◆イランと北朝鮮:核問題比較
イランの核問題が大きく動いている。9月下旬に第2のウラン濃縮工場の建設が発覚した。その後、短中距離ミサイルの試射を実施し、強硬姿勢をみせた。
10月1日にはジュネーブでの安保理常任理事国5カ国+独との協議を開催。ここではIAEAの査察に応じるなど柔軟な姿勢を示した。硬軟入り乱れ、問題は一筋縄ではない。
イランと北朝鮮は、世界の核拡散の脅威として取り上げられる。イランが北朝鮮のモデルを改良型を試射するなど、水面下でのつながりも深い。一方で違いもある。
北朝鮮がすでに核実験を実施し、核保有国を宣言したのに対し、イランはまだ開発段階。しかも公式には民生用を主張している。
▼最悪のシナリオ
北朝鮮の核の最悪のシナリオは、韓国などと衝突→韓国や日本で核使用だろう。これは理論上はすぐにでも起き得る。
一方イランは現時点の核兵器使用はない。しかし紛争が起きれば、ホルズム海峡の閉鎖→世界経済の混乱や、イスラエルによるイラン攻撃→中東全域の戦闘など、広がりは大きい。それは核保有の前でも起こりうる。
テロリストへの核の流出リスクも最大の懸念材料の一つ。地政学上の状況が現在のままなら、仮に核兵器を持った場合、イランの方がこのリスクは高いとみられる。しかし北朝鮮も体制の混乱などが起きれば分からない。
欧米ではイラン、日本では北朝鮮ばかりが大きく取り上げられる。距離的に近い以上それは当然だ。だがグローバルな視点から、こうした違いの比較など含め問題点の整理もたまには必要だろう。
2009.10.3