(ターンエー)ガンダムT 地球光
製作年 2002年 時間 128分 サイズ スタンダード お気に入り度   鑑賞日 02/02/09
監督 富野由悠季
脚本 星山博之、千葉克彦、富山治郎、浅川美也、高橋哲子、太田愛
音楽 菅野よう子
出演(声) 朴路美、高橋理恵子、村田秋乃

 

1999年にTV放送されたガンダムシリーズ最新作’∀ガンダム’の劇場版。
全50話を’地球光’、’月光蝶’の二部構成で映画化し、日替わりで上映するという、一風変わった公開方式をとっている。

物語は、過去のガンダムの物語から大きく時代を隔てた未来に、
過去の戦争のいきさつから月に住むようになった’ムーンレイス’と呼ばれる人類が、
数千年を経て地球に帰還しようとすることから始まる。
それに先立つ2年前に月から地球に派遣され、地球の一市民として暮らしていた主人公’ロラン・セアック’は
月から地球に降下した月の軍隊’ディアナ・カウンター’と、技術的には遙かに遅れた地球の軍隊’ミリシャ’との間で
起こってしまった戦争を止めようと、遺跡の中から発掘されたモビルスーツ’ホワイトドール’を駆る…。

過去のガンダムシリーズとは大きく異なり、中世ヨーロッパ風の地球上を舞台に、
牧歌的な雰囲気の中で繰り広げられる、戦争をしていながらもどことなくほのぼのとした物語展開が大きな特徴の作品。
…のハズなのだが、この劇場版はそういったほのぼのとした雰囲気の部分がばっさり捨てられてしまって、とにかくせわしない。
TV版の総集編なので致し方ない部分もあるが、あれよあれよという間に先へ進んでいってしまって、
ストーリーなんかどうなっているのかサッパリわからない。
これでもTV版は全話見ているのだが、そういうワタシにもわからないぐらいのスピード。
まるで、TV版全50話の前半を早送りで見ているような印象で、何ともくたびれた。

かつて、富野由悠季が劇場版ガンダム三部作や、イデオン接触篇で見せた大胆なストーリーの組み替え、編集で、
新たに一本のストーリーとして再構築した内容を期待していただけに裏切られた。
敢えて二時間少々の物語に登場させる必要のないキャラクター、エピソードが多すぎた印象。
そういう部分を無理矢理詰め込まずに、TV版の総集編ではなく、’一本の映画’として見せる作品にして欲しかった。
余りに詰め込みすぎで、TV版では余韻があって非常に心に残ったシーンも、
あっという間に過ぎ去ってしまって、∀の良さである、ほのぼのとした味わい深さが全く消え去ってしまっているのが何とも惜しい。

その上、戦闘シーンも多すぎて、始終画面ではドンパチやっているという印象。
お陰で、本来耳に心地よく残るはずの菅野よう子の美しいBGMもほとんど聞こえず。
ストーリーは、結局TVの名場面をなぞっているだけだから、
2時間強の一つの作品としてメリハリがないため、一体どこがクライマックスでいつ終わるのか、全くわからない。
だから、終わってしまったときには、’え、こんなところで終わり?’という感じで拍子抜け。

∀ガンダムの一ファンとしては、映画化されて劇場で見ることが出来たという点に関しては、
感慨深いものがあるが、一本の映画として考えた場合には、余りに完成度が低くて見るに耐えない。
正直言って、途中で飽きた。
テレビを見ていた人が、名場面をまとめて振り返るという目的で見るならばいいかもしれないが、
∀ガンダムに興味を持った人がどんな内容なのか、まとめて見てみようと思った場合には、全くオススメできない作品。
まー、なんだかんだ言っても結局第二部’月光蝶’は見に行くんだけどね。
ちなみに、’ガンダム’を劇場で見たのは、中学生の時の’機動戦士ガンダムV・めぐりあい宇宙’以来。