国際ニュース・カウントダウン
国際ニュースを切る

◆金融危機、またぞろ深刻化


 金融危機が再び深刻な局面を迎えている。

 米欧大手金融機関の最新決算(2008年10-12月中心)は軒並み厳しい数字を記録した。世界的な経済悪化で資産の悪化が進み、新たな損失処理を迫られたためだ。当局の昨年後半の救済策にも関わらず、業績回復のシナリオは描けない。

▼シティG分割

 こうした中で米シティグループは17日、会社の2分割を発表した。銀行中心の中核部門と証券など他の部門に分割。非中核事業の売却・リストラを進めて何とか生き残りを図ろうという内容だ。これに先立つ13日には個人向け証券のスミスバーニーをモルガン・スタンレーに売却することを決めた。グループの事実上の解体ともいえる決断だ。

 米政府は昨年10月、主要行への資本の一斉注入を実施。11月にはシティを特に対象として追加資本注入など救済策を決定した。シティは5万人以上の大幅人員削減も決めた。それでも先行き不安は消えず、今回の決定となった。

 米大手銀で昨年9月の金融危機時には大手証券メリルリンチを買収したバンク・オブ・アメリカの業績も悪化。米政府は16日追加支援策を発表した。今後発生する損失を政府が肩代わりする一方、資本の再注入を実施するなど、11月のシティの追加救済策とほぼ同じ内容だ。


▼欧州の金融機関

 欧州でもドイツ銀行、英バークレイズなど大手の業績悪化が続く。欧州当局は公的資金注入、国営化(部分国営化)、不良資産の買い取り構想の発表など対応策を相次いで打ち出しているが、打ち止め感は全くない。

 昨年9月の金融危機で、世界は大手金融機関の破綻→金融システム崩壊、という悪夢を見た。10月以降も金融機関の経営危機は断続的に表面化。当局はその度、救済策を打ち出し、システム崩壊を防いできた。

 しかし、実体経済の悪化が加速し、不良債権の拡大→金融機関の経営の一段の悪化→新たな金融危機の表面化という悪循環が止まらない。当局の対応も応急措置に精一杯という感じで、今のところいたちごっこの域を出ない。


▼第4段階

 英Financial Timesは、今回の危機をサブプライム問題の表面化した第1段階、大手金融機関の業績悪化が深刻化した第2段階、リーマン・ショックと政府・当局による救済実施の第3段階に続く「金融メルトダウンの第4段階」と位置づけた。今起きていることは、不安の再燃と説明する。この深刻な事態への対応としては、政府・当局による一段の救済政策を求めている。

 金融危機が断続的に表面化する状況は、なおしばらく続きそうだ。それがどれだけの期間になるか。色々な要素が左右するが、近く発足する米オバマ政権をはじめ世界主要国・当局の対応が重要なことは言うまでもない。

(2009.1.17)