◆イラン抗議活動の読み方
イランで改革派市民らの抗議活動が続いている。大統領選でのアハマディネジャド大統領当選との発表に対し、市民らが連日デモを展開。その規模は数十万人から百万人と大規模。場所も首都テヘランのみならず各主要都市に及び、国民の不満の鬱積をうかがわせるに十分だ。
最高指導者ハメネイ師は19日になって選挙の正当性と抗議活動中止を求める声明を発表。抗議を力で押さえつける姿勢を鮮明にした。これで当面の活動は終息する可能性もあるが、潜在的な問題解決にはほど遠い。
抗議活動の背後には改革派だけでなく、前回の大統領選で敗北したラフサンジャニ元大統領ら穏健保守派も存在すると指摘される。革命から20年を経て、支配階級内でも利害対立が大きくなっている。
20年前の宗教革命以降、イランから伝わってくる情報は、political
correct(宗教的に正しいこと)ならぬreligious
correct(宗教的に正しいこと)な建前と、本音の乖離が著しい。ハメネイ師ら宗教指導者が何を考えているか、政治の奥の院で何が起きているかなど、不明なことは多い。
12日の大統領選は高投票率で、国民の政治への関心の高さを垣間見させた。それに続く抗議活動のうねりは、不満の鬱積と変化への期待を反映している。
少なくとも、次の変化へのマグマが蓄積しているのは間違いないだろう。
20090621