『THE WINDS OF GOD』

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*** データ ***
タイトル:THE WINDS OF GOD −零のかなたへ−
著者:今井雅之
解説:(な し)
ページ数:255ページ
価格:495円(税別:角川文庫)

*** ものがたり ***
   売れない漫才コンビの誠と金太は自転車の二人乗りをしてトラックと激突してしまう。次に誠が気付いたのは昭和20年8月の特攻隊基地で…


*** 感想、のようなもの ***
  元は88年から上演され続けている舞台劇。95年には映画化もされて親本はその時に急遽出版されたとのこと。あとがきによれば

        「準備期間があまりなく、決定してから1ヶ月で出版」

   だそうで、そのために映画シナリオのト書きそのままのパラグラフも少なくなく、小説としての出来はちょっと困ったモノ。

   がしかし、元の芝居がシッカリしているだけに内容はなかなかにヨイ。特攻前夜の隊員の行動や彼らがなぜ志願してまで特攻するかを描くことによって、そんな純真な若者たちを死に向かわせた戦争について考えさせ、現代から当時の状況に“投げ込まれて”しまった2人がいかに現代が平和か気付く部分では“当たり前のように享受している平和”についても考えさせるというのが見事。

   かつて“国のために死ぬ”ということが理解できずにいたけれど、それは国そのものではなく、肉親や婚約者を守りたいという気持ちからであることに今さらながらに気付き、しかし戦争さえなければ愛する人を守るために死ぬこともなかっただろうとも思い、戦争が“イヤなもの”“あってはならないもの”であるという認識をさらに深めたりもしたのでした。

   また、一種のタイムスリップものでもあり、その設定が最大限に、しかしさりげなく使われる終盤もイイ。“愛する人を守る”ことがこのことによってダメ押しされているのが実に巧い。

   そんなこんなで、かつてテレビ放映で観た舞台を、ナマで観に行くことにしたのでした。

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