この国会は自民・公明・保守新党からなる新たな連立政権与党としての協力関係の構築の合意のもとに安定した国政運営のなされた国会であった。

  1月20日に召集された第156回通常国会の冒頭に与党はまず、現下の経済情勢に対応するため、重要な課題は経済の再生であるとし、平成14年度補正予算平成15年度予算の成立に全力を尽くした。特に、補正予算は構造改革の加速や緊急に措置することが必要な施策やデフレ抑制に直接資する施策を盛り込んで策定した「改革加速プログラム」を早急に実施するためのものであった。そのため、与党三党はまず補正予算を成立させた。その後に施政方針演説を行なった。平成15年度予算は歳出の構造改革を進める中で、セーフティネットの充実、雇用創出分野、科学技術などの将来の発展基盤となる分野への重点配分した予算であり、雇用対策、経済対策や福祉、教育など、国民生活に関係の深い事業はすべてを盛り込んだものであった。与党三党は早期に予算を成立させて、これを執行していくことが最大の景気対策であるとして、328日の年度内に成立させた。

  引き続き、先国会で一旦廃案とし新たに修正提出した個人情報保護法関連5法を審議した。これは個人情報の有用性と個人の権利利益の保護を目的とした法案であった。この国会では衆参ともに特別委員会を設置し、衆議院では述べ11日間、参議院においても9日間、連日の精力的な審議をそれぞれ40時間以上も行い、与党三党の「必ず成立を期す」との合意のとおり、成立させた。

  また、同時並行的に、昨年の154通常会で提出され継続となっていた法案である武力攻撃事態対処法関連3法(有時法制)も特別委員会において審議した。テロや北朝鮮の不審船の発生が国民の生活に大きな不安を与えるようになったため、大規模自然災害などを含め、いかなる事態にも対応できる安全な国づくりが必要と考えた法案であり、衆議院での審議時間は154回、155回国会で70時間を越え、今国会でも約20時間の徹底審議を行なった。与党三党は徹底審議により各党の理解を求めた後、民主党の賛成を得て可決し、参議院に送付した。参議院においても約53時間の審議を行い、成立させた。有事法制の成立は4世紀半に及ぶ歴史的な成果であった。

  今通常国会は閣法、条約、議員立法、継続法案など与党関係法案が160件を超える提出件数となり、極めて掲出案件が多く、また北朝鮮問題や米英軍等によるイラク攻撃、4月の統一地方選挙や衆参の補欠選挙など多事多難な国会であった。

  与党三党は個人情報保護関連法や武力攻撃事態対処関連法などの国家の基本をなす重要法案だけでなく、現下の経済情勢に即応するための産業再生機構法や社会資本整備事業を重点的、効率的に推進する社会資本整備重点計画法などの数多くの経済対策関連法案のみならず、食品安全基本法司法制度改革関連法中小企業支援関連法国立学校法人法をはじめとする行政改革・規制改革関連法案などの改革関連法案や生活関連法案を精力的に審議し、成立させた。さらには議員立法でヤミ金融対策法母子家庭就業支援特措法、難病者の投票制度を改善した公選法改正など弱者にも視点を置いた法律も成立させた。これらにより国会は21世紀にふさわしい日本の仕組みを作り、併せて日本経済の再生と発展にも寄与することが期待される。

  150日間の会期にイラク人道・復興支援特措法テロ特措法の審議のため40日間延長され、190日間となった国会の会期末に、野党はイラク支援法の成立を阻止するため、参議院において、外務大臣、防衛庁長官、官房長官の三大臣の問責決議案を順次提出した。与党はこれらの問責を延会しながら否決した。参院外交防衛委員会における締め括り総括を妨害するために野党は衆議院に小泉内閣不信任案を提出し、参議院の審議を遅らせたが、衆議院で否決の後、参議院でイラク支援法の採決をした。同日、野党は松村委員長が職権で質疑打ち切り、採決したとして解任決議案を退出したが、延会後に否決し、与党の結束でイラク支援法を成立させた。これらの野党の意味のないパフォーマンスは単なる見せかけのシナリオであった。今通常国会でも一貫して与党主導の国会運営を行なったため、野党は存在感を誇示するために審議混乱と時間稼ぎを狙った不当な言い掛りともいえる問責決議案、内閣不信任案と解任決議案を連発したものであり、会期末の愚行であった。

  このような状況下で今国会は提出法案、閣法121本中、118本を成立させ、成立率は戦後の通常、特別国会の第3位の97.5%となった。その他、条約9本をすべて成立させ、新たに提出した与党の議員立法も13本を成立させた。また、継続となっていた法案のうち、149回国会の平成12年以来、継続となっていた少子化社会対策基本法酒類小売業者経営改善法、心神喪失状態等で重大な他害行為を行なった者に対して医療観察を行なう心神喪失等医療観察法、先に挙げた武力攻撃事態対処法関連3法案など、従来にも増して多くの継続法案を処理した国会でもあった。一方、継続となったものは、閣法ではテロ対策特措法、国際犯罪組織法、入国管理難民認定法、人権擁護法(参先議150回提出)であり、議員立法では永住外国人地方参政権法、民法(夫婦別姓)、防衛省設置法、政治資金規正法であった。祝日法(昭和の日)は衆議院では可決したが、参議院で継続となった。今国会に処理すべき予算、条約、承認案件など与党関係のすべての案件は163件に及び、この内155件という非常に多くの案件を処理した国会であった。これは自民・公明・保守の与党三党が強い絆の下に一体となり、衆・参が連携を緊密にして法案の成立に努力した結果であり、大いなる成果であった。


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