カウリ豆知識 (Kauri)

タネ・マフタ

一億数千万年前から種を絶やすことなくニュージーランド北島に生存してきたカウリは、学名アガチス・オーストラ リスというアガチス科(ナンヨウスギ科)の常緑針葉樹で、針葉樹でありながら広葉をもつのがナギと似ているのでナギ モドキの名もある。アガチス科の仲間は、南太平洋一帯に約20種ほどがあり、特にニュージーランドのカウリは有用な カウリ・ガムが採取されることや、木材としての品質・価値の高さで知られている。太くて、まっすぐに直立する 円柱形の幹は樹高56.3mというものが現認されており、太さでは幹周16.41mというものが現存している。大径 木で節のない美しい木目が珍重され、ヨーロッパ人が入植を始めた18〜20世紀前半にかけて乱伐され、2000年 もの樹齢を重ねたカウリの巨木が、なんと、この200年間に伐りまくられて、ほとんど姿を消してしまったという。  現在では元の森林面積のわずか数パーセントにあたる4000ヘクタールを残すのみとなってしまったが、 森林保護区を設ける等、なんとか絶滅防止の手段が講じられて、今では個人所有物であっても、伐採を禁じるほど の厳しい規制のもとにカウリは保護されるようになっている。

伐採風景


計測法

Forest Giants
ニュージーランドでは左図のような方法でカウリの大きさを測定しているようだ。 大きな樹という観点から見れば、1870年にコロマンデル半島テームズ・コーストで 体積は不明だが、直径8.54m、 幹周26.83mという、超太い巨樹があったと伝えられており、1890年にノースランド地方で山火事により焼死した 「カイラル」という樹は直径6.4m、幹周20.1mで、枝を持たない幹の高さが30.5mもあったので、体積は 735m3という物凄さで、現存するカウリ最大といわれる「タネ・マフタ」の3倍もあったそうだ。 今の地球環境下において、こんな怪物カウリを再現させることは不可能であろうと思う。だが、もし、仮に出来たとしても、 あと2000年以上という途方もない なが〜い時間が必要なんだよね。



カウリ・コースト
オークランドを出ておよそ185kmほどに ノースランド西海岸の小さな田舎町 ダーガービルがある。かって、カウリ 伐採・搬出とカウリ・ガム採集に沸いたこの町を中心に、タズマン海に面した長い西海岸線一帯はカウリ・コーストと呼ば れるエリアで、その昔、この地にはニュージーランド原生のカウリが生い茂るカウリの宝庫であったところである。しかし、 ダーガービルを突っ切って国道12号線を走っても、景色の中には、伐りつくした跡地に開墾されたと思われる牧草地が目 につくばかりで、カウリなどは一本たりとも目にすることはできないのである。
ダーガービルの町を過ぎて40kmほど走った頃、ようやく森林が見え始め、やがて緑濃く茂るシダや灌木の隙間から白 っぽいカウリの幹が見え隠れするノースランド西海岸原生林の中に入っていく。曲がりくねりながら森林を 縦断する国道12号線はやがて、乱伐が最盛期を迎える頃の1876年という時期に政府が買い取って、保護するよ うになった「ワイポウア森林保護区」内に入る。やがて道沿いにもカウリが姿を見せ始め、写真のように2本のカウリの 隙間を一車線区間にして樹を保護するといった景色も見られるようになる。そしてこの保護区の中に僅かに残るだけとな った巨木の中に、往時を思い起こさせるに足る「タネ・マフタ」と呼ばれるような素晴らしい樹が現存しているのである。

キウイ注意標識


コロマンデル半島
コロマンデル半島は、オークランドの南東80kmほどに位置する テームズの町を 半島西側の付け根として、 北に向ってハウラキ湾を囲い込むように突き出した形をしている。その昔、半島の玄関口にあったテームズ の町は、ゴールド ラッシュに沸いたり、カウリの伐採・製材業で潤って 盛況な時代があった。だが今は、 その頃の歴史遺産を観光にする、落ち着いた雰囲気の田舎町といった感がある。 一方、入り組んだ海岸線と白浜の美しい東海岸、マーキュリー・ベイ一帯は風光明媚な観光リゾート地 として開発の手が入っている。 しかし、半島内陸部の山地はほとんどが原生林に覆われ太古の姿そのままで、青い海と緑の森のコントラストが映え る自然豊かな地帯である。かつてはニュージランドの北島全土を覆っていたといわれるカウリの森が伐採されて、 森林面積は減少し、カウリの巨木も今やほとんどが姿を消してしまっている。しかし、ノースランドのカウリ・ コーストほど有名ではないが、このコロマンデル半島内陸部にはまだ一部に貴重なカウリの巨木が原生のままに 残っており、ここもまた貴重なカウリ現存エリアである

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