2003-10-05-白峰南嶺の笹山[黒河内岳]
笹山の岩の流れに
歩く道を浮かべてぞ
山々の頂きにもの言わぬ
一人だけの山登りに
登って誰が語ろうか
登って誰が呼ぼうか
登り行く我の胸に
頂きを求めて躊躇して
山立ちの日がやってきた
白峰南嶺の笹山に憧れて
台風も何処吹く風のように
素知らぬ顔をして
されど気にしながら
明日の登れる日に
登山の安らぎは来るのか
笹山の英気は訪れるのか
山に英雄二つあり
昔から聳える笹山
頂きを制覇する人
されど人間の知的遊戯にて
自然の掟に流されて
訪れてこそ真の山なり
我が身と心は晴れた山の岩となる
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| 奈良田の神社 |
5月31日(土)
朝食を済ませてから、信州須坂の我が家から愛車を走らせて野辺山高原を走っていると雨になってきた。暫く走り道の駅に立ち寄ってから韮崎を通って早川町にある南アルプス山岳写真館の駐車場に午後着いた。台風の影響で時々激しい大雨が降ったりして愛車内で缶詰状態になっていて憂鬱であった。御飯を炊いてからおかずを作って、ビールを飲みながら時々雨が小雨になると外に出て新鮮な空気を吸った。
奈良田の村民のオバさんがお墓の手入れをしていたので、コウモリさしながら村の世間話をした。ほとんどのお墓の名前が深沢家になっているが家紋はいろいろあった。また激しく雨が降ってきたので愛車の中へ入って酒を飲みながら時を過ごしていた。
夜になると時々星空が顔を出して明日は晴れると教えているような気がしたが、時々小雨が降ってきて期待を裏切っていつの間にか夜も深けて眠りについた。
奈良田の里に雨が降る
奈良田の夕暮れに
雨の矢が降り注いで
退屈な車内での生活
我が愛車も音を立てて
コンコン
パラパラ
外良寺の広場で
感謝の気持ちを広げて
打たれる雨水に先祖の涙
そっと静かに流れて
チョロチヨロ
サラサラ
板葺きの石置き屋根から
指定文化財の昔の面影残して
音を立てて流れる屋根の川に
跳ねて踊るは夜の雨水
ピシャピシャ
バシャバシャ
6月1日(日)
今日も朝から雨降りで愛車内で過ごしていたが、やっと午後から小降りになりスライドのドアーを開けて新鮮な空気の入れ替えをした。山手の坂を登って400円の温泉に入ってから駐車場の神社などを見て回った。明日の為にそろそろ登山口に移動しなければいけないかなと思って南へ愛車を走らせてトンネルとトンネルとの間にある林道から入って行ったら、伝付峠の登山口への林道を2kmほど走った所で土砂崩れで道が寸断されていて行かれなかった。
なんとかUターンして引き返して広場で愛車を止めて地図を広げて思案していたら釣りに来ていた人が来て話しかけてきました。
「すごい車ですね」
「この先崩れていて行かれなかったです」
「昨日の雨で崩れたのでしょう」
「先週も来たのですが 行かれました」
「その先はどうでしょうかね」
「多分 台風で荒れているでしょうね」
伝付峠への道は沢歩きなのでその先がどうなっているか保証がないし、もし登って行って崩れていて行かれなくて引き返すのも嫌だったので ここからの笹山登山は諦めることにした。そこから引き返して奈良田の駐車場を通り過ぎて奈良田第一発電所の広河内橋の隣に昔も止めたことがある。2台ほど止められる広場に愛車を止めた。
雨も風に流されて風だけが強く吹いていた。そんな中で山に持っていくものをザックに詰め込んで不足なものはないか再度確認してから、御飯を炊いて明日のコースなどを想定しながら酒を飲み地図を見ていたら地元の釣人の監視委員が小生の愛車に近づいて来た。
「いろいろあって凄い車だなあ」
「毎日が山登りですから」
といろいろな話をしながら最後に彼は笹山には1泊2日では無理だと言われた。万一の事を考えて念のために改めて食料は3泊4日分の用意をしてザックに詰めた。ビールなどを飲みながら外をブラブラしているうちに夜も深け星も見え始めてきた。
静かなる広河内橋の袂で
台風の爪跡に狼狽して
登り口を変えて待つ我に
ゴウゴウと音を立てて
流れ多く濁っている川の流れに
夜の星もささやいて
明日を待つのは穂の実り
夢の中で行く道の流れに
残雪や倒木に迎えられるのか
山の流れる水にまかせて
登れば夢もまた正夢になりか
吹き荒れる天を見入れば
風に若葉舞って山に誰か来ぬか
6月2日(月)
残りの御飯とおかずを入れ物に詰めて広河原橋を5時10出発してゲートを通り過ぎて登山者記帳のある所で記入してから、登山者休息所を通り過ぎた。その先から工事の為右手の山に作られた道を登って下りて昔からの登山道に入って歩いて行った。
3つ目の吊り橋を渡って山手の右側をトラバースしながら徐々に高度を上げて登って行って川に出て木の橋を渡り返して7時50分に大門沢小屋に着いた。休息をしながら弁当を開いて食べながらテント場など散策して歩いた。
大門沢小屋を8時15分に出発して暫く登ると残雪が見えてきた。慎重に雪渓を渡って次の大雪渓の口が開いた所で川の下に下りて水を4リットル汲んでザックを背負ったら急に重くなってしまった。暫く夏道を歩いていくと大雪渓に道は吸い込まれていた。雪渓に出て広河内沢の大雪渓を上り詰めて雪渓と雪渓の間のから小さな尾根に取りついて土の柔らかい夏道を登った。
ここからの登りは実にキツい。ザックが肩に食い込み少し登っては石の上にザックを置いては休んでの繰り返しをして登って行った。そのうちに残雪が夏道を覆うようになってさらに木の枝などを掴みながら登ったのでなおザックが重く感じてきた。次第にダケカンバの林になって這い松も見えてきた。
2550m地点の所から夏道に残雪が当たり一面にあり思いザックを背負ってのトラバースは危険と判断してどうすれば良いのかザックを下ろしてアイゼンを付けながら考えていた。雪溪に一人の歩いた足跡がついていたが、もし滑ったら重いザックでのデカバリーは無理だろう思った。どうしても安全に登るのが第一なので、先立つ心を押さえて冷静に考えていた。
さあ 何処を歩くのだ!
さあどうする
重いザックを背負って
雪溪の急斜面をトラバースするのか
それとも諦めて引き返すか
そんなこと出来るわけがないだろう
ジァあどうする
むーーーーーーーーーー
うーーーーーーーーーー
昔ここを歩いた時夏道だったからな
そういえば這い松の中に目印のような丸太棒が
2から3本ぐらいあったなあー
写真家の白旗史朗の
本の何処かにそんなこと書かれていたな
分かったぞ
そうかそうか 何処を歩くんだ!
ここさ ここ登れば良いのさ
さあ登ろうぜ
大丈夫か そんな事言っていられないぞ
まあまあ ほーら
先人達の歩いた踏み跡があるじゃないか
這い松も木の手を差し伸べて
我は快適にガラ丘に着いたのさ
かなり昔、白旗氏の本で冬道があると読んだことを思い出して捜してみたがこれといって登りやすい所がなかった為、雪解けで柔らかなガラ場をアイゼンを付けたまま登ってガラ場の付け根の右手にやっと先人達の歩いた這い松帯の中にある道に出た。ここでアイゼンを外して這い松を掴まりながら草木の生えていない石ころの小さな丘の頂きに着いた。
以前来た時に確認してあった冬山用の目印の棒を見て這い松をかき分けて夏道に入りジグザグに登って大門沢下降点に12時7分に着いた。朝雲も消え失せて晴れ渡る良い天気の稜線で何処かにいる登山者が聞こえるかなと思い3度程鐘を鳴らした。
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| 農鳥岳の鐘 |
鐘が鳴るなる
農鳥岳に鐘が鳴る
一つ 登られた先人の
山々での安全を祈って鐘が鳴る
二つ 笹山へ向かう我が
無事に行かれることに鐘が鳴る
三つ これから登られる人の為に
未来の為に鐘が鳴る
鐘に癒されて雲沸き上がり
別天地に立ち止まれば
鐘は彼方まで聞えている
南アルプスの空に鐘が鳴る
農鳥岳に鐘が鳴るなる
ザックを下ろして写真を撮ってから食事を澄ませて1度登ったことがある広河内岳に向かって登って行った。大門沢下降点から農鳥岳方面や広河内岳までペンキの印が沢山付けてあり分かりやすく迷うことなく快適に歩き登って行った。小さなコブを越えて比較的平坦な道を歩いて12時47分に登頂2度目の広河内岳2891mに着いた。ここからの景色は抜群である。塩見岳・農鳥岳と素晴らしい展望に心は奪われ一時を過ごした。
広河内岳からペンキの印のない踏み跡を確認しながら稜線を歩いて小さなコブ峰からしっかりした踏み跡があッたので下って行ったが左手の稜線には行かなかったドンドン沢へ下って行くだけだった。引き返して北東にトラバースして主稜線に出た。
一番低い鞍部から右へ急カーブ(南方面)して岩場のゆるやかな登りの2重尾根の右尾根を歩いて行ったが東側からのガスの吹き上げで時々前方が見えにくくなることがあった。景色が見える時は目を皿のようにしてしっかりと頭にたたき込んで歩いて行った。
左手の尾根も一つ目のピーク2772mで一つになって一本の尾根になって分かりやすくなった。稜線より少し右手を歩いて2つ目のピーク大籠岳(おおこもり)2767mに着いた。この辺りから岩の色が赤茶けたものに変わって雰囲気も違ってきた。少しガスる中を尾根の右際を歩いて平坦な踏み跡の薄い岩の上を歩いて小さなコブを2つ越えて右へ右へ回り込んで行ったらテント場に良いような残雪が残っている場所に出た。
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| 白河内岳への稜線 |
そこから少し右へトラバース気味に登って左へ回って登って白河内岳2813mに14時53分に着いた。標識も無い白河内岳の山頂は広々としていて遮るものがない大展望の頂きであるがガスったりしたら方向音痴になるような所であった。
白河内の岩さん草花さん
赤い岩さん岩さん
君を知らずに来てしまった
あちらの岩こちらの岩も
微笑んで見ているかな
我も岩さん見渡して
「やあーーー」
「元気かいーーー」
白河内岳の赤い岩さん
明日は誰を見ているかな
赤い岩園の草花さん
君はいつ咲くのかな
あちらの草花こちらの草花も
いつ咲かせて見せるかな
我は草花さん見渡して
「やあーーー」
「早く咲かせてねーーー」
白河内岳の草花さん
明日は咲かせるかな
行く方向の稜線は時々ガスっていたが見える時に見ておいたので稜線を外さないように左手の尾根から下って行った。小さなコブの天辺に登り笹山方面を見ながら何処から藪の中に入るのか見定めていた。這い松の間に枯れた一本の筋があったので、それかなと思って下って入って行ったが踏み跡がいつの間にか消えていた。
白峰南嶺の笹山[黒河内岳]NO-1
大パノラマコースから山梨百名山の笹山を目指して