縄 文 杉

国指定特別天然記念物
所在地 : 鹿児島県熊毛郡上屋久町

今では、関係者だけでなく 一般にもよく知られる「縄文杉」だが、この樹を訪ねるとなると そ うは 簡単なことではない。標高600mにある 荒川林道終点までは車で入れるが、そこから始まる 8.3kmに及ぶ トロッコ軌道上を歩く行程と、大株歩道入り口から始まる 2.5km の厳しい登山 道、合計10.8kmの道のりを 標高1300mまで、自分の足で 自分の体を運び上げなければなら ないのだ。厳しい原生林の中に続く歩道を辿っていくと展望デッキの階段が現れ、そこを登ると目の前に 写真を見てイメージしていた縄文杉の姿が飛び込んでくる。此処にいたるまでの道中の苦労、努力も 並大抵ではなかっただけに、それが感動に変わる瞬間は格別の味わいだ。推定樹齢7200年、本 当にそんなに永く、名前のとおり縄文時代から生きてきたのかどうかはわからないが、目通り幹周 16.4mまでに太くなり、神秘的な樹皮を纏った重厚な主幹を見ていると、やはりそれだけの年輪 を秘めていても不思議は無いなと感じるようになってしまう。
樹高は25mと杉としては低く、ずん ぐりとした姿をしている。大自然が原生林の樹冠から飛び出して伸びることを許してくれなかったのだろう。 この樹が1966年に発見されるまでは、周囲は人目につかないほどに生い茂っていて、今のような 空間はおそらく無かったに違いない。だが、今では根を守るために縄文杉を眺め、写真を撮るために 立派な展望デッキが作られている。原生林の中では不釣合な造作物だが、これだけ多くの人が訪れる ようになれば木を守るためには致し方のないことだろう。そのデッキの上で弁当を食べ、何枚も写真 を撮っている自分もまた不自然を作り出している人間の一員なのかなという自覚が頭をよぎったとき、 " そんなこと気にするな、人間の存在 所業 それもまた自然なのだ ! " 縄文杉がつぶやいたよ うな気がしました。

縄文杉の枝折れる
2005年12月 縄文杉の枝が記録的な大雪で折れた。長さ約4m、太さ約0.6m、重さ約 1.2トンの大枝と、重さ約550kgの小枝。大枝は展望デッキから向かって右の下から二番 目のもので、写真で黒く写っている枝だと思います。4月24日にヘリで吊り上げて回収された。 現物は上屋久町の屋久杉自然館で展示保存される。 < 毎日新聞記事より抜粋 >

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