◆米韓FTAと貿易自由化
米国と韓国がFTA締結で合意した。ドーハ・ラウンドの交渉が停滞する中、通商の分野では久々の大型ニュース。しかも、交渉が難航していただけに、合意には意外感もあった。
米韓のFTA交渉は、2006年初めにスタート。自動車や農業などで難航を極めた。韓国では農民団体などがコメや牛肉など農畜産物の自由化に断固反対。米国内では自動車を恥広範な業界団体から反対や要求が出ていた。
結局合意は、コメの自由化に触れなく、関税廃止に最大15年という時間をかけるなど抜け穴が多い。議会が批准するかどうかも不明だ。それでも、国内の抵抗を押し切って合意に持ち込んだ政治的決断には意味がある。
米国にとって今回の合意は1994年の北米自由貿易機協定発効以来の大型案件。韓国にとっても、貿易立国として貿易自由化を主張する上で、象徴的な案件になる。韓国内では農民などの抵抗は激しさを増しているものの、盧武鉉大統領の決断に対する産業界などの支持は高まり、大統領支持率も上昇した。
ただ、こうしたニュースが耳目を引くのは、ドーハ・ラウンド交渉停滞の裏返しでもある。英Financial
Times紙は、A tangled trade web(もつれた貿易の網)という社説で、米韓合意の評価よりラウンド交渉推進の必要性を世界貿易の課題として指摘した。
(2007.4.7)