しとやかな獣 [1962・日] 96分 ★★★★☆
監督:川島雄三 脚本:新藤兼人
出演:若尾文子 伊藤雄之助 山岡久乃 浜田ゆう子 小沢昭一
note:
けちな家族と、彼らを上回る悪女。
金のためにモラルを捨てた人々の騙し合いが狭い公団地の中で繰り広げられるブラック・コメディー。
金と金で結ばれた家族と彼らを取り巻く人々を描いているのだけどそもそもお金そのものが出てこない。
すさまじい映画で、こんなに強烈で威圧感のある映画を見たのは初めて。
はじめのほうはあやしげな歌手(外人のふりをした日本人)なんかが出てきて、
喜劇調なくせにどこからか監督の乾いた笑いが聞こえてきそうな勢いに変わっているのです。
ほとんどのシーンでは団地の一室からカメラがずっと離れずにとどまっているのですが、
どんどん離れた視線になってくるのが解るのです。
今見てもすごい、というか今見るとすごい!
まず題名からいいのよね。「しとやか」と「獣(けだもの)」という相反する言葉。
ちょうど日本は高度成長期にあったらしく、
金々言ってる日本人に渇!と言うわけでもないんだけど、「ほらよ」と見せられる感じ。
脚本のおもしろさと冴えた演出がすごくよくあった一本だと思う。
(夕暮れのゴーゴーダンスには本当にやられた。あんなかっこいいシーンをどうしたら思いつくのだ?)
役者さん達も粒ぞろいでみんな個性的。
それぞれにいい味で、そう言えば「日本のお母さん」の山岡久乃はここでもお母さん役でした。
若尾文子さんも何とも言えない妖艶な魅力。煙草吸うシーンなんてまさに「格好いい!」って感じ。
艶っぽい若尾文子声とクールな魅力が映画の感じとすごくあっていた。
川島監督の作品は他にもいくつか見たのですが、今まで見たのは
どれもなんとなくいまいちぴんとこなかったけどこれは、これは、ほんとうに面白い!!
私はすっかりファンになってしまいましたよ。
picnic
金と愚かな人間
→ファーゴ:ちょっとした出来心が大騒ぎに・・・
川島雄三
→還ってきた男、追ひつ追はれつ(ニコニコ大会)、夢を召しませ、女優と名探偵、明日は月給日、
東京マダムと大阪夫人、愛のお荷物、洲崎パラダイス 赤信号、幕末太陽傳、貸間あり、雁の寺
若尾文子
→赤い天使、妻は告白する、清作の妻、雁の寺