THE TENTAI

           bQ23


1833年のしし座流星雨木版画

   今年!超期待されるしし座流星群ですが、こんな姿を見たいものです。

 1998年2月1日発行


目次
マウナケアで見たしし座流星群
1997年のしし座流星群
11月17日しし群 IN 室生観測所

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マウナケアで見たしし座流星群

嵯峨山 亨(大阪府東大阪市)


 

 そろそろ大出現が噂されているしし座流星群ですが、ひょんなことからハワ イまで遠征して見てきました。以下にその報告をします。

1. ことの起こり

  昨年8月28日、信楽のMU観測所で行われたプロアマ交流会 の後で京都四条 あたりで有志10 名程度の小宴会(京都で行われたIAU総会のために来日中のプロ の天文学者とアマチュア流星観測者との交流会。)が行われました。この時、既 に木下さんはハワイでの観測計画をお持ちでしたが、酔った勢いで“私も行きます”と言ったことから今回の旅行に出るきっかけとなりました。

2. ハワイで観測する訳

  流星群は毎年ほぼ決まった位置で出現します。しし座流星群の場合、母天 体のテンペル・タットル彗星の軌道面を地球が横切る位置あたりとなります。
 この位置に地球が来た時に夜であれば流星が多く見られる可能性があるわけ です。昨年は北米西海岸からハワイあたりが条件としては良い地域でした。
 ところが運悪く昨年はしし座流星群の出現時期に満月が輝いていましたので 、薄雲や塵が大気にあると相当見えかたが悪くなってしまいます。そこで比較的 満月の影響の出にくい高い場所ということでハワイ島のマウナケア山を観測場所 に選んだのです。
 マウナケアは山頂の海抜が4,200m と高く、各国の天文台が集まる晴天率の 高い場所としても有名な場所です。


3. マウナケアでの観測

  今回の観測には3人で行ってきました。丸山 卓哉さん(長野県大町市)、 木下 正雄さん(大 阪府寝屋川市)、私です。観測は各自が思い思いのスタイル で行ないました。

 ・ 木下さん:II 2台によるビデオ撮影。1台は8mmF2.8魚眼による全天火球 パトロール、1台はf24mmF1.4 広角による出現確認。

 ・ 丸山さん:眼視観測(天頂ラムカ併用)。T-70(シグマ18mmF3.5 、フジ カラー superG ACE400) の固定撮影。

 ・ 嵯峨山 :眼視観測。T-70 2台(シグマ28mmF1.8、1台はコダックGOLD1600 、1台はコダ ックハイスピードインフラレッド)をマークXに同架してガイド 撮影。

 観測は現地時間で11月16/17日の1 夜だけ行ないました。 私の方はあまり大 した成果はありませんでしたが、木下さんのビデオには素晴らしい現象が捉えら れていました。現地時間の3h31m51s からわずか2秒間に約100個の流星が流れる という現象です。一体これはどのような原因で生じた現象なのでしょうか。今後 の解析が待たれます。
 ちなみにこの現象はその時点では誰も気づいていませんでした。視野の外で あったり流星そのものが暗かったためです。
 観測結果については別にまとめて記すことにします。 満月が昇るまでの1 時間程度、暗夜を眺めることができました。いて座の銀河の暗黒帯が浮き上がっ て見える程素晴らしい星空でした。満月が昇った後も5等星が見えており、透明 度の良さを感じずにはおられませんでした。

4.現地の様子

(1) ハワイ島の入り口
 西側のコナ、東側のヒロの2個所が主要な町でホノルルからほぼ1時間毎に フライトがあるようです(地図参照)。マウナケアへ行くにはヒロの方が距離が 近い分だけ便利なのですが、東側は冬の間は雨が多いのに対し、西側は雨が少な く比較的天候も良さそうです。
 マウナケアに登らずとも観測できる可能性があるという理由で私たちはコナ にホテルをとり、ここを基地に島内を移動しました。

(2) マウナケアへの交通
 マウナケアに限らずハワイ島内での足はレンタカーです。私たちはフォード のセダン(日本名モンデオ)を空港で借りました。空港前には主要なレンタカー 会社が軒を連ねていますので容易にレンタルできます。
 しかし、事前にわかっていたことなのですが大きな問題がありました。これ らのレンタカーではマウナケアはおろか途中のサドルロード(地図の200 号線) の通行すら許可されていないのです。
 理由は途中に人家もなく万一事故が起きてもどうしようもないということで す。無論サドルロードでの事故については保険の適用対象外です。
色々情報収集した結果、Harperというレンタカーが唯一マウナケアへの通行を 認めてくれており、4WDのレンタルができるということがわかりました。私達は16/17 日の1 日だけ TOYOTA の4Runner(日本名ハイラックスSURF)をレンタルして マウナケアに登ったのです(写真)。
 マウナケアへの道はコナ、ヒロいずれから向かうにしろサドルロードを走り ます。サドルロードのほぼ中間点からマウナケアに向かう道にそれ、一気に山頂 を目指します。途中、海抜2,700m付近に


オニヅカビジターセンター(Onizuka Center for International Astronomy。 地図ではVISと記載。)という小さな施設があり、ここにしばらく滞在して高地に 体を慣らせます。
 この場所は電気、トイレがありますが視界は悪く天体観測向けとは言えませ ん。1時間程度滞在したらいよいよ山頂を目指します。
 オニヅカビジターセンターまでの道は一応舗装されているのですが、その先 はダートとなりこれが約8km続きます。実際走行してみるとサラサラの砂地でも のすごい砂ぼこりが上がります。4WDでも多少滑りながらの走行となります。道 幅は充分広いのですがガードレールはなく、もし天候が悪ければ走行は相当な危 険を伴うでしょう。天候が良ければ乗用車でも走行できると思いますが、安全を 考えるとやはり現地へは4WDが良いと思いました。
  余談ですが、実は私達は15日の午後にハワイ島に着いてすぐにオニヅカビ ジターセンターまでフォードで下見に出かけていました。幸い事故にも遭わず快 適にドライブできましたが、サドルロードはもともと軍用に作った道路らしく、 特にコナ側からの道路は道幅も狭く舗装も悪いです。しかし現地の人はこの道を 時速100km近くでとばしているのでビックリしてしまいます。もしこの道路をド ライブされることがある場合にはくれぐれも慎重に走行しましょう。

(3) マウナケア山頂付近
 ご存知のように山頂付近には世界各国の天文台が立ち並んでいます。周囲に は無論草木はなく砂と岩石のみという荒涼たる風景が広がります。
 4,200mという高地であるためハワイと言えども冬期には降雪に見舞われるこ ともあり、風も時速100 マイル以上になることがあるようです。そしてこれらの 気象条件に高山病の心配が重なります。
  私達は天文台群から少し下ったところに設けられている駐車場で観測を行 ないました(地図に記載の道路をさらに下った場所)。この場所は海抜が3,500 〜3,700m 程度とやや低いこと、東西北の3方向に少しピークがあるため風の直撃 を受けにくいこと、さらには天文台群が視界に入らないのでプロの観測の妨げに ならないこと、から観測には好都合でした。ただし、トイレや電源は無論ありま せん。
 幸い、私達が観測した当日は風も穏やかで明け方の気温は−5 ℃程度でした 。空気が乾燥しているようで露はまったくつきませんでした。 私達が観測した 当夜は満月であったせいか夜中でも時折下山する車が通過しました。現地は特に 車の通行を規制していないようですが、灯火の影響や安全の面からも私達のよう な一般の人間が夜間にマウナケアに出入りすることは控えるべきでしょう。

(4)買い物
  コナの町には大きなスーパーが数軒あります。おにぎり等もありますが日 本のコンビニで売っているものとは少々趣が異なります。食事はスーパーで調達 することもできますし、町の中心部には観光客相手のカフェテリアのようなもの もあります。またDenney's(ファミリーレストラン)もあります。
 町を離れるとマウナケアまでの道路沿いにはほとんど何もありません。私達 は予めコナのスーパーで食料、飲み物を買い込んで行きました(高山のためアル コールは我慢しました)。ガソリンスタンドも19号線沿いに1個所くらいしかあ りませんでした。

5. 観光

(1)キラウェア火山
 せっかくハワイ島まで来たのだからと現地時間の19 日にキラウェア火山を 見に行きました。 マウナケアに向かうのとは逆に島の南部を廻り片道約150kmの ドライブです。
 ドライブするとわかりますが、島の西側は荒れ果てた溶岩大地、東側は緑地 帯となっています。このことからも東側で雨が多いことが推測できます。道路沿 いには所々集落がありますし、わずかですがドライブインやガソリンスタンドも あります。コナのある西側とはかなり周囲の様子が異なります。
 キラウェア火山の火口は直径4.5kmと雄大です。周回道路があり車で一周で きますが、所々に溶岩流の跡があり“1982年に流れたもの”などという立て札が あるのを見ると少々緊張してしまいます。キラウェアからさらに40km 程“Chain of Crater Road”という道路を走り海岸線に出るとやがて行き止まりになりま す。
 ガイドブックでお馴染みの溶岩流でせき止められた道路なのです(写真)。


 この場所では今も流れ出る溶岩が 海に落ち込み煙が立ち上っている様を遠 く前方に眺めること ができます。もし観光している最中に山の上から溶岩が流 れ 出してきたら逃げ場がないだろうと思うとゾッとしますが、 このような光景 を目の当たりに見ることができ感激しました。
 帰りにはコナの近くにあるコナコーヒーの店に立ち寄りコーヒーをたくさん 買い込みました。キラウェアへの道路沿いにはコナコーヒーの農園が広がってお り、私達が訪れた時には赤い実がなっていました。

(2)マウナケアへのツアー
 私達のように個人でマウナケアに登ることまではどうも、という方には現地 ツアーを利用するという手もあります。“Paradise Safaris”というツアー会社 が毎日行なっているもので、山頂でサンセットを見た後、ハワイ大の2.2m鏡で少 し天体観察をしてオニズカビジターセンターまで下山、天候が良ければ22時頃ま でそこで天体観望を楽しむというツアーです。大型の4WDバンで美人ガイドのお 姉さんが連れていってくれます。

6. 終わりに

 今回の観測旅行は木下さんのお世話によるところが大変大きく、紙面を借り て改めてお礼申し上げます。ホテルやレンタカーの手配等、全て木下さんにやっ ていただきました。
 また、マウナケアでの天体観測という通常とは異なる目的の旅行のため、現 地の気象状況や交通等については当初情報収集に苦労しました。
 しかし、幸いにもインターネットが普及していたおかげで主な情報を事前に 得ることができました。今後旅行される方のために参考までに主なURLを末尾に まとめておきます。
 ハワイにもハワイ天文協会(Hawaiian Astronomical Society )という天文 同好会がありできればこの機会に交流をしようと思いましたが、あまり活発では ないようです。
 流星については電波と眼視観測を行なっている人がいるようですが、事前に 観測予定やマウナケアの様子をメイルで尋ねたところ、“特に観測計画はない。満月は所詮どこに行っても満月ですよ。”というつれない返事が返ってきました。
 また、メイルを使う習慣はあまりないようでこちらから出したメイルに対す る返事はなかなか返って来ませんでした。これはレンタカー屋も同様でした。急 ぎの場合には電話で連絡をするしか手がなさそうです。
 さて今年のしし群はアジアが好条件ということです。母彗星も明るくなって きている折、自然と大出現を期待してしまいますがどのような活動を見せるでし ょうか。今年も頑張って観測したいと思います。また、マウナケアには気候の良 い夏にもう一度訪れ大いに星夜観望を楽しみたいものだと思っています。

★ ハワイ関連情報を得るために有益なURL★


 http://maunakea.com/pcl.html 各国の天文台のホームページやツアー情報 、気象情報がここから辿れます。
  http://www.ifa.hawaii.edu/mko/mko.html マウナケア山頂付近のマップや 注意事項などが記載されています。
 http://lumahai.soest.hawaii.edu/Hawaiian_Weather/index.html ハワイの 日々の気象情報が掲載されています。

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1997年のしし座流星群

嵯峨山 亨(東大阪市)

1. ハワイでの観測結果

1.1.筆者の観測

マウナケアで行なった私の観測結果を以下に示します。

●眼視計数観測

     日 時間(UT) L群 最微星 雲量 観測方向  H.R.
11月17日 11:15〜 12:45 12 4.6 0 大熊座 8.0
       13:00〜 13:45 16 5.0 0 しし座 21.3
        13:50〜 14:48 13 5.0 0 しし座 13.4

*)L群:しし群の数を示す。  *)H.R.:Hourly Rate 1時間当たりの出 現数。
*)最微星はエリアによる。   
*)観測地の位置情報は、 N:+19°47.9' W:155°27.06' H:3,500m

  11:15 〜12:45の間は併用していたテープが不調であったこともあり記録数 も少なく、データの精度は悪いと思われます。木下さんのビデオが問題の現象を 捉えていた時刻にはしし座(輻射点)方向を見ており、現象には全く気づいてい ないようです。各流星の出現時刻(13:00以降の観測についてのみ)、光度分布 および有痕率を下表に示します。

○13:00〜13:45(UT)

出現時刻(UT) 等級 性状 出現時刻(UT) 等級 性状 出現時刻(UT) 等級 性状
13:04:24 -3 Leo Tr 13:16:18 1 Leo 13:31:56 -2 Leo
13:07:35 Spo 13:18:10 Spo 13:32:35 -6 Leo Tr
13:07:53 2 Leo 13:18:19 -1 Leo Tr 13:32:45 1 Leo
13:09:58 -4 Leo Tr 13:20:11 Spo 13:38:26 Spo
13:13:19 3 Leo 13:20:57 0 Leo 13:40:24 0 Leo
13:13:54 -4 Leo Tr 13:22:28 Spo
13:15:25 1 Leo 13:28:41 2 Leo
13:15:31 -2 Leo 13:29:39 3 Leo L ave.mag/cnt -0.56 16

○13:50〜14:48(UT)

出現時刻(UT) 等級 性状 出現時刻(UT) 等級 性状 出現時刻(UT) 等級 性状
13:50:52 Spo 14:20:14 Spo 14:38:32 0 Leo
13:51:24 Spo 14:20:59 1 Leo 14:38:47 -2 Leo
13:56:07 1 Leo Tr 14:27:12 Leo Tr 14:40:39 1 Leo
14:04:16 Spo 14:28:59 -4 Leo Tr 14:40:50 Leo
14:04:20 3 Leo 14:38:13 0 Leo 14:42:55 -1 Leo Tr
14:06:39 -2 Leo Tr 14:38:13 0 Leo L ave.mag/cnt -0.27 13

○13:50〜14:48(UT)

出現時刻(UT) 等級 性状 出現時刻(UT) 等級 性状 出現時刻(UT) 等級 性状
-2 Leo Tr 2 Leo Leo
-3 Leo Tr 3 Leo Leo
-2 Leo Tr -1 Leo Leo
0 Leo -3 Leo Tr
-2 Leo Tr Leo L ave.mag/cnt -0.89 12

光度分布

光度 -6 -5 -4 -3 -2 -1 0 1 2 3 合計
個数 1 0 3 3 7 3 6 6 3 4 36
Leo群流星総数 平均光度 有痕率
41 -0.57 36.59

*注1)観測総数41個のしし群のうち、等級の記録のないものが5個あり。 よって平均等級算出の母数は36個。


写真観測
 2台のカメラで3分間隔(2min58sec露出、2sec巻き上げ)でシャッターをきっ てゆきました。合計 10コマ程度に流星が写っていました。赤外フィルムの方は 予想どおり、流星の写りは悪いです。同じ流星でもネガカラーの方が明るく写っ ています。流星の発光帯域がYA3フィルターの透過帯域にあまり入らない影響で しょう。

日 時間(UT) 撮影方向 撮影方法
17日 11:01〜12:41 北天 五藤光学製マークXにて電動追尾
13:00〜14:48 しし座
15:00〜15:30 おとめ座

カメラ1:Canon T-70 シグマ28mmF1.8 Kodak GOLD1600(ネガカラー)UVフィ ルター
カメラ2:Canon T-70 シグマ28mmF1.8 Kodak ハイスピードインフラレッド( 赤外)YA3フィルター

1.2. 丸山、木下さんの観測

 参考までに一緒に観測をした丸山さん、木下さんのデータもあわせて掲載し ておきます。
今回の観測については眼視観測は時差ボケの影響等、遠征観測による体調の影 響が少なからずあると思われます。一方、ビデオ観測はそのような影響を受けな いという面でその性能を遺憾無く発揮しているものと考えられます。

 [丸山さんの観測(眼視観測)]

日 時間(UT) L群 最微星 雲量 観測方向 H.R.
17日 11:00〜11:55 7 5.2 0 天頂から北20〜30° 7.6
12:00〜12:40 10 5.2 0 天頂から北20〜30° 15.0
13:00〜13:55 22 4.9 0 天頂から北20〜30° 24.0
14:00〜14:55 18 4.9 0 天頂から東20〜30° 19.6

*)しし群の平均光度 -0.23(観測流星数57個)

[木下さんの観測(24mmF1.4+II+8mm ビデオによる観測)]

日 時間(UT) L群 最微星 雲量 H.R.
17日 11:00〜12:00 13 6.0 0 13.0
12:00〜13:00 11 6.0 0 11.0
13:05〜14:00 35 5.9 0 38.2*1)
14:00〜15:00 34 5.9 0 34.0
15:00〜15:40 42 5.0 0 42.0

*1)13:31:51〜13:31:53に大熊座の方向に多数のしし群が出現したが、ここ ではその数を含めていない。
*2)観測方向については筆者の手元にデーターがなかったので割愛した。

1. 3.ハワイでの観測結果の要約

以上、ハワイでの各自のデータを示してきました。私達の観測結果からは以下 のようなことが言えると考えます。
 ・ 13:00〜16:00(UT) の間に出現数が多い。
 ・ 出現数は13:31:51〜13:31:53を除けば大出現という程のものではなかっ た。
 ・ 明るい流星が多かった。ただしこれは月明かりの影響により暗い流星を 捉えにくい条件によるものとも考えられる。

2. 日本流星研究会の観測結果

 1997 年11月25日時点での日本流星研究会の速報では17日 15:00 〜20:00(UT 。JSTでは 18日 0:00 〜5:00)にH.R.10〜20程度の観測が多いようです。 日本 での観測からは17/18日の1夜の間には明確なピークや突発出現はなかった模様で す。

写真:しし群流星1997.11.17 13:45〜13:48(UT) 流星出現時刻不明 ハワイマ ウナケアにて 嵯峨山 撮影

3. 海外の観測結果

インターネットでNASA とIMO(Internationnal Meteor Organization)のホーム ページを検索してみたところ以下のような情報が掲載されていました。

(1) California等米国西海岸での観測

 レーダー(20〜30MHz) および光学観測(回転シャッター付きカメラ10台) 、 ビデオカメラ(カナダの Peter Brownら)などを用意し、3個所に観測点を設けて 観測した模様です。DMS(Dutch Meteor Society)のメンバーもEdwards空軍基地付 近に陣取って観測しているようです。 彼らの観測では10:30〜11:15(UT。太陽黄 経では235.16°付近)と12:00 〜12:15(UT。太陽黄経では 235.21°付近)、特に この時間に限れば毎分1〜2個のしし群が出現したとレポートされています。出現 数の観測結果についてはNMS( 日本流星研究会)のデータ(御殿場市の高梨 雅彰 さんが速報したもの)も含めて図のようなグラフが掲載されています。

図:NASA のホームページに掲載されているしし群の観測結果(Z.H.R.)

 このグラフの中で"expected" と示されている点線は太陽黄経235.2°、235.3 °付近にピークを示しています。これは、1996年のIMO の観測やPeter Jenniskens(NASA) のレポートによる期待値であるようです。比較的暗い流星("faint meteors")が このようなピークを示すのではないか、というものです。実線が1997年の観測か ら得た出現数の変化です。1997 年は満月の影響があったので結局は予想が的中 したかどうかについては確認できなかったという感じです。
 なお、木下さんが捉えられた現象が起こった時刻を太陽黄経235.27 °とな り1997 年のピークを示した時刻と一致しているようです。

(2) ESO(European Southern Observatory)での観測

 Jenniskensらプロの学者がESOの望遠鏡を用いて流星の痕スペクトルを狙っ て観測を行なった模様です。残念ながら明るく長時間痕を残す流星をうまく捉え ることができなかったようで特に成果の報告はないようです。
                         以上
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    11月17日しし群 IN 室生観測所

                熊森照明(大阪府堺市)

 

  1997年11月17日は、しし座流星群の観望?とJACの観測会を兼 ねて仲間たちが集結しました。

 また、日本流星研究会を通じて、イギリスのデイビッド・アシャ博士の取材 を兼ねて室生観測所にBS−1(NHK衛星放送)のテレビカメラが入りました 。この日の流れをBS−1で放送された映像を散りばめて?紹介していくことに します。

 

 11月17日の日中は天気が悪く雨が降り、予報では夕方から回復でした。JAC ではこの日に観測会として計画して参加しました。

 和歌山に出かけている杉本氏は夕方から晴れてきているとの報告があったの ですが、室生では夜半近くまで雨が降り、今夜は無理かな?と思われる状況でし た。今夜は宴会だけになるかも…と、パソコンのモニター上に映る流星エコーの 少なさに宴会の用意を始め、一鍋つついてると、アシャ博士と取材陣が到着しま した。

 鍋はひとまず中止し、藤原会長が中心にアシャ博士に室生観測所のことを説 明していきます。何せ当日の参加者では堪能な英会話にはほど遠く緊張?が続き ます。武田氏や熊森のパソコンソフトの説明なども…。

 そうこうしていると、02時ごろから晴れ始め、雲間から流星観望を始めま す。もちろん取材カメラも動いていますから、アシャ博士の周りにはビデオライ トがまぶしく輝いています。

 どんどんと晴れ間が広がりますが流星の数は増えません。しし群らしくスピ ードの速くて痕を残すのは思っていたよりも少なく感じました。天高く煌々と月 が輝いています。

 突然?明るい流星がしし座の横に輝き緑色をした痕を見せてくれました。み んなで「うぉー!」と叫んで拍手をすると、ちょうどアシャ博士にはライトが浴 びせられていて博士は見ることができなかったようです。

 ひとまず、しし座流星群らしい!流れ星も見たので、再度、鍋を突っつくこ とにしました。この時は博士もお箸を使ってちょっとだけ食べていただきました 。

 今まで室生観測所は何度かテレビの取材を受けたことがあります。多くは必 要なところだけを撮影するとさよならだったのですが、今回の「映像館」の方々 は、まるっきり博士につきっきりで、やらせもなく、夜明けまで在所され夜明け と観測所をバックに最後のコメント撮影されてから橿原の宿まで帰られました。 そして今夜は、淡路島の中野主一さんのところまで取材に行かれとのことでした 。

 この映像は12月11日にBS−1に放映されました。誰も見てない?では ないかと…観測の話でなくてテレビのお話になってしまいました。

 アシャ博士は地球に近づく小惑星?を研究されておられ、木曽のシュミット などでかんそくされているそうです。

また機会があれば?どこかでお会いするかな…

 おわり

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