|
σ(^-^) が観た井上ひさし作品(12作しか観ていないけれど)の中では最高傑作ではないかと思う『きらめく星座』の5演を観てきました。
*** データ ***
タイトル:『きらめく星座』
公演主体:こまつ座
作:井上ひさし 演出:木村光一
出演:犬塚弘、岡まゆみ、高橋克実、郡山冬果、辻萬長、高橋長英、寺尾繁輝、朴勝哲、辻輝猛、岸槌隆至
日時:10月24日(日) 13:35〜14:55(休憩15分)15:10〜16:35
小屋:紀伊國屋ホール
料金:4,750円(全席指定・税込:3作セット価格の1本分単価)
座席:K列14番
*** ものがたり ***
昭和15年。浅草でレコード店・オデオン堂を開いている小笠原信吉(犬塚)一家は長男・正一(高橋克)が砲兵隊から脱走したため、“非国民の家”呼ばわりをされてしまう。
その悪評を一掃するべく、元歌手で後妻のふじ(岡)は長女・みさを(郡山)に彼女が文通をしている傷痍軍人の中の一人と結婚することを勧め、みさをもそれを承諾するが…
※注 ここで言う「戦争」とは、支那事変(〜日中戦争)のこと
*** 感想、のようなもの ***
井上ひさしの“昭和庶民伝三部作”の1作目にして名作。σ(^-^) 、初演から5演目の今回まですべて観ているものの、相変わらず素晴らしい。そして何回観ても泣けてしまう…。むしろ泣ける部分が増えてきているような。
まずは笑わせて引き込んでおいて、徐々に戦争の“黒い影”を見せ、それでもたくましく生きて行こうとする庶民の姿でしめくくる、そのツクリ・バランスが秀逸!
2幕6場なので、第3場(第一幕ラスト)と第5場の2回に分けて主題である軍国主義批判を入れているのも巧いんだよなぁ。今回はその2つの場のラストで拍手が沸いたくらいだし。
特に「こじつけで国を動かされてはかなわない」という広告文案家・竹田(高橋長)のセリフ(第3場)と、傷痍軍人(みさをの夫)・源次郎(辻萬)が戦争で失ってしまった自分の右手の幻肢痛に“帝国の道義の有無”をダブらせて苦しむ場面(第5場)が胸を打ちます。
そういえば今回は、源次郎(の役どころ)が意味するもの、つまりそういう“バリバリの愛国者(尊皇主義者?)”を作り出していた、当時の日本の教育について考えさせられました。
フトしたキッカケで信じていた“帝国の道義”に疑問を抱く源次郎。今まで自分を支えていたものが幻だったかも知れないと気付くその姿が、もう痛々しくて…
また、源次郎の“愛国主義的発言”に、かなり笑いが沸くのだけれど、そういうのを笑うことができる今って幸せなんだなぁ、とも思いました。(三谷幸喜の『笑の大学』でも似たような感想を持ったのだけれど)
あと、新演出として幕切れに「日めくり」にスポットを当て、それ(第6場)がいつのことか(1941年12月7日=日米開戦前夜)を際立たせたのも良かったかな。
と、誉めちぎってきましたが、ちょっと残念だったのは、初演からずっとすまけいが演じていた竹田役が今回から代わったこと。いや、他の役も実は代わっていたり帰り咲いたりしているのだけれど、この役は個人的に一番好きな役でもうイメージが固まってしまっているのでちょっと違和感が…
↑
あ、でもこれってあくまでσ(^-^)
個人の印象です。決して高橋長英が力量不足だとかそういうワケではないですから。たとえば、J・ボンド役がS・コネリーからR・ムーアに代わった時の感じとか、そういう類のハナシです。
そういう意味では憲兵伍長・権藤役(寺尾)も同じかな。この役も初演・再演・4演時に藤木孝がかなり強烈な個性を発揮していたので、今回(と3演目)はスパイス不足な感じ。
一方、4演に続いての岡まゆみは好演。劇団四季でミュージカル経験もあるので歌も上手いし、若く見える(失礼?)ので初演・再演時の夏木マリよりも適役かも?(もちろん、夏木マリも良かったのだけれど)
元のページへ戻るにはブラウザの「戻る」ボタンをご使用ください。<m(__)m> |