国際ニュース・カウントダウン



◎国際ニュース・週間カウントダウン: 2008年8月23−30日
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

◆ロシア、南オセチアなどの独立承認、米欧の対立深刻化(26日)☆☆
・グルジアを巡る情勢はロシアが駐留を継続。緊迫が続いている。
・こうした中、ロシアは26日、南オセチアとアブハジアの独立を承認した。
・メドベージェフ大統領は「新冷戦も恐れない」と発言した。
・米欧は警戒感を一層強め、対立は深刻化している。

◆米民主党オバマ氏を正式指名、共和は女性副大統領候補(28-29日)☆
・米民主党は25-28日党大会を開催。大統領候補にオバマ氏を正式に指名した。
・副大統領候補にはバイデン上院議員を指名した。
・8万人の集会で、予備選で分裂した党の結束演出に努めた。
・政策綱領ではイラクからの早期撤退、雇用創出などを掲げた。
・共和党は29日、副大統領候補にペイリン・アラスカ州知事を固めた。
・44歳の女性で5人の母親。事前には予想外だった。
・大統領選は両党正副の候補が決まり、本番に入る。
・初の黒人大統領か女性副大統領の選出が決まった。

◆パキスタン連立政権崩壊(25日)☆
・連立与党第2党のPML-Nは連立政権からの離脱を発表した。
・最高裁判事の復職や大統領の後任で、第1党の人民党との対立が深まった。
・ムシャラフ前大統領を辞任に追い込んでから1週間での連立崩壊。
・同国政局の混迷が深まる懸念がある。

◆北朝鮮、核無力化を中断(26日)☆
・北朝鮮は寧辺の核施設の無能力化作業を中断すると発表した。
・米国のテロ指定国家指定解除が8月中旬までに実現しなかったのを受けた。
・米は非核化計画推進を条件に指定解除を表明したが、進展不十分と判断した。
・無能力化中断で、北朝鮮は再び瀬戸際外交に出た格好。
・北朝鮮核問題の行方は、また先行き不透明感が増した。

◆タイで反首相派が首相府占拠(26日)☆
・マサック政権打倒を唱える市民団体PADが首相府を占拠。1万人が座り込んだ。
・政府は当面強制排除を見送り。首相府選挙の異常事態が続いている。
・PADは反タクシン元首相派の元政治家などが組織する団体。
・昨年末の総選挙でタクシン派が勢力を得たのを受けて活動を活発化した。
・流血事態に至れば軍出動の可能性も指摘される。

 ┌─────────────────────────────
 │INCDの採点
 │ ☆☆☆ 世紀の大ニュース                  
 │ ☆☆  世界史の年表に載るようなニュース         
 │ ☆   国際情勢を理解するのに知っていた方がいいニュース  
 │ 無印  興味のある方は。知らなくても困ることはないでしょう
 ├─────────────────────────────
 │プラスアルファ                       
 │ (世)日本ではあまり報道していないけれど、世界では注目
 │ (日)騒いでいるのは日本だけ                
 │ (^^)くだらないけど面白い。面白いけどくだらない     
 └─────────────────────────────


◎寸評:of the Week
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

 【新・冷戦】 グルジア紛争に端を発したロシアと米欧の対立は、一段とエスカレートした。ロシアは26日、南オセチアとアブハジアの独立を承認。グルジア内の一部地域への駐留継続も宣言した。メドベージェフ大統領は「新冷戦も恐れない」と表明した。
 米欧はロシアを批判し、制裁など対抗策を検討し始めた。メディアを使った宣伝合戦も、一段と熱を帯びている。
 もちろん、双方とも全面対決を望んでいるわけではない。しかし対立はチキンゲームの様相を呈し、簡単には引き下がれない。
 ロシア国内では愛国感情が熱を帯びている。ロシアによる独立承認の動きが専門家の予想を超える速さだったのは、そうした雰囲気と無縁ではない。ボタンの掛け違いで、対立が政治指導者の想定を超えて深刻化するリスクも排除できない。
 「新・冷戦」の言葉に踊らされることなく、状況は冷静に見つめる必要がある。ただ事態は危険な水域に入っていること、そして予期せぬことが起き得ることは、忘れてはならない。

 【ニュースの連鎖】 グルジア情勢以外にも重要ニュースが相次いだ。パキスタンでは予想通り(?)連立政権が崩壊。混迷の拡大は必至だ。それとも関係し、隣国アフガンの情勢は一段と悪化した。北朝鮮は核無能力化の中断を宣言。タイでは反政府勢力が首相府を占拠するなど異常事態になっている。各地で混乱が広がった。

 【米国の力の空白】 そうした一連の動きの背景として見逃せないのが、米国の影響力および政策遂行能力の低下だ。それにより力の空白が生じ、混乱の顕在化を抑えられない。
 ロシアがグルジアに軍を進めた裏には、米国が全面対決を覚悟してまでのグルジア支援をすることはないとの読みがある。実際、米国はイラクやアフガン対応で精一杯。一方で、NATO拡大やミサイル防衛システムの東欧配備でロシアの神経を逆なでにする対応を続けた。これが今回の事態の遠因になった。
 パキスタンでは、対テロ戦争に協力的なムシャラフ前大統領支持に傾斜し、それ以外の選択肢は準備してこなかった。ムシャラフ退陣後は、新政策を模索中という状態だ。
 北朝鮮対応でもちぐはぐな印象をぬぐえない。テロ支援国家指定解除の可能性を発表しながら結局見送ったのは、何らかの読み違いがあったのだろう。北朝鮮の無能力化中止の判断の裏には、当然米は当面動けない、との読みがある。
 ブッシュ政権は外交の基本的スタンスを単独主義・強硬策→国際協調路線に転換したが、具体的政策ではあいまいさが残る。何よりイラクやアフガニスタンに足を取られ、他に力を割けない。「世界の警察官」の不在は、色々な地域で混乱を生んでいる。

 【米大統領選】 こうした中で米国の次期指導者を決める大統領選が、いろいろ本番入りする。民主党は24-28日の党大会でオバマ上院議員を正式に候補者に選出。オバマ-バイデンのコンビで8年ぶりのホワイトハウス奪還を目指す。
 一方共和党は党大会を前に、副大統領候補にサラ・ペイリン・アラスカ州知事を確定。サプライズ人事で集票を狙う。
 世論調査ではオバマ、マケイン両候補の支持率は接近しており、選挙の行方は不透明だ。
 世界にとって重要な経済や外交政策では、まだ不透明な点も多い。9月からのキャンペーンや公開討論に大いに注目だ。

 【2008年夏:世界の風景】 それにしても、今年の夏は実に色々なことが起きた。グルジア紛争に端を発したロシアと米欧の対立、パキスタン大統領の辞任と政局混乱、アフガン情勢の悪化などが連鎖反応のように発生。北京五輪開催で中国は五輪前から五輪後になった。米国では黒人大統領か女性副大統領の誕生が決まった。夏を挟んで、世界の風景は大きく変わった。
 世界は従来の経済悪化、対テロ戦争に加え、米欧・ロシアの対立という懸案を抱えながら、米大統領選に注目することになる。




◎今週の注目: 2008年8月31日−9月6日
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

・米共和党大会が1-4日。
・グルジアを巡る情勢では、1日にEUが臨時の首脳会議。2日からはチェイニー米副大統領がグルジアなどを訪問する。
・パキスタンの大統領選が6日に行われる。


homepage 最新号 週間カウントダウン
backnumber
column
国際ニュースを切る
読者からの便り


Copyright(C)2000−2008 INCD-club