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◆9.11から8年:テロ、世界安保とアフガン
2001年の9.11は「世界がテロの脅威と向き合う時代」に入ったことを印象付けた。それから8年。米国は今年、ブッシュ政権からオバマ政権に変わり、外交安保政策も展開。新時代に入った。しかし世界でテロの脅威は変わらず続き、特に最前線とされるアフガニスタンの状況は一層深刻化している。定点観測する。
▼テロの時代
オバマ米大統領は11日ワシントンで式典に出席。改めて「テロ一掃」を強調した。
9.11後、世界は様々なテロを経験した。インドネシアのバリ島やロンドン、スペインなどで断続的に発生した。イラクやアフガニスタン、ロシア南部などでは日常時だ。
米国内でのテロの再発や、テロ組織による核テロの懸念も指摘される。
テロの主体になっているのが、イスラムなどの過激派勢力。その中心にあるのが、交際的テロ組織のアルカイダだ(ただし、そうした勢力から見れば米国やイスラエルなどがテロ勢力ということだろう)。
▼大統領の決意
オバマ新政権はブッシュ政権の政策を転換。単独主義から対話重視路線へと路線転換した。イスラム社会との関係改善も重視。6月にはカイロでの演説で世界にメッセージを送った。
しかし、こうした柔軟姿勢を取る一方でテロ対策を重視する姿勢は変わらない。9.11の演説でも、その意思を改めて強調した格好だ。
▼アフガン情勢悪化
アメリカがテロ対策の最前線と位置付けるのがアフガニスタンだ。その情勢はここ1-2年で再び悪化し、出口が見えない状況だ。
9.11直後のアフガン戦争でタリバン政権は打倒され、カルザイ現大統領を中心とする政権が発足した。選挙の実施などで再建は順調に進むかに見えた。
しかし、地域ごとの勢力(軍閥)の対立、汚職の蔓延などから国づくりは進まず、タリバンがつけ込むスキが生じた。今では南部を勢力下に置き、各地でテロを仕掛けカルザイ政権の基盤を揺さぶる。最近では首都カブールでもテロが頻発する。
さらには国境を接する隣国パキスタンでもタリバンが勢力を伸張。治安を揺るがしている。
▼国際支援
オバマ政権は発足後、安保政策の重点をイラクからアフガンに移し、2月には1万7000人の増派を発表した。アフガン・パキスタン特別代表にホロブルック氏を指名。夏にはタリバンの掃討作戦を展開した。その背後でタリバンの穏健派との対話を目指しているとされる。
しかし情勢は上記のように、むしろ悪化している。
現在アフガニスタンに駐留する外国軍は、米国のほか欧州諸国など約10万人。しかし展望なきまま被害が拡大する状況に、欧州では撤収を求める世論も強まっている。
▼大統領選の混乱
アフガンの大統領選はそうした情勢の中で8月20日に行われた。選挙により大統領の統治の正統性の確認→政府の威信強化→経済再建・国づくりの促進を狙っていた。
しかし開票を巡る不正疑惑などで、むしろ混乱が拡大している。
開票の再調査などの対応を巡り、欧米諸国とカルザイ大統領の軋轢も指摘される。
▼長期戦
テロの背景は複雑だ。世界的な貧富の格差拡大、欧米先進文化とイスラムなどの価値観の違いなど様々な要因がある。対応策も硬軟様々な考えがある。ボタンの掛け違いもいろいろ出てくるだろう。
専門家の間では短期的な解決など期待すべきではないとの見方が一般的。数十年単位の戦いになるという指摘や、エンドレスの戦いという見方もある。
最低限必要なのは、たとえ抜本的な解決がなくても問題をある程度封じ込め、世界システムの根底が崩壊しないようにすることかもしれない。
テロはその時々の事件に左右されがち。展望が見えない中でも、中期・長期的な立場に立って時々眺めることは極めて重要だ。
2009.9.12