花暦吉日姿


詞書 資料
tsume 爪とりよし
人めをばもれてなづなは名にしおふ
ぺんぺん草のいとしさに
今さら摘ぬ女気は
たとへ暦に寅の日が
いくつあらうとままにして
糸みちのこす爪とりぞよし
 作者万亭おう賀述


kyu 灸すえよし
さりながら貧の病は苦にならず
ほかの病のその外(ほか)に
顔痩(おもやせ)みゆるひとり寝の
身は大切と風かこふ
霞の屏風ひきたてて
鳥もねぐらに灸すえぞよし
 作者万亭おう賀



yorozu 万(よろづ)よし
花もたぬ柳の糸はふりもよく
身をへりくだりへりくだり
をしてもまかする枝なれば
争ふ風はながしめに
うけて世帯へ一筋を
千筋に配る気は萬よし
 作者万亭おう賀述

 

fune 舟一葉よし
つつがにもえにしの糸をひとすぢに
渡ろとすれどわたられぬ
恋の川辺にかねてより
そよぐ柳は野暮ならず
一葉うかへてゆふ風を
たのめばおくる舟のりぞよし
 作者万亭おう賀



kiso 着そ始よし
君が代の初日の鏡曇りなく
今朝ははたちの山姫も
雪を重ねし白無垢の
うへへ霞をうちかけの
裾野模様は春駒の
気もわか松のきそはじめよし
 作者万亭おう賀述


旅立よし
夜め遠め笠のうちより もみの紐
とけた素顔へ 三日月の
櫛はさせども 恋風に
まかせば とかすもつれ毛も
裾のしどけも なりふりも
つくらで目だつ 旅立ぞよし




かぶった頭巾を取ろうとしている美人半身。楓、銀杏の葉が落ちかかっている。

爐開よし
頭巾着て あかい心を下戸らしふ
やつす姿と 道も背の
散りし紅葉は しら雪が
人目つつめて 隠れ家の
臥猪(ふすゐ)の床で いろもかも
とけてやぬれん 爐びたらきぞよし


  
「浮世絵名品500選」
神奈川県立博物館(1991)

手鏡を持ち、お歯黒の様子を確認している美人半身。着物は浅葱の弁慶縞。

元服よし


手拭いをかぶりたすきをして右手に抱えたざるに左手を入れている。

種蒔よし

嫁取よし
若草の 色づく山の男土
女は金の相性に
ふたりが中のくらしをば
顔でそむけば
娘気の こころのうちの
駒下駄は うれしく
かける 嫁取ぞよし
 作者万亭おう賀述 




TOPへ 錦絵の展示