国際ニュース・カウントダウン
寸評 of the Week
◆レバノン侵攻と中東情勢
▼レバノン戦争?
イスラエルによるレバノン侵攻に、世界の関心が集中している。
イスラエル軍は連日空爆を実施、炎上する街やずたずたに破壊された建物の映像が世界を流れている。実態はすでに戦争と言っていいだろう。米国メディアは意図的にか「戦争」(war)の言葉を避けるが、英Economistは「歯止めのかからない戦争」(an escalating war)という表現を使用。この方が実態をとらえている感じがする。
▼割れる国際社会
国際社会もレバノン情勢悪化を重視し、23日にはライス米国務長官が中東を訪問。26日にはイタリアで国際会議を開催し、解決の糸口を模索する。しかし、事態打開の方向が見えている訳では全くない。
EUは即時停戦を重視するが、米国はレバノンのイスラム原理主義集団、ヒズボラの武装解除を優先。イスラエルの侵攻を黙認している格好だ。混迷という表現がぴったりの状況だ。
▼複雑な中東情勢
それにしても、イラクで一息もつけぬうちに、イランの核問題、イスラエルによるガザ再侵攻。そしてレバノン侵攻と、さながらモグラたたきのように次々に新たな問題が表面化する。共通するのは、いずれの背後にも、植民地支配のツケ、宗教・民族問題、貧富の格差、人口動態などが横たわっていること。そして、それぞれの問題が連関していることだ。
今回のレバノン侵攻も、イランが核問題から国際社会の目をそらすために、影響力のあるヒズボラに働きかけてイスラエル兵拘束。イスラエル侵攻のきっかけを作った、などという情報がまことしやかに流れている。物理的な戦争のウラで、情報戦も凄まじい。
中東の問題は、かくも複雑で根が深い。
(2006.7.22)]