かつて『スケバン刑事』というドラマがありました。
タイトルが示すように、スケバンが特命刑事となり、ヨーヨーを武器に悪と戦うというストーリーです。
一見漫画のような話ではありますが、これがなぜか当時大人気ドラマとしてちょっとした社会現象にまでなりました。
内容的に、アニメや特撮に近いこの作品がなぜここまで大ヒットしたのでしょうか?
その理由は、アイドルを起用したこと(一代目は斉藤由紀、二代目は南野陽子、三代目は浅香唯)、放送時間が木曜日の19:30と、ゴールデンタイムであったこと等、色々とあげられますが、私が思うにその最大の要因は「この作品が初めてスケバンという存在を深く描いた作品」だったからではないでしょうか?
当時と言えば、今とは違い、女性の社会的地位はさほど高くなかったし、主人公が戦うヒロインという作品も今と比べると格段に少なかったように思えます。
しかしながら、1980年代という時期は、「不良少女と呼ばれて」をはじめとした「非行に走る少女」を描いたドラマがやたら多かったことからも、スケバンにスポットをあてたこの作品が生まれたのも、時代の流れに沿った必然だったのかもしれません。 結果、当時の少年少女達は今までありそうでなかった、この正義のために戦うスケバンがすごく斬新なものに映ったのでしょう。
それは、この作品が人気の上昇と共に、U、Vと三部までつくられたことからも明らかです。
そしてストーリーにおいても、Tが当初こそ、学校絡みの犯罪を解決していくという地味なストーリーだったのがどんどんとエスカレートしていき、最終的には日本を支配しようと企む悪との戦いにまで発展、以後U、Vにおいてもこの流れは変わらず、アイドルアクションドラマとしての新境地を切り開いたのです。
しかし、あれからもう20年近く経ちます。
時代の流れと共に世の中も随分と様変わりしました。
はたして、今の世の中に番長やスケバンと言った人達が存在するのでしょうか?
そもそも、今時の中高生に番長やスケバンという存在が正しく認識されているのでしょうか?
現代の中高生から、はたして20年前の時のような支持を得ることが出来るのでしょうか?
そう考えると一抹の不安を感じずにはいられません。
と言うのも、やはり時の流れというのは実に無情だからです。
私も最近懐かしく思い、久々にDVDを借りて観たのですが、やはり「そんなアホな」と失笑してしまうシーンも多々ありました。
中でも最も痛いなあと思えたのが、Uで出てきた青狼会の影の総統。
当時子供だった私は、この影の総統を「かっこいいなあ」と思っていたものですが、今観るとなんとまあ、痛い奴なんでしょう。
十代の才能ある若者を集め、日本の学校、ひいては日本を支配しようだなんて、考えがあまりに痛すぎます。
またVに至っては、忍者の戦いである上に、何百年も生き続けている化物がラスボスだったり(これがスターウォーズの皇帝によく似ている。って言うか、皇帝がモチーフになっているのだろう)、そのラスボスを倒すために伝説の武具を求めたりと、ファンタジー色が強く、ほとんど「スケバン刑事」のタイトルが意味を成さないくらい話が逸脱かつエスカレートしています。
もし、今時の中高生がこの作品を観たならば、ギャグやネタとして捉えられるのではないでしょうか?
ちょうど、アニメ版『リングにかけろ』のように……。
そう考えると、いささか釈然としないものがありますが、それでも私はこの作品をより多くの人々に観ていただきたいと思いますし、それだけの価値、面白さが十二分にあると確信しています。
昨年DVD化され、密かにスケバン刑事人気が再燃焼しつつある今こそ、スケバン刑事にハマル絶好のチャンス。
あなたも、このスケバン刑事の魅力にどっぷりつかってみてはいかがでしょうか?
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