やはり霞はやってくれた。ペラ三枚分、「。」のないごたい

そうなわりに、中身は、

「ようするに、恋におぼれるような女が好きなんですね」

とマクドナルドのコーヒーなんだけど、この「ようするに」

をやると万博後の男は「しおしおのぱー」になるから。

「恋におぼれる女に私もほんとうはなってみたいけれども・・・・・・」

と、ちょっとアレンジメント操作をおこなった。

「フッ、それはきみが飛ぶのを恐れなければ容易に実現する

ことなのかもしれない」

「どっちかっつうと、私が飛ぶのを恐れているんじゃなくて、

私が飛んでくるのを男が恐れてるから、今までのロマンス人生、

くらかったんだと思うけどなあ」

私はカラオケを選曲した。

十五、二十六、三十と私の人生暗かった

過去はどんなにつらくとも

夢は夜ひらく

セリフ

「あんなにつらかったわてらの恋も、親方はんは許してくれはった。

あとは包丁の修行を積んで一人前のおんなになることや。ええな。

こいさん」

過去はどんなにつらくとも

夢は夜ひらく

「力石さん。フ」

霞は私からマイクをとりあげた。

「なに?」

「いつキスしたらいいの?」

「今」

ぐを。

マイクが衣服にこすれる音が共鳴して彼と私はキスをした。

ヒメノ式ベストINDEXへもどるG角川文庫刊・レンタル「不倫」 より・・・この「夢は夜ひらく」はたくさんの人がカバーしていますが、作品にでてくるのは藤圭子(宇多田ヒカルの母親)のものですね。実際にどうだったのかはわかりませんが、不幸を背負った影のある美人の代名詞でした。しかしこの曲は実に替え歌になり易い。よく「○○は夜ひらくぅ」とか・・・ん?・・・わ、わたしはやりませんよぉ。