国際ニュース・カウントダウン
◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2008年3月9-15日
◆金融危機深刻化、資金供給→個別金融機関救済へ(14日)☆
・サブプライム問題を発端とする金融危機が一段と深刻化。
・米欧5中銀は11日、資金供給拡大の緊急声明を発表した。
・米FRBは最大2000億ドルを供給。金融機関の資金繰り悪化に対応する。
・14日にはNY連銀とJPモルガン・チェースが大手証券ベア・スターンズに緊急融資枠を設定した。
・金融危機は市場への資金供給→個別金融機関救済の段階に入った。
・ルービン、サマーズ元財務長官は14日、金融収縮が未知の水域に入ったと述べた。
◆ドル安、商品価格高騰が加速 ☆
・米国の金融危機深刻化を受け、ドル安が進展。
・主要通貨に対するドル指数(73年=100)は69と、歴史的安値を更新。
・対ユーロでは連日最安値を更新し、対円も12年振りの安値をつけた。
・株価は米欧アジアで下落した。
・こうした中で商品価格は高騰。原油先物は110ドルを突破した。
・金は13日NY取引所先物で1オンス=1000ドルを超えた。
◆中国、チベットで暴動(14日)☆
・ラサで10日以降、チベット仏教僧が中国支配への抗議行動を展開。
・14日には大規模な騒乱が発生した。
・中国軍が出動し制圧した模様だ。
・チベットでの大規模な騒乱は89年以来。
・中国では全人代を開催中で、同時期の騒乱になった。
・チベット自治区の人口は約280万人。
・59年にはチベット動乱でダマイ・ラマがインドに亡命した。
◆スペイン総選挙、与党が勝利(9日)☆
・総選挙(上下両院)が実施。与党社会労働党が第1党を維持した。
・サパテロ首相が続投する。
・2004年発足の同政権はイラク撤退を決定。自治拡大や政教分離を進めた。
・経済も15年に及ぶ成長を維持している。
・ただ、インフレ懸念の拡大など経済運営は難しさを増している。
・選挙戦では同性愛者の権利拡大等を巡り教会が政権に反発。話題になった。
◆マレーシア総選挙、与党40年ぶりの後退(9日)
・総選挙が8日実施。開票の結果、与党国民戦線が過半数を維持した。
・しかし憲法改正に必要な3分の2を約40年ぶりに割り込んだ。
・同時投票の州議会選でも与党が退潮。歴史的な後退となった。
・マレー系優先政策への批判が強まったためとみられる。
・同国政治の変化の節目になる可能性がある。
・同国与党連合は民族別などに分かれた14党で構成する。
┌─────────────────────────────
│INCDの採点
│ ☆☆☆ 世紀の大ニュース
│ ☆☆ 世界史の年表に載るようなニュース
│ ☆ 国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース
│ 無印 興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
├─────────────────────────────
│プラスアルファ
│ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
│ (日)騒いでいるのは日本だけ
│ (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない
└─────────────────────────────
◎寸評:of the Week
【深刻化する金融危機】 金融危機が深刻化し、危機感が強まっている。昨夏に問題が表面化して以来、米FRBは利下げを実施、欧州中銀とも協力して市場に膨大な資金を供給してきた。しかし事態はむしろ深刻化し、14日には大手証券のベア・スターンズに対し緊急融資をせざるを得ない状況になった。
米金融システムへの不安や米景気後退懸念からドルは歴史的な水準にまで低下。資金は商品市場に回り、原油や金価格が高騰している。底の見えぬ先行き不安から世界的な景気後退とインフレが同時に表面化する「スタグフレーション」の懸念も強まっている。
米国では、金融システムの崩壊を防ぐためには、金融機関救済のための公的資金投入を決断すべきだという議論も強まっている。
(→国際ニュースを切る)
【チベット暴動】 チベットのラサで暴動が起きた。チベット仏教僧侶らによる抗議行動が治安当局との衝突に至った模様。現地から断片的に送られてくる映像は、緊迫した情勢を伝える。
情報はまだ限定的で、詳細は分からない。ただ、全人代開催中にこうした暴動が起きたところにこれまでとの違いがある。世界のメディアを意識して関係者が動きた可能性もある。
北京五輪を控えた中国としては、世界世論との付き合い方が最も重要な時。展開から目が離せない。
◎今週の注目: 2008年3月16-22日
・金融危機が深刻化。市場動向に注目が集まる。そんな中、18日に米FRBの公開市場委員会が開かれる。追加利下げが濃厚だが、その幅や声明が集まる。
・チベットの暴動は中国政府が制圧した模様だが、展開は予断を許さない。
・そんな折、中国の全人代が18日閉幕。温家宝首相の会見がある。この場で何を言うかも注目。
・イラク戦争開戦から20日で5年。テロは最近、数がやや減ってきたもののなお頻発。治安安定の道筋は見えない。シーア派とスンニー派、クルド人勢力の分離傾向も強まり、国家再建の行方はなお不透明なままだ。情勢も改めて考え直したい。
・台湾総統選が22日行われる。民進党の謝長廷氏と国民党の馬英九氏の一騎打ち。今後の中台関係、東アジアの構造の行方を左右する重要な選挙になる。
| homepage | 最新号 | 週間カウントダウン backnumber |
column 国際ニュースを切る |
読者からの便り |
Copyright(C)2000−2008 INCD-club