国際ニュース・カウントダウン



◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2008年2月17-23日


◆コソボが独立宣言(17日)☆☆
・セルビアのコソボ自治州は一方的に独立を宣言した。議会を招集して決めた。
・国連暫定統治を終え、EU主体の国際機関監督下で独立国として歩み始める。
・米国や英仏独などは独立を承認した。
・セルビアは強く反発。ロシアも反対し、国連やIMFなどへの加盟は阻止する構え。
・セルビアの首都ベオグラードでは21日大規模な抗議デモが発生。米大使館が襲撃された。
・コソボはセルビアの聖地だが、現在はアルバニア系の住民が多数派。
・1999年の紛争では大量のアルバニア系難民が発生。NATOがユーゴ(当時)を空爆した。
・コソボ独立で旧ユーゴは7カ国に分裂。ユーゴ解体はまた一つの節目を超えた。
・今後の行方は流動的。独立がボスニア内の分離運動などに飛び火する懸念も消えない。

◆カストロ議長が引退表明(19日)☆☆
・キューバのカストロ氏が国家評議会議長(元首)からの引退を表明した。
・高齢と病気が理由。同氏は1959年の革命から49年間、国家トップを務めてきた。
・ただ執筆活動などは続けるとし、共産党第1書記職については言及していない。
・後継は、弟のラウル第1副議長らによる集団指導体制になるとみられる。
・キューバはカストロの下、反米国の象徴として独自の存在感を示し続けてきた。
・しかし経済的には低迷。特に91年のソ連崩壊後は苦境が隠せなくなっている。
・今後キューバがどの方向に進むか、「世界の中の国家」を考える上でも注目される。

◆パキスタン総選挙、野党が圧勝(18日)☆☆
・総選挙が実施され、ブット元首相派の人民党とシャリフ元首相派の野党が圧勝した。
・ムシャラフ大統領派は大敗。「国民の考えを尊重する」と敗北を認めた。
・大統領は辞任を否定した。しかし影響力の低下は必至だ。
・ブット派とシャリフ派は21日、連立内閣樹立で基本合意した。
・シャリフ元首相は大統領との対決色をあらわにした。
・選挙は懸念された混乱もほとんど無く実施され、同国民主化にとっての意義は大きい。
・ただ安定的な政権樹立のメドは全く立たなく、むしろ混乱拡大の懸念が増加した。
・米国は選挙を通じ民主化と穏健派安定政権樹立を期待したが、シナリオは崩れた。

◆原油が再び100ドル突破(19日)☆
・NY原油先物価格が再び1バレル=100ドルを突破した。
・米利下げ→インフレ懸念の高まりなどを背景にしている。
・原油先物価格は1月2日に一時100ドルを突破。その後不安定な動きを続けている。

◆アフガンでテロ、タリバン政権崩壊後最悪被害(17日)☆
・南部のカンダハル郊外の闘犬会場で自爆テロがあり、100人超が死亡、多数が負傷した。
・2001年のタリバン政権崩壊後で最悪のテロ。
・州当局はタリバンの犯行を断定した。
・18日にもカンダハル州で国際治安支援部隊のカナダ軍車列を狙った自爆テロが発生。
・少なくとも35人の一般市民が死亡した。
・連日のテロは、深刻な治安状況を改めて浮き彫りにした。


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 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース                  
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース          
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
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 │プラスアルファ                         
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │ (日)騒いでいるのは日本だけ                
 │ (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない     
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◎寸評:of the Week

 【大ニュース】 大ニュースが相次いだ。コソボ独立、カルトろ引退はいずれも歴史年表に載るニュース。パキスタン総選挙の結果は同国情勢のみならず、世界の対テロ戦争の行方にも影響を及ぼす。ベスト5以外でも米国の情報収集衛星迎撃(21日)、トルコのイラクへの越境攻撃(21日)など重要ニュースがあった。



◎国際ニュースを切る


◆コソボ独立:パンドラの箱

 セルビアのコソボ自治州が独立を宣言した。外向的決着がつかない下での見切りの独立。セルビアは強く反発しており、今後も不安定な状況が続くことは必至だ。

 コソボ問題は歴史、宗教、民族が入り組んで極めて複雑だ。そもそもコソボはセルビア発祥の地とされるが、オスマントルコが占領。1912年にアルバニア独立の際にセルビアに編入された。

 人口は200万人で大多数がアルバニア系。彼らの宗教はイスラム教だ。そこに10-20万人といわれる少数派セルビア系住民(正教会徒)が住む(99年のコソボ紛争後、セルビア系住民は減少している)。

 セルビアは「コソボ独立は永遠に認めない」と反発。送電停止や禁輸などの措置も辞さない構えだ。もしコソボで少数派はとなるセルビア系住民への迫害などが表面化すれば、介入する懸念もある。

 ロシア高官などが指摘するように、独立は「パンドラの箱」を開けたことにもなりかねない。それでも米国やEU諸国の多くが独立を容認し、宣言直後に承認に踏み切った。それは他にいい対応策がないからにほかならない。

 この問題に関しては、普段は論理明快な英Economistをはじめとするメディアも、いまひとつ歯切れが悪い。妙案がないからだ。

 国際社会は1999年のコソボ紛争以来、現地に治安部隊を派遣して紛争の可能性を抑え込んできた。独立で国連中心からEU中心に変わるが、国際部隊が紛争を抑え込むカギであり続ける状況に変わりはない。

 EUなどはとりあえず、その覚悟をするしかないのが現状だ。



◆カストロのレガシー(遺産)

 キューバのカストロ氏が、国家評議会議長職からの引退を宣言した。約半世紀にわたりキューバを率い、国際的にも存在感の大きかった人物。引退は改めて、いくつもの問題を提起する。

 英Finacial Times紙は、読者向けのネットページに「カストロは米国に対峙した途上国のヒーローか、それとも自由への抑圧者だったか」と問うコーナーを設けた。これに象徴されるように、カストロ氏への評価は2分される。

 カストロ氏は約半世紀にわたり反米の象徴だった。超大国米国の圧力に屈せず独立独歩を守り抜いた姿勢は、中南米の政治に影響を与え続けた。米国がカストロ氏を社会主義者としてのみ位置づけたが、中南米国民にとっては同時に民族主義の代弁者であり、米資本の抑圧への反抗者に映ったのだ。

 近年ベネズエラのチャベス大統領やブラジルのルラ大統領が病床のカストロ氏と会談する姿を流したのも、なお衰えないカストロ人気を知っているからこそだ。

 国内では貧しい国民にも医療サービスや教育を提供する制度を樹立。世界の貧しい国に医者を派遣したり、米国の貧困層から医学生を受け入れたりする政策には、「平等」を重視する社会主義理念の良い面が表れている。

 一方で反対勢力の行動を抑圧。結果的に不満分子を米国に「難民」として送り出してきたことは否定できない事実だ。

 経済改革は遅れ、特に1991年のソ連崩壊後の苦境は隠しようがない。観光客の増加(およびそれに伴う商売の拡大)などで国民の格差は拡大した。経済グローバル化時代の展望は描けていない、と言うしかない。時代はキューバとカストロ氏にとって明らかに逆風だ。

 それでも国体安定は揺るがず、国民の求心力は維持されている。カストロ氏のカリスマ性を抜きには理解できないことだ。

 引退後は弟のラウル第1副議長らを中心とする集団指導体制になるとみられる。新体制が進む方向としては、政治的に社会主義体制を維持しながら経済自由化を目指す「中国・ベトナム方式」追及の可能性などがささやかれている。しかし現時点では不透明。「社会主義理念」にこだわるカストロ氏がどこまで容認するかも定かでない。

 英EcomomistやFinancial Timesは、キューバの改革を促すためにも米国に対し禁輸措置の停止を訴える。カリスマの引退を、半世紀のしこりを越えて新たな関係構築にしたいという主張だ。
 


◎今週の注目: 2008年2月24日‐3月1日


・24日にキューバ国会招集。ポスト・カストロの新体制を決める予定。
・パキスタン情勢、コソボ情勢の行方は要注意。



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