[資料2]
<米朝「枠組み合意」>
[北朝鮮]
・黒鉛減速炉・関連施設の凍結・解体
・使用済み核燃料棒の保管・処分
・米側が供与する軽水炉の完成直前に、保障措置協定を完全履行(IAEAの特別査察により、北朝鮮の過去の疑惑解明)
[米側]
・北朝鮮に対し軽水炉2基を供与
・軽水炉完成までの間、代償として重油を供与
(注)朝鮮半島エネルギ−開発機構(KEDO)と北朝鮮は、95年12月、軽水炉供給取極を締結。
軽水炉建設費約46億ドルのうち韓国が約70%、日本が約22%を出資。米国は年間50万トンの重油を供給
↓
米朝双方にメリット
↓
北朝鮮〜軽水炉及びそれまでの間の代替エネルギ−(重油)を確保
米国〜北朝鮮の将来のプルトニウム抽出を阻止し、過去の疑惑も解明・北朝鮮をNPTに留め不拡散体制を維持
U米国における北朝鮮の核兵器開発の現状に関する言及(最近の主なものを掲載)
○「米国は、北朝鮮が、94年の枠組み合意以前に、少なくても1個の核兵器に十分な量のプルトニウムを製造し分離したと信じている。
(米国防省:「拡散・脅威と対応2001」)
○「北朝鮮は、1つ、もしかしたら2つの核兵器を製造したと判断している」
(米国情報共同体「2015年までの海外におけるミサイル開発及び弾道ミサイルの脅威」:2002年1月)
○「『米国は北朝鮮が核兵器を保有したいと願っていることに懸念を有しており、1990年代はじめ以来、北朝鮮は一つ又は二つの
核兵器を保有しているかもしれないと評価している。』これが情報コミュニティ−の評価である。
私は北朝鮮の核兵器に直接触れたこともないし、彼らもない。(中略)しかし、私は北朝鮮が少数の核兵器を保有していると思う」
(ラムズフェルド国防長官:2002年10月)
○「北朝鮮は1つ又は2つの(核)兵器を保有しているかもしれない。兵器そのものは見られないが、確実に以前の核開発から
数発の爆弾に十分な原料を保有している。しかし、確認が取れない」(パウエル国防長官:NBCテレビインタビュ−2002年10月)
V核兵器の種類
(1)ウランとプルトニウムの違い
*ウラン
・核分裂を起こすウラン235は天然ウランのごく一部しか存在しないため、ウラン235を天然ウランから分離し濃縮することが必要
・遠心分離等の方法でウランを濃縮するための施設が必要(原子炉のような特殊な施設は不要)
・パキスタン型(推定)
*プルトニウム
・兵器化に必要なプルトニウムの量は兵器化に必要なウランの量よりも少ないため、核兵器の小型化に適する
・原子炉でウランからプルトニウムを製造し、抽出する必要
(2)砲身型と爆縮型
*砲身型(ガンバレル型)
・核分裂物質を二つに分けておき、起爆用火薬の爆発によって合体させて核分裂を発生させる
・構造は簡単だか小型化軽量化が困難
・核実験をせずに投下
・広島型原爆
*爆縮型(インプロ−ジョン型)
・核分裂物質を周囲に配置した火薬の爆発力で超高圧の状態にし、核分裂を発生させる
・構造は複雑だが小型化軽量化が可能
・核実験が必要
・長崎型
W今回米国が明らかにした「北朝鮮のウラン濃縮計画」
「7月頃から情報を検討し、北朝鮮が秘密のウラン濃縮計画を追及していると米国は結論」
○ケリ−米国務次官補が訪朝した際、北朝鮮側に核兵器用ウラン濃縮計画があるという情報を示したところ、
北朝鮮はウラン濃縮計画を認めた
↓
「ウラン濃縮計画の露見(ウラン型原爆開発の可能性)」
[パウエル国務長官の発言]
○「以前の開発に基づき、北朝鮮は1つ又は2つの核兵器を保有しているかもしれない。(中略)現在起きていることは、別の方法、
すなわちウランを濃縮する計画を、前政権にまで戻るが過去4,5年間にわたって従事していたことを我々が発見したということだ」
以上が、北朝鮮核兵器開発問題の流れです。わが国の安全保障に重大に係る問題でもあり国家的課題として
注目をしていただきたいと思います。
岩倉博文
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