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◆サミットのポイント整理:G8と13、17、30の枠組み
イタリア・ラクイラで8-10日、G8など一連の首脳会議が開かれた。地球環境、世界経済、核拡散防止などについて協議。大見出しになるような成果はなかったが、おおむね事前予想に沿ったそれなりの結果を残した。それ以上に特徴的だったのは中印などを加えたG13 、地球温暖化を協議するG17などの役割が大きくなり、地球的問題を協議する枠組みの変化が一層際立った。
▼サミットでの決定事項と展望
一連のサミットでの協議・決定事項と今後の展望を挙げれば、以下の通りだ。
(1)地球温暖化
G8レベルでは2050年までに先進国の温暖化ガス排出を80%減で合意した。
しかし、G8に中印などを加えたMEF(17カ国)は、2050年までに地球全体で排出量を半減という目標合意に失敗。途上国は温暖化ガス削減が経済成長の足かせになることを懸念。過去に大量のガスを排出した先進国の責任追及した。
2050年の気温を産業革命時より2度より高めないことでは一致した。
温暖化問題の次の節目は、12月にCOP15閣僚会議。欧米は会議に向けて「全地球で半減」合意の成果を残したかったが、目標は果たせなかった。交渉は先の読めない状況が続く。
(2)世界経済
G8は宣言で、世界経済に安定の兆しが見えてきた点を確認。一方、将来不確実な状態が続いていると診断した。
金融危機・世界不況対応は4月のロンドンでのG20首脳会議で議論。今回の宣言はそれを踏襲した形。次の節目は、9月に米ピッツバーグで開催するG20首脳会議に移る。
貿易では、G8に中印、ブラジル、メキシコ、南ア、エジプトを加えた14カ国がWTOのドーハラウンドについて、2010年妥結を目指すことで合意した。
交渉停滞に、政治的なメッセージは重要。ただ、金融危機後各国はむしろ自国産業保護を強めている。交渉の行方は見えない。
(3)核拡散防止
米政府はサミット開催中の10日、来年3月に米ワシントンで、G30首脳会議を開催すると発表した。
オバマ大統領の「核なき世界」に向けた核軍縮の意欲を示したもの。
G8首脳も宣言で核なき世界を目指す姿勢を表明。CTBTの早期発効に向けた努力を強調し、G30首脳会議の支持姿勢も示した。
北朝鮮については核実験を非難。イランの核問題は外交的解決を目指す方針を強調した。
(4)その他
食料安全保障、アフリカ支援などについて協議。宣言を発表した。
▼膨大な文書
サミットでは発表された宣言は膨大。G8では議長総括(Chair's Summary)のほかに、首脳宣言、政治宣言(political issues)、核不拡散に関する宣言、反テロ宣言などを採択した。
G8に中国、インドなどを加えた13カ国(EUを加えて14カ国)首脳は、世界のアジェンダについての共同宣言を採択。また、韓国、オーストラリアなどを加えた17カ国は地球温暖化に関する宣言を発表した。
専門家グループの報告などを加えると文書は10を超す。その一覧は以下のアドレスに掲載してあるが、どこに何が載っているか確認するのは骨が折れるほど。紙の洪水も、サミットの現状だ。
http://www.g8italia2009.it/G8/Home/Summit/
G8-G8_Layout_locale-1199882116809_Atti.htm
▼グローバルガバナンスの枠組み
G8は1975年に始まったG5が前身。当時は世界経済に占める先進国の割合は圧倒的だったが、中国やインドの成長で状況は変わった。いまや、新興国を加えな変えれば地球規模の問題は解決できない。
既に数年前からG8には中国、インドなど新興国やアフリカなど途上国代表を招き、拡大会議をダブルトラックで進めるのが恒例化した。
今年は「G8より拡大会議」の傾向が一層鮮明になった。中心テーマの地球温暖化対策やWTO交渉の主役は、G13やG 17。金融危機対策も、昨年以来G8よりG20首脳会議が重要という感が強い。
ただ、G8に代わり中心になるのがG13なのか、20かなどは不明。いくつものフォーラムが併存する体制を見る関係者も多い。
オバマ米大統領は「今後数年で新しい組み合わせが見えてくる」という。
▼オバマ大統領の存在感
サミット初参加のオバマ米大統領の存在感が目立った。
核軍縮に関連して、ほとんど事前調整なしにG30の首脳会議の開催を決定。先のプラハでの「核なき世界」演説に沿って、軍縮で強いイニシアティブをとる姿勢を示した。
地球温暖化では「米国は責任を欠いていた」と明言。ブッシュ時代からの転換と、この問題でイニシアティブをとろうという意欲を示した。
G8首脳会議は、最近では世界の定点観測の場としての意味合いも大きい。今年はこんな風景を示した。
20090712