小沢真珠
今、フジテレビの昼ドラ、『牡丹と薔薇』が面白い! あの『真珠婦人』でおなじみの中島丈博氏の脚本もさる事ながら、とりわけ、ヒロインの1人を演じている 小沢真珠が目を見張るような演技を見せている。 こう言うと、「昼ドラなんて見てねえよ」、「小沢真珠?誰?」と思う方も多いことだろう。 しかしながら、彼女とタメはれるような演技が出来る若手女優が、一般的に昼ドラよりも多くの人々に視聴されている平日の 21:00、22:00の時間帯のドラマでお目にかかれるだろうか? 残念ながら今期のドラマを見る限りでは、そこまでの人材は皆無である。 にも関わらず、昼ドラという理由で彼女のあの鬼気迫る迫真の演技が多くの人々の目に晒されないというのは非常に遺憾である。 そこで、今回は小沢真珠についての簡単な紹介と共に、彼女の魅力について述べることにします。 より多くの人々に彼女のことを知ってもらうことを祈って…。 小沢真珠。デビュー当時の彼女は、それはもう非の打ち所のない美少女でした。 まさに美少女以外のなにものでもない、美少女という言葉以外に彼女を形容する言葉がない、真の美少女。 その突出した美貌にはファンならずとも誰しも一目置いたものです。 しかしながら、その人並み外れた美貌を持ちながらも、彼女の活躍というものは極めて地味でした。 こちらを見ていただければお分かりいただけることでしょうが、確かに出演作そのものは数多くあるものの、 どれも「作品は知ってるけど、彼女出てたの?」と思えるほど印象が薄いのは否めません。 これほどまでの資質があるならば、どんどんCMに出演させて知名度を上げ、徐々にバラエティ番組やドラマに幅を広げていけば、自ずとブレイクしたんじゃないのか?と、浅はかな素人の考えではありますが、誰もが首を傾げたのではないでしょうか? しかし、そうこうしているうちに、彼女の方向性を決定付けてしまう転機が訪れます。 それは、ドラマ『いたずらなKISS』のレギュラー出演でした。 ここで彼女は、主人公である、特になんの取り柄もないドジな女の子(佐藤藍子)のライバル的な存在である、 優等生でかなりキツイ、と言うより嫌な性格の女の子を演じます。 普通ならば、こうしてレギュラー役をきっちりこなしていれば、あるいは後々主役をくってしまう程人気が出る可能性も あったのでしょうが、結果的にはそうはなりませんでした(例をあげれば、かつてフジテレビで木曜の20:00に放送されていた 『ボク達のドラマシリーズ』での一作、『その時ハートは盗まれた』では主演が一色紗英、共演者がキムタクことSMAPの木村拓哉、 内田有紀であったが、後に内田有紀の方が大ブレイクした)。 その理由というのは、皮肉にもその嫌な性格で優等生の女の子役があまりにハマリすぎていたからでした。 私自身もテレビを見ていて「うっわー、きっついなあ」と思うと共に、美人は美人でもこういう美人は嫌だなあと正直、 そう感じてしまった程でしたから。 先程例にあげた内田有紀の場合、確かに彼女自身もデビュー当時のドラマの配役と言えば、嫌な女役が多かったものですが、 既にCMで知名度を上げていたためか、視聴者に「演技でやってる」という風に幸運にも解釈されたからこそ、 マイナスにはならなかったと思われます。 対して、小沢真珠の方は、内田有紀に比べればCM出演も少ないし、知名度もそれほど高くはなかったため、 あの役で「小沢真珠はこういう人だ」というイメージが定着してしまったのではないでしょうか? 逆に言えば、小沢真珠の演技と言うのは、視聴者に演技と思わせない程に優れていたと言えます。 しかし、その優れた演技力が逆に仇になるとは彼女自身にとっても大きな誤算だったかもしれません。 また、もう1つ、彼女がブレイクしなかった要因の1つに、アイドル像の変化が上げられます。 一昔前のアイドルと言えば、一般人にとっては手を伸ばしても決して届くことのない雲の上の存在でした。 ところが近年、その概念は大きく崩れ去り、女性で言えば、近寄り難い美人よりも、気軽に友達間隔で接することのできる、 どこにでもいそうな、そんな親近感を覚える子の方が好まれるようになったのです。 それは、このドラマで決して小沢真珠よりルックスが良いわけでもなく、演技が上手い訳でもない、 佐藤藍子がブレイクしたことがなによりその現実を物語っています。 小沢真珠が嫌な女役がハマリ役であったように、佐藤藍子演じる、なんの取り柄もない女の子がひたむきに頑張るという姿が 等身大で視聴者に好印象を与えたのではないでしょうか? (誤解のないよう申し上げておきますが、別に佐藤藍子を批判してるわけではありません。 彼女には彼女の良さ、持ち味があることも重々承知しております) ともかく、こうして小沢真珠はこのドラマを通して、嫌な女というイメージが定着したのか、 その後あまり見かけなくなってしまいました。 彼女がブレイクしなかった要因としてもう1つ強いてあげるならば、それは性格や人柄によるもの…。 いわゆる、キャラクター性だったのかもしれません。 前述したように、小沢真珠という女優は「嫌な女、性格が悪いお嬢様」というイメージが定着しました。 しかし、若手女優でその役をやらせたら彼女がNO.1なのではないでしょうか? 少なくとも、嫌な女、性格の悪いお嬢様を演じさせて、彼女と同等だと思えるような女優は今のところ榎本加奈子くらいしか 思いつきません(笑)。 彼女が演じた、ドラマ『家なき子2』の絵理花お嬢様の凄まじさと言ったら、今でも語り草となっているほどです。 しかし、小沢真珠と榎本加奈子。この両者には決定的な違いがあります。 それは、ズバリ、好感度…とまでは言わなくとも、先程述べたキャラクター性だと言えます。 実際、榎本加奈子が演じた絵理花お嬢様は、小沢真珠が演じた嫌な優等生とは比べ物にならないくらい、 極悪非道でえげつないことをやっていたにも関わらず、なぜかイメージダウンすることはなく、 むしろ、人気が出ていたくらいですから、これは一重に彼女のキャラによるものなのでしょう。 もっとも、あのドラマ自体色々な意味でやり過ぎていたから、絵理花お嬢様の非道な振る舞いを見ていても憤りを感じると言うよりは、むしろ笑えるんですけどね。 そして、榎本さんがどんなキャラクターかと言うと、性格が悪いと言う噂があるものの、あっけらかんとした明るいイメージがあります。 これが彼女が慕われる大きな要因であることは言うまでもありません。 対して小沢真珠はと言うと、これはあくまで私の推測でしかありませんが、彼女はきっと根が真面目で大人しい性格なんだと思います。 加えて言うならば、人見知りで不器用なところがあるのではないでしょうか? 役を演じることが出来ても、自分自身を表現するのは下手…みたいな…。 その上あの美貌がさらに他人との距離をとってしまっている…。 結果、ブレイクする機を逃してしまった…。 いや、あくまで私が感じた印象ですけどね。くどいようですけど。 もっとも、嫌な女役そのものが素だという説もありますが(笑)。 とまあ、このように、今まで日の目を見ることが出来なかった彼女ではありますが、冒頭で述べたように、 現在フジテレビの昼ドラ『牡丹と薔薇』に、野島香世という富豪のお嬢様役で出演中です。 長いこと彼女をテレビで見ていなかった私にとってはまさに嬉しい限りなのですが、 驚いたのは演技力にさらに磨きがかかっていたことです。 人並み外れた美貌を持ちながらも日の目を見ることのなかった彼女。 しかしそれでもくさらず、自分を見失わず、女優として成長しているその姿には感動すら覚えます。 芸能界と言うのは華やかに見えても、浮き沈みが激しく、そこで生きていくには努力と抜きん出た才能、 そして運が必要であることは言うまでもありません。 先程引き合いに出した、内田有紀、佐藤藍子、榎本加奈子にしても、いずれも今は以前ほどの人気も勢いも衰え、 ドラマやCM等の出演数も減ってきています。 まあ、それが当然と言えば当然のことではあるのですが、重要なのは過酷な芸能界で生きていくために、 自分の個性を磨き続けることではないでしょうか? 先程も述べたように、最近のアイドル(と言っても今やこんな呼び方しませんね)というものは、 庶民との垣根が非常に低くなってきております。 それゆえか、ちょっと可愛い、ちょっとスタイルが良い、ちょっとカッコイイ、程度の特にこれと言ったモノもないタレントが 増加していく一方です。 もっとも、その中でしっかり成長を遂げていく者もいるのでしょうが、人気があるのは最初だけで、 徐々に落ち目となって消えて行く者も間違いなく出てくることでしょう。 そういったことを考えれば、小沢真珠は天性の美貌に、今まで培った演技力と、彼女ならではの確かな武器を持っていることから、 案外勝ち組なのかもしれません。 とは言え、才能と努力、この2つは持ち合わせていても、運だけは手に入れられなかった彼女。 この『牡丹と薔薇』の出演が吉と出るか凶と出るか? ドラマ自体のストーリーもそうだが、今後の彼女の活躍から目が離せない。 |