清作の妻 [1965・日本] 93分 ★★★★☆
 監督:増村保造 脚本:新藤兼人 原作:吉田絃二郎
 出演:若尾文子 田村高廣 千葉信男 紺野ユカ 成田三樹夫
 note:

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街の有力者の愛人として暮らしていたお兼だが、愛人に先立たれたため、かつて村八分にされていた故郷の村に帰る。
村の自慢の模範兵である清作とお兼は愛し合うようになり、やがて二人は結婚する。
日露戦争時代の貧しい農村で愛する夫を戦争にやるまいと、お兼はある恐ろしい行動に出る…。

なんともすさまじい物語ですが、それをやってのける若尾文子のすごさといったら・・・!!!
でも、私は彼女をかわいいと思ったのです(ヘン??)。
だって最初はスレてる感じの人だったのに、
清作を愛するようになってからの彼女は一途で、清純な乙女のように見えるときだってあるのです。
たしかにその一途さは狂気ですが・・・・
誰かを真剣に愛するって実はすごい怖いことなのかも・・・
 
「事件」が起こる前のお兼と清作のお互いを愛する気持ちには次元の違いがあったようにも思えた。
でも、お兼を許した清作と、彼に殺されても良いと思ったお兼の愛情の一体感は
誰が見ても明らかではあったけれど、最後のところも果てしない悲しみを予感させるようで、
やるせない気分になりました。

それにしても「差別」や「世間」といった問題や「戦争」そして「男女の愛情」とテーマをこれだけ盛り込んで、
(言いたいことは一つかもしれないけど、受け手は色々感じる。やっぱり)
93分でよくまとめたなあ、と監督の技量に関心するしかありません。
 
一番興味深いと思ったのは「世間」と二人の関係についてです。
私たちは結局小さな人間関係の和の中で暮らしているわけで、
そのコミュニティーの中でうまくいくというのは実はすごいことではないでしょうか。
私は「自分たちだけでいい」なんていうお兼と清作には共感しないけれど、
そういうことを考えさせてくれる、鋭い映画のような気がしました。

picnic
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