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建 築 と 環 境 1


建 築 と 地 球 環 境

  次にあげる地球環境問題は、いずれも地球全体、あるいはそれに近い位のきわめて大きな規模で人為 的な環境変化が引き起こされているという共通点をもっています。

【オゾン層の破壊】

 オゾン層は生物にとって有害な太陽放射中の紫外線を途中で吸収して、地表に到達させない作用をしています。

 オゾン層破壊の原因物質が、大気中に放出されたフロンガスおよびハロンガスであることが明確になり、フロンが規制されました。

 

【地球温暖化】

 地球が太陽から受ける熱量と、地球から宇宙空間に放出される熱量のバランスが崩れはじめており、地球側の保温性が高まりつつあります。

 人為的に発生している、温室ガス(メタン・フロン・亜酸化窒素・二酸化炭素)の中でも二酸化炭素の影響がもっとも大きいとされ、化石燃料(二酸化炭素)の消費量を押さえてゆくことが必要とされています。

 

【森林破壊】

 森林は商業的伐採、燃料としての利用、移動農耕による伐採、家畜の食害などにより減少し続けており、1年間に日本の国土面積のおよそ1/4にあたる面積が減少しています。

 日本のような温帯林にあっては植林による更新は比較的容易かつ円滑に行なわれていますが、熱帯林は土壌条件が悪いこともあり更新は容易ではありません。

 

【酸性雨】

 燃焼排気の中に含まれる二酸化硫黄、窒素酸化物は空気に放出され最終的に硫酸、硝酸に変化します。これが雨水に溶け込んで強い酸性の雨となって降ります。

 湖沼水の酸性化による魚の死滅、樹木の枯死、構造物の腐食、劣化などが報告され、日本でもそれと疑われるような樹木の枯死が報じられるようになりますた。

 

【海洋汚染】

 比較的小規模な東京湾、瀬戸内海などの閉鎖的な水域での汚染が主でありますが、原油流出のような大規模な汚染も現れています。

 日本周辺海域で多いのは、油漏れまたは不法投棄、ついで生活廃水による有機物汚染であります。

 

【廃棄物】

 自国で発生した廃棄物を他国へ輸出して処分するといった廃棄物の越境移動がヨーロッパとアフリカの間で頻繁に行なわれていましたが、バーセル条約により禁止されました。

 廃棄物の多くが、地球環境に負荷を掛けて製造された製品の『なれの果て』であることを考えると、廃棄物の消滅が日常生活に密着した環境保全活動として、もっと重要視されなければなりません。

 

【砂漠化】

 砂漠化の進行は非常に急速であって、九州と四国を合わせた程の面積が毎年砂漠化していると言われます。人口増加や家畜の過放牧による植生の破壊が重なって起こるのが大部分です。また、タイ奥地やブラジルのアマゾン流域など、屈指の降水地帯でも砂漠化が起こっています。

 

地球環境と建築のかかわり

建設産業は、典型的に資源・エネルギーの大量消費に立脚した産業であります。

建築物が他のいかなる産業の製品よりも巨大であり、建築物を構成する基本素材は鉄とセメントです。

 鉄とセメントは、原鉱石に大量の熱処理を加えて作り出される材料であって、エネルギーのかたまりのようなものです。

竣工後にも、空調・照明・給湯・諸動力と、建物の運用段階で常にエネルギーを投入して居住環境を維持していかなければなりません。

 そしてライフ・サイクルの終わりに解体、撤去される段階で、大量の廃棄物を生み出します。

 建物を建て、都市を建設することを通じてわたくしたちは、地球環境に大きな負荷をかけております。

 

各種建材1sを生産するのに投入される燃料から放出される炭素量の分析

主要建設資材の二酸化炭素排出量現単位

(現時点の推奨値)

建 設 資 材

二酸化炭素排出量

(s-C/s)

砂利・石材

0.00030  

木 材  

炭素固定なし

製材

0.0078  

合板  

0.0487  

(炭素固定あり)  

製材

(-0.492)

合板  

(-0.447)

合 成 樹 脂 繊 維  

0.176  

ガ ラ ス

 

0.414  

繊  維

0.579  

セメント

ポルトランド  

0.235  

45%スラグ高炉

0.138

陶磁器(建設用)

0.114  

鉄 鋼  

棒 鋼  

0.173

鋼 板  

0.436

0.280  

アルミ(サッシュ用)  

1.756  

建設関連の炭素発生量が国全体の中で占める割合

 

建設時の炭素発生

建設資材生産における炭素発生は全体の 13%

資材等の運搬は約 3.5%

建設現場での炭素発生は約 1.0% 強

建物運用時のエネルギー消費に起因する炭素発生  

住宅と業務用建築を合せて16.5%

    以上の合計 約34% となります。

 建設産業の活動により波及的に引き起こされるものを加えると、実に炭素発生の約45%に建設産業が関わり合っています。

床面積1uについての炭素発生量の算出

鉄鋼とセメントの製造が圧倒的に大きな割合を占めています。

木材の使用量が大きい木造では、絶対値が小さい。

建築 省エネルギー施策の展

 1900年10月に「地球温暖化防止行動計画」が閣議決定されて、今後の我が国における対応の基本方針が定められました。

 この目標設定は米国を除く先進工業諸国と共通のものですが、以前に省エネルギー努力を払って、排出量を非常に小さく押さえ込んでいる日本にとって、困難な目標と考えられています。

世界の化石燃料消費によるCO2排出量(1987年)

出典 平成2年度環境白書

エネルギー源の転換  

 1、天然ガスなどの炭素発生の少ないエネルギーへの転換

 2、太陽エネルギーのような炭素発生を伴わないエネルギーへの転換

 3、民生分野エネルギーシェアを将来的に25%から30%に移行する

消費の絶対量の削減

建 築 物

 熱損失の防止や熱効率の向上にとどまらず、建築内で使用されるすべてのエネルギーにつき、建物のライフサイクルに全般にわたって省エネルギーを行なうべき。

家庭部門  

 一世帯あたりのエネルギー消費量を、まず現状レベルに押さえ、次いで削減に向かう。

自然エネルギー、都市未利用エネルギーの活用  

資源リサイクル

建築物の耐久性の向上

住宅の断熱基準の強化

具体的な施策  

 1,  住宅の断熱基準の強化

  2,  業務建築は、基準強化とともにトータルなエネルギー評価へ移行

  3,  建物運用・管理段階での実態掌握と管理態勢の整備

  4,  先導的な技術開発の推進と援助、そのための条件整備  

先進各国の一人当たりCO2排出量(ton/人、1988)

出典 OECD、エネルギーバランス

建築生産と資源使用量

建築分野消費資源量

建設資材

消費量(kt)

比率(%)

砂利・石材

224,991

74,0

繊維製品

115

0,04

木 材

15,649

5,2

紙製品

715

0,2

塗 料

649

0,2

合成樹脂製品

1,306

0,4

ガラス

860

0,28

セメント

25,472

8,4

陶磁器類

16,343

5,4

16,898

5,6

157

0,05

アルミニウム

538

0,18

その他の金属

155

0,05

合 計

303,848

100

(注)木材 500s/㎥ 繊維 1.0s/uと換算

 重量的には75%近くが砂利・石材であり、次いでセメント、鉄鋼とつづきます。

左記の建築資材生産に伴い、各種の環境負荷が発生しますが、地球規模の問題としては地球温暖化の主原因物質である二酸化炭素排出と、酸性雨の原因物質の硫黄酸化物や窒素酸化物の排出があげられます。

酸性雨は排出抑制技術がほぼ確立され、国内発生分については抑制がほぼ可能です。

 二酸化炭素等の排出は経済的抑制手段がは確立しておらず、また、化石燃料使用量を減らすことが温暖化抑制と同時に酸性雨の抑制にもつながることから、二酸化炭素排出の抑制が重点課題となってきています。

建築生産と熱帯材消費

地球環境問題の一つに熱帯林の減少があげられます。

針葉樹が中心の寒帯・温帯林は、世界的にみて伐採と植林が均衡しており、マクロには問題ありません。

  熱帯雨林は、発展途上国の人口爆発によって、農地の拡大や牧畜の増加、炊事用薪墨量の増加等によって面積が急激に減少しています。なかでも熱帯雨林は、多様な生物の宝庫であり、地球の気象システムに大きな影響を与えているので、急激な減少は大問題です。

世界の熱帯雨林減少に占める日本の建設活動の比重

伐採された熱帯林の木材は、ほとんど産出国の燃料や商業用に使われ、輸出量はわずか4%にしかすぎません。

ただし国際流通量についてみると、日本が最大の輸入国であり、最終用途は合板(建設型枠用)が圧倒的です。

 1992年に建設業協会では、今後5年間以内に、型枠用の熱帯材消費を35%以上削減する目標をうちだし、針葉樹合板、鋼製デッキプレート等の工法により実績をあげています。

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