7 魔法騎士レイアースについて


 これを最初に観た時は度肝抜かれました。「なんじゃこりゃ」、それが正直な感想でした。
なにしろ、異世界セフィーロに召還されたごく普通の女の子3人が伝説の魔法騎士(マジックナイト)となり、セフィーロを救う、といういかにもファンタジックRPG的なストーリーだし、かと思えば、OPにロボットみたいなのが出てくるし、キャラの名前は、エメロード姫だとか、導師クレフだとか、創師プレセアだとか車の名前だし…。
とまあ、そういうわけで、当時かなりの衝撃を受けたことを今でもよく覚えています。
特にキャラが車の名前だということに関しては少なからず恩恵を受けました。
当時の私は同世代の男性に比べ、車に疎く、それゆえ話題すら入れなかったし、コンパとかで「古今東西」をやり、車の名前とかになると速攻で負けてたわけで(笑)…。
これがきっかけで車にも興味を持ち、人並み程度に詳しくなったのだから、世の中分からないものです(笑)。
とまあこんな訳で、当初から「
このアニメ何かが違う!」と目を付けたのですが、私の睨んだ通り、徐々に凄いことになっていくのでした。

  

 オーソドックスなストーリー!?

 ひょんなことから、セフィーロに召還された、光(ひかる)、海(うみ)、風(ふう)−3人の少女は事情もよく知らされないまま、伝説の魔法騎士として闘うことを余儀なくされます。
当然最初の内は嫌がりますが、徐々に魔法騎士としての自覚に目覚め、成長していきます。
魔法を覚え、剣を手に入れ、神官ザガードの刺客を退けながらも、時には和解し、ついには、魔神(マシン)と呼ばれる巨大ロボットみたいなものを手に入れることに成功します。
それはすなわち、真の魔法騎士となったことを意味します。
こうして、神官ザガードによって幽閉されたエメロード姫を救うべく、ザガードとの最終決戦に挑んだのでしたが、待っていたのは意外な真実!そして、悲劇でした。

  

 第1部完…しかし…

 こうして、オーソドックス的なストーリー展開と思いきや、ラストに大どんでん返しが待っていた衝撃の第一部は無事終了しました。
特にラスト2話は1時間スペシャルとして放送されたこともあり、これだけ盛り上げてやってるんだから、人気が凄いんだろうか?とか思っていたのですが、実際は視聴率的にもイマイチだったらしいです。
と言うのも、アニメ雑誌があまりにネタばらししすぎると、原作者CLAMPがクレームをつけたとかつけなかったとか、そんな噂が飛び交っていました。
田村直美さんが歌う、OPの「ゆずれない願い」はミリオンヒットだったりと、話題性等十分だったにも関わらず…。
とまあこんなわけで、第一部は惜しくも不発に終わりました。
しかし、そんな現状を打開すべく(というわけでもないだろうが)、第二部がスタートしたのでした。

  

 そして第二部

 元の世界に戻った光達は、セフィーロでの闘いが不本意な結果に終わったことに、思い悩む日々を過ごしていました。
そんな最中、光は夢を見ます。邪悪な存在にセフィーロが蝕まれていく様を。
それが現実のものとなりつつあることをこの時光はまだ知る由もありませんでした。
そして、再び何者かによってセフィーロに召還された光達3人は、変わり果てたセフィーロに驚愕します。
そんな彼女らにクレフは語ります。
今やエメロード姫という柱を失ったセフィーロは消滅の危機に瀕していると。
そして、事態はそれだけにおさまらず、3つの国が新たな柱になるべく、侵攻してきていると。
なかなか最初からハードな展開です。
進軍してくる3つの国に、その背後にうごめく邪悪な存在。
5つ巴の戦いになりそうな予感。そして、昨日の敵は今日の友という言葉があるように、かつて戦ったセフィーロの連中は今度は共に戦う戦友なのですから、誰がどんな活躍をするのだろう?と期待に胸躍らせていたのですが……。

  

 ちょっぴり不満な展開

 結論から言うと、結果的にはちょっと不満でした。
いや、最初の方は良かったんです。
前述したように、3つの国がどんな戦いを巻き起こすのだろう?とか、邪悪な存在の正体、そして、光そっくりのノヴァの正体は?とか、敵国オートザムよりエメロード姫が死んだ直後に帰ってきた、神官ザガードの弟−魔法剣士ランティスの思惑は?
そして、光達をセフィーロに召還したのは一体だれ?
……などと、様々な謎や伏線があったにも関わらず、ストーリー展開は単調なモノでした。
そもそも、3国の描き方が不味い。セフィーロとは対照的に、機械文明の発達したオートザム、中国風なファーレン、そしてアラビアンナイトを彷彿させられるチゼータ……。
どう考えても、オートザムが一番強いだろ!
とつっこみを入れたとおり、最後まで残ったのはオートザムだったのだからやりきれません。
対して、ファーレンやチゼータとはほとんど戦うことなく、和解しているし。
これでは、子供の戦争ごっこと同じです。
戦争と言うからには、もっと国家間の陰謀やら、策略やら渦巻いていてよさそうなのに、そういうのが全くなかったのが残念です。
例えば一時的に同盟を結んだり、かと思えば急に裏切ったりとか、そういうのをやってもらいたかった。
戦闘ひとつ取ってみても、セフィーロVSオートザム、セフィーロVSチゼータとか、一国対一国の戦いではなく、セフィーロVSオートザムにチゼータが割って入ってくるとか、両者が消耗しきったところで、ファーレンがつぶしにかかってくるとか、そういう幅広い戦略に満ちたバトルを展開して欲しかったものです。
まあ、そういうのが全然ないわけではなかったけど、ちと物足りなかった気がします。
そして、私が一番不満だったのは……。

  

 活躍しないサブキャラ達

 そうです。セフィーロの面々がまったくと言って良いほど活躍しないんです。
クレフは光達に言いました。これ以上、無関係なおまえ達を巻き込みたくないとかなんとか。
けど、実際に戦っていたのは、他ならぬ光達です。
もし、光達がいなければ、まったく歯が立たなかったのではないのか?と思えます。
それほど、3国との戦いには魔神(マシン)が必須であり、巨大ロボクラスの兵器を持ってなければ、勝負にならないものでした。クレフは第一部で初っぱなから石にされたんで、ようやく最高の魔導師の力が見れると思ってたのですが、いつの間にやら寝たきりになってました(笑)。
まあ、高齢ということもあるのでしょうが、よく考えると、セフィーロ城を維持しつつ、結界まではったりと、かなり苦労していたみたいですから(ある意味この人が一番苦労してる)、良しとしましょう。
次にランティス。なんなんでしょう、彼は。
一応活躍はしていたようなんですが、特に目立ったものがないと言うか……。
やっぱノヴァに押されていたのが原因かな(笑)。
ラストではデボネアの攻撃を跳ね返したんだから、魔神クラスの戦闘力はあると思うんだけど、存在感がいまいち薄かったのが残念。
そして、アスコット。意外にちょこっとだけ活躍しました。
まあ、海の盾になる程度のことでしたが、魔神セレスVSジンに割って入っただけでも大したもんです。
それに比べて、他の面々−カルディナにラファーガにフェリオ……。
彼らはデボネアが放った魔物を倒すだけでした。ラファーガに関しては、ランティスにライバル意識や疑念みたいなものを持っていたようだから、もう少し絡ませればおもしろかったと思うのですが、実際にはカルディナとイチャイチャしているだけでした(笑)。
この辺りがやっぱり今思い返しても不満。
しかし、それ以上に、最後のイーグルの死に様がなんとも哀れでなりませんでした。
ようやく、味方になったと思ったら、吐血ばっか。
超スピードを誇るFTOにデータに基づいた無駄のない合理的な戦術も形無しです。
名勝負を期待していたのに、ちょっとがっかり。
終いには、デボネアに虫けら呼ばわりされ、殺されちゃうし……。
エメロード姫に匹敵する不幸な人だったのではないでしょうか。彼の冥福を心から祈ります。

  

 総 論

 とまあ、色々ウダウダ言ってきましたが、それなりに楽しめる作品ではあったと思います。
と言うのも、その要因のひとつとして、とにかく音楽がいい!
荘厳なオーケストラによる音楽は、時に、いささか大げさな印象を受けましたが、それでもいいものはいい!思わずサントラを借りまくった程です。
しかしながら、そんな豪華な音楽とは裏腹に、戦闘シーンにいまいち緊迫感がなかったのも否めません。特に魔法を使うシーンがそうです。
魔法なら魔法っぽく英語とかにすればいいものを、「炎の矢ァ〜」とか「守りの風ェ〜」等と言われても、力が抜けてしまいます(笑)。
以前『じゃじゃ馬ならし』というドラマがありましたが(音楽はT−スクエアで、壮大な曲が多かったので、日本のドラマには合わない という批判が多かった)あれを彷彿させられます。
まあ、そんなわけで、色々と述べてきましたが、セーラームーン以来、従来の少女マンガの枠を超えた作品として評価できるものと思います。
少年マンガ的なストーリー展開に、RPG的な要素、スペースオペラ的な壮大な世界観、そして、少女マンガらしく恋愛の要素も忘れてはいませんし、第二部に関しては、アニメとマンガとではストーリーも違っていました。ある意味贅沢な作品だったのではないでしょうか?
マンガもアニメも終了して、OVAにもなりましたが、未だ根強い人気を誇るこの作品。
私も久しぶりに観てみたくなる今日この頃です。


おまけ

 おまけ2


 

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