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◆ブレア時代の終焉


 英国のブレア首相が1年以内の退陣を表明した。対イラク政策などで支持率が低下、ここにきて与党労働党内からも造反の動きが表面化した。9年以上続いたブレア時代は、終焉を迎える。

 ブレア政権は97年に発足。43歳の若さと、「ニューレーバー」をキャッチフレーズに、新時代を感じさせる就任だった。

 欧州政策ではEUの鬼っ子から中心メンバーへの脱皮を志向。また米国と欧州をつなぐ役割を積極的に果たし、新時代のリーダーとしての存在感を印象付けた。国内政策的にも規制緩和や市場重視の経済運営で、英国を長期の景気拡大に導いた(経済政策は実質的にブラウン蔵相に任せられていた)。

 しかし、2001年の9.11後はブッシュ政権寄りの姿勢に傾斜していった。イラク戦争開戦を巡る米国と独仏の対立では、仲介を模索しながらも結局ブッシュ政権に追随。開戦に走った。メディアに「ブッシュのプードル」と揶揄されたのもその頃からだ。

 イラク戦争はその後、フセイン政権による大量破壊兵器やアルカイダとの結びつきなど開戦理由に根拠がなかったことが判明。中東情勢の泥沼が続く中、ブレア政権の支持率は低下していった。

 2005年春の総選挙後には、2010年の任期を待たずに退任すると表明していたが、今回次期をより明確にした。

 11年続いたサッチャー首相の退陣も、与党内の造反がきっかけになった。ブレア首相の退任表明も類似点がある。

 就任時の若さにあふれた表情も、最近はくたびれたイメージが目立つ。歴史的な曲がり角の中で良くも悪くも世界的に存在感があった首相だが、賞味期限が切れたという印象は否めない。


▼親ブッシュ連合の終わり

 イラク戦争の時にブッシュ政権を積極的に支持した主な首脳は、英国のブレア首相、イタリアのベルルスコーニ首相、スペインのアスナール首相、日本の小泉首相、オーストラリアのハワード首相ら。ベルルスコーニ、アスナール首相はすでに選挙の敗北で政権から退き、小泉首相も9月に退陣する。ブレア首相も退任となると、親ブッシュ陣営はほとんど姿を消す。

 9.11後からイラク戦争に至る時代は、米1極主義がキーワードだった。米国による力の政策をテコに、対テロ戦争を戦い、テロの脅威を封じ込めようとする目論見だった。それを支えたのが、親ブッシュ連合だ。

 イラク情勢混乱の長期化などで、米国の当初のシナリオは有効性を失っている。親ブッシュ連合の終焉は、時代の節目を象徴するようでもある。


(2006.9.10)