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◆金融・経済:2月末の危機再燃
昨秋以来何度目になるか、金融・経済危機が再度深まった。
▽米国の動揺
米国では前週あたりから、金融不安が再燃した。
景気悪化に加え、当局による大手行に対する資産の厳格審査開始(25日から)で自己資本不足や債務超過が表面化する懸念が浮上。金融株が大幅下落した。
このため米金融当局は週明けをにらんで23日朝、緊急声明を発表。必要な場合には緊急融資や公的資金注入を行うことを改めて強調し、不安払拭に努めた。
それでも、23日のNYダウは12年ぶりの安値水準まで低下した。
市場には、大手行の完全国有化への警戒感も根強い。こうした状況を受けて、バーナンキFRB議長は24日の議会証言で、主要銀行の国営化(50%超の株保有)は行わない旨を表明。警戒軽減に努めた。
その3日後の27日には、シティ・グループの追加救済策を発表。優先株の普通株転換により、最大36%の株式を保有し事実上政府管理下に置くことにした。国有化と微妙な言葉の使い分けで、あいまいな点もあるが、危機に対し「何でもあり」を示した格好だ。
この間も経済悪化は続き、GMは2008年に308億ドルの赤字決算を発表。シティは277億ドルの赤字、JPモルガンチェースは1万人以上の人員削減を発表した。米国の2008年10-12月のGDP改定値は、前期比年率マイナス6.2%と、1月発表の速報値より2.4ポイント下方修正した。
▽中東欧危機
ここに来て金融危機危機が深刻化しているのが中東欧だ。
この地域は西欧の銀行からの融資などをてこに高成長を続けてきたが、金融危機以降は逆回転を始めた。ここにきて資金流出が加速し、国内企業も資金調達困難に直面。景気悪化と通貨危機のダブルパンチを受けた形だ。
東欧経済が破たんすれば、貸し倒れの拡大を通じ西欧にも跳ね返ってくる。政治的にも、EU拡大で実現した東西欧州融合が深刻な危機に直面する。英Economistは、欧州を破壊しかねないツケ(The bill that could break up Europe)という特集で、もし東欧が崩壊すればEUを深刻な事態に引きずり込むと書いた。
EUは支援策を協議。27日には世銀、欧州投資銀行、欧州開発銀行などが資金供給を決めた。しかし、当面のつなぎに過ぎず、問題はくすぶり続ける。
▽欧州・ドバイ
欧州では金融機関の決算発表が相次いだが、いずれも惨憺たる内容。特に英国のRBSは2008年の赤字240億ポンドという英史上最大の損失を計上。英政府は1月に打ち出した損失保証制度の第1号として適用し、3200億ポンドの損失保証実施を決めた。
株価は欧州でも下落。ドイツ、フランス、イタリアなどで昨年来の安値を更新した。
資源国ブームの象徴的存在だったドバイは、政府系開発会社の資金繰りが急速に悪化。22日にはドバイ首長国が発行する国債の半分をUAE中銀が引き受け、事実上の支援に乗り差した。
▽懸念材料
2009年の先進国の成長率はマイナス3%程度になるという見方もあり、世界全体でマイナス成長になるという懸念も消えない。欧米金融機関が抱える損失のうち、償却済みはまだ半分に至らないという観測も消えない。データを見る限り、状況の厳しさを再確認させられる。
先週は警戒シナリオのうち、主要金融機関の経営危機(シティ、RBSなど)、周辺・新興国危機((中東欧危機)、主要企業の破綻(サーブなど)、資源国の経済危機(ドバイ)、株価の下落などが相次いで起きた。こうした動きが、今後も断続的に発生することは間違いない。
当面はこうした材料に加え、米自動車産業救済、G20首脳会議に向けた調整などが焦点になるだろうし、もちろん現在は広く認知されていない水面下の問題が頭をもたげる事もあり得る。
2009.2.28