聖龍伝説

 
 日テレ土曜9時のドラマは非常にクセが強く、バラエティに富んだ作品が多いのだが、この『聖龍伝説』はその中でも群を抜いているだろう。
主演は、当時天才子役の名を欲しいままにしていた
安達 祐実であるが、例によって中学生(高校生だったかな?)の役であり、当然いじめられっ子です。
しかも、いじめっ子はこれまた榎本加奈子なのだから、パッと見『
家なき子2』と間違えてしまう方も多かったかもしれません。
しかし、ドラマ自体はそんな学園ドラマというわけでもなく、聖龍拳の正統伝承者である聖羅(安達 祐実)が邪悪な幻龍拳と戦うという
「本格カンフードラマ」なのです(笑)。
当時の日テレ土曜9時のドラマは
『金田一少年の事件簿』が大当たりしたためか、その後も『銀狼怪奇ファイル』や『透明人間』等、割と子供向けのドラマが続いたのですが、この作品もその流れに乗じてつくられたのでしょう。
しかしながら、これが本当に子供達にウケていたのかどうかは疑問を感じずにはいられません(違う意味でウケてたかもしれないが)。
と言うのも、当時は戦隊ものを始めとする特撮ヒーローもの等における特撮技術が一昔前と比べると格段に向上していたにも関わらず、この作品でのアクションシーンや演出は、10年前くらいの
『スケ番刑事』辺りの作品と大差ないものだったからです。
まあ、それが滑稽と言えば滑稽であり、ネタになったのも事実ではありますが……。
ex) 高速で動く腕をCGによって6本に見せたはいいが、実際に動いているのは2本だけ。
  空中飛行するシーンでは、おもいっきりロープを握っているのが見えていたり、って言うかロープ自体も見え見えのバレバレ。
  一振りで木々をなぎ倒す程の威力の棒術を頭に喰らったと言うのに、喰らった方は凄く痛がりうずくまるという、リアルなダメージだったり……

 ともかく、終始がそんな感じだったので、毎回毎回「どこが本格カンフーやねん!」とツッコミながら楽しめました。
また、他の出演者の顔ぶれも実に豪華であり、
千葉真一ケイン・コスギ、佐竹雅明など、アクションスターやプロの格闘家が何気に混じっていたり(そう言えば、ショー・コスギも一度ゲスト出演された)、かと思えば、織田無道が坊主の役で出てきたり(そのまんまんやんけ!)、いまいち意味の分からないキャスティングもいい味出していました。
その中で一番印象に残ったのは、やはり織田無道でしょう(笑)。
…という冗談はさておき、やっぱりケイン・コスギとショー・コスギの親子対決ですかね〜。
この時ばかりは、本当に
『本格カンフー』っぽいと思えました。
さすがに本職の方々は違います。
しかし、本職にも関わらず、本来ならば出演者の中では一番強いはずなのに、幻龍拳の総帥(
長谷川初範)にどつかれたり、カンフーとはまったくなんの関係もないであろう、かめはめ波のような気功波で倒された佐竹さんはちょっと可哀想だと思いました。
まあそういうわけで、出演者の顔ぶれにおいてもネタにこと欠きませんでした。

 そして最後に、肝心のストーリーについてですが、この作品は『家なき子』シリーズのスタッフによって手がけられたため、『家なき子』同様、「裏切り」というのが1つのテーマとして扱われてしました。
『家なき子』を観た方はお分かりいただけるかと思いますが、確かにあの作品では思いもよらない人の裏切りが最後に待ち受けており、その予想だにしなかったストーリー展開に驚かれた方もたくさんいました。
そして、この『聖龍伝説』においても、『家なき子』と同様の思いもよらぬ、「うっそーん」と言いたくなるような裏切りが確かにあります。
 しかし、冷静に考えてみると、それは「えっ、それって意味あんの?」といった理解に苦しむものだったり、最終回においては「おいおい、そんなんありか?」と、裏切りと言うよりはただ単に
『ぴちぴちピッチ』のような超展開だったり、それゆえ最終的にはストーリーの破綻をも招いていました。
よって、私がこの作品を観終わった後の率直な感想。それは………
「幻龍拳関係ないやん!」です。
この作品を既にご存知の方はこの一言の意味が十分過ぎる程お分かりいただけるかと思いますが、まったく知らない方、観たことのない方はなんのこっちゃさっぱり分からないかと思います。
しかし、ここで詳細を述べてしまうと、非常に味気ないし、やはりあの衝撃は直に観てこそ意味があると思うので、ここでは控えさせていただきます(既にご存知の方、どうしても知りたい方、ネタバレでも構わないという方は以下の『聖龍伝説』〜その裏切りの数々〜へお進み下さい)。

 まあ、なにはともあれ、機会があれば一度ご覧になられてはいかがでしょうか?
決して観て損はない作品だということを、私は声を小にして断言いたします。
 


『聖龍伝説』〜その裏切りの数々〜(ネタバレ注意!)

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