国際ニュース・カウントダウン
世界を眺める視点
◆イランと北朝鮮の核問題
イランと北朝鮮の核問題を巡る節目の動きがあったが、どちらも決め手を欠いたまま越年することになった。
イランについては国連安保理が23日に制裁決議を全会一致で採択した。イランの核開発を容認しないという国際社会の姿勢を示すものだが、制裁の内容は決定的とは言いがたい。イランも早速、拒否を表明した。
イランの核問題は、開発疑惑発覚(2002年)→IAEAや英独仏による交渉→イランがイラン濃縮の前段階の転換開始(2005年8月)→国連安保理への付託(2006年2月)→安保理が濃縮停止を求める決議(06年7月)と進んできた。今回の制裁決議は、それを受けた動きだ。
一方、北朝鮮の核問題を巡っては、1年1ヶ月ぶりに6カ国協議が再開した。10月の北朝鮮が核実験を行ってから初めての協議。予想通り、際立った成果のないまま休会となった。
ただ、6カ国協議はたとえ具体的成果がなくても、開催されていること自体が有意義という面が大きい。その意味では協議継続は、関係国にとって妥当な落としどころだ。
核拡散は、世界の安全保障にとっての最も重要な懸念の1つ。イランと北朝鮮の核問題はそれを象徴する問題であり、これを放置しておけばさらなる核拡散につながる恐れがある。
米ブッシュ政権が強硬姿勢で押さえ込もうとしてきたのに対し、中ロなどがより柔軟な姿勢での問題対処を主張している点も共通する。
いずれも簡単に解決できるような問題ではなく、長期の神経戦が続くと見るのが自然。その間に予想外の暴発や事故(例えば核ミサイルの発射、国の崩壊→周辺地域の大混乱など)が起きないように押さえ込むのが世界にとっての課題だ。
そうした意味では、将棋やチェスの指し手にも似ている。1手1手(個別の交渉や協議)に一喜一憂することなく、全体的な流れを見る事が欠かせない。
(2006.12.23)