ダンサー・イン・ザ・ダーク Dancer In The Dark [2000・デンマーク] 140分 ★★★
監督・脚本:ラース・フォン・トリーア
出演:ビョーク カトリーヌ・ドヌーヴ デビッド・モース
note:2000年カンヌ映画祭パルムドール・主演女優賞(ビョーク)
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チェコからアメリカに渡ってきたセルマは女手一つで息子を育てている。
病のため視力を失いつつあることを隠し、同じ病を持つ息子のために
工場で過酷な条件で働いていた。親友のキャシーも母親のように見守っている。
彼女の楽しみはミュージカルの稽古。
「ミュージカルが大好き。ミュージカルは恐ろしいものが登場しないから。」
セルマは時々現実世界で楽しい空想に耽るのだった。
現実はミュージカルみたいに恐ろしいものを見なくて済むなんて事はないし
本当の世界は恐ろしくて醜いものばかりだと思った。
現実は嫌なことばかりで、せめて嘘の幸せの中で生きたいと願うことも駄目なのかしら?
辛いことに向き合わなければならない現実が意地悪に次々に襲いかかる。
セルマの強い意志には確かに胸がぎゅっとするようでしたが
優しい人が周りにいて自分を助けてくれた(助けようとしてくれた)としても、
結局人間は孤独な生き物なのかもしれないのだなあ、と思うとやるせなくなりました。
物質的に満たされている私は、結局セルマに共感できる部分も少なく、
そのことを恥じることはないとは思うけど色々なことを否定されたような気はしました。
あと、テクニックの問題と言うより演出の問題だと思うのですが
ミュージカル・シーン以外のカメラがすっごい気持ち悪くて酔ったし嫌だった。
手持ちカメラで素人のように撮る(セリフを喋る人を順に追う、アップが多い...etc)ことでしか
リアリティーや臨場感を表現できないのは安易だとも思った。
最近この手の趣向のカメラが流行っているので、嫌です。
映画の魅力はビョークの魅力が大半を占めました。
今更言わなくても彼女は天才で、この映画も本当に彼女じゃなかったら
暗いだけの作品になっていた可能性もあります。(十分暗いですが)
ミュージカルの場面はセルマの言葉通り悪いものを見なくていいような気がして
それでも歌詞の節々に現実を知っているセルマが見え隠れして、すごい重かった。
ものすごいエネルギーを要する映画でした。
矛盾も多くて納得のいかないこともたくさんあったけど全てをかき消すビョークの歌声に
ただただ圧倒されました。日々の鈍っていた感覚を取り戻させてくれたような気もします。
でも、やっぱり救いがない物語はやるせなくなります。
カタルシスを望めないほど、救いがないので私はこの映画を見て一週間くらい悶々としてしまいました。
picnic
貧困の問題
→ロゼッタ:この子の生き方も終わりのない悲しみのようだ
ビョーク
→ビョークのねずの木、ビョーク(ドキュメンタリー)
→【番外編】It's Oh So QuietのPV:スパイク・リー監督、ミュージカル仕立て