08月
| 『魔法』クリストファー・プリースト(早川書房)1995.12出版 |
爆弾テロのまきぞえを食って重傷を負い、それに先立つ数週間の記憶を失ったまま療養所に入院していたリチャード・グレイのもとに、彼の別れたガールフレンドと名乗る女性スーザンが訪れる。 しかし彼には彼女の記憶がなかった。どうやら記憶を失った期間に出会い、別れたらしい。彼女と改めてつき合っているうちに失われた記憶が少しずつ蘇ってくるが...
私が敬愛するSF作家の一人、プリーストの最高傑作と噂される1作。今まで積んどいてごめん。っていうか、積んどいた事を思いっきり後悔させてくれて、ありがとさん。
2人の出会いである、南仏プロヴァンスを舞台にしたラブストーリが延々と続いくあたりは、どーしようかと心配になっちゃいましたが、その後、彼と彼女の記憶の食い違いが目立ち始め、そして後半、話はとんでもない展開を見せる。
帯にも書かれているのでネタバレにはならないと思うが、これは他人に気づかれにくい、目立たない人の体質が極端化したような人種、つまり結果的に「透明人間」の話である。
ま、レストランに行って、いつまでたっても注文を取りに来て貰えない人とか。ちょっと違うか。
そして、「これまで書かれた中で最も奇妙な三角関係の話し」になっていくんですが、さらなるドンデン返しが待っていたりする。
以下ネタバレ-------
このメタ・フィクション的オチが必要かどうか、納得いくかどうかは微妙なところですが、メタは新本格系作家に散々食い荒らされた後なので、今更驚きはしないけど(うーん、出版当時に読んでいれば...)、これだけ豊穣で摩訶不思議な物語の果てのメタというのは贅沢なメタです。
日本の尻の青い作家連中の書く、1アイディアとしてのメタ構造のみに寄りかかった小説もどきとは、レベルが違う。
なにより物語として面白い、という違いですね。
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プリーストはどんどん売れて欲しいもんです。まだ未訳が残ってるらしいので。
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| 『まほろ市の殺人 春』倉知淳(祥伝社文庫)2002.06出版 |
その筋ではそうそうたるメンバ四人による、架空の都市、真幌市を舞台にした中編ミステリの競作シリーズ。
もちろん、期待度は麻耶>倉知>有栖川>我孫子の順。
まずは「春」。軽いユーモアミステリはいいとしても、伏線が親切すぎて、トリックがバレバレだよん。 ま、バレバレでもトリックがそれなりのレベルなら許せるが、これまた(いろんな意味で)軽い。 んー、短編を水増しして中編に仕立てました、って印象。
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| 『まほろ市の殺人 夏』我孫子武丸(祥伝社文庫)2002.06出版 |
おお。意外ときっちりとまとまったサスペンスで、連城三紀彦あたりが書きそうなネタ。
目新しくはないし、最後はバタバタしてるけど、これはもうちょっと長くても良かったかな。
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| 『まほろ市の殺人 秋』麻耶雄嵩(祥伝社文庫)2002.06出版 |
相変わらずヒネくれてます。
この「探偵役と犯人と視点人物」の関係はちょっと斬新。ただ、「それだけ」ってのがちょっと寂しい。
ミステリとしての骨格は、こじんまりと破綻なくまとめました、ってところも、ちょっと寂しい。
それに、キャラ設定や会話などのユーモア風味と、チラチラと見え隠れするシリアス部分のバランスがどうも座りが良くない。この不安定感は意図的かな。
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| 『まほろ市の殺人 冬』有栖川有栖(祥伝社文庫)2002.06出版 |
ミステリ短編アンソロジと言えば、必ずと言って良いほど顔を出している作者らしく、この長さとしては手際良くまとめられた幻想的なサスペンス。
ま、オチは強引すぎて、ツッこむ気にもなりませんが。
2時間ドラマの原作として使ったら、面白いドラマができそうな...んー、2時間ドラマにはちょっと複雑すぎるか。
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4冊いずれも、この架空都市である必然性が無いのが惜しい。せっかくこの競作の為に準備された街の詳細な地図や、街の歴史の設定を利用して、もっと遊んで欲しかった。 それとこの長さだと、シリアスな話では、やはり肉付けが足りなくて中途半端さが目に付くし、短編として割り切るには高いし。 4冊合わせてもボリューム的には普通の文庫1冊分くらいで、1600円なのに...微妙にコストパフォーマンスが悪いシリーズです。
で、結果は意外。我孫子>有栖川>麻耶>倉知の順でした。ちゃんちゃん。
| 『樹海伝説−騙しの森へ』折原一(祥伝社文庫)2002.06出版 |
樹海の森の奥深くに棲む作家が、家族を斧で惨殺し失踪した。 数年後、事件を究明するため、若者が一人で樹海に分け入り遭難。 そして今、学生サークルのメンバーで恋人同士の男女二人が興味半分で、若者が遺した克明な手記を手に樹海に足を踏み入れる...
このボリューム(中編)、しかも作者お得意の手記形式の叙述ミステリ。 これなら、作者のここ最近の贅肉の付き過ぎた作品より、初期の頃のようなシンプルな「驚き」が堪能できるかな、と期待したんですが。
相変わらず全く感情移入できないキャラは、ま、いいとして、この作者の手癖だけで書かれたような、捻りの無い話はいったい...読了した瞬間、どこか大事な箇所を読み飛ばしたかと、思わず確認しちゃいましたよ(笑)
ま、この作者でなければ「ホラー風サスペンス、ちょっと叙述的隠し味あり」として、そこそこの出来とは思うが、表紙ウラの「過去と現在が恐怖に共鳴し錯綜する、驚愕のミステリー」は大袈裟すぎやしませんかね。JAROに言いつけますよ。
それと1箇所重大な誤植ハッケン。400円だからって手を抜くなよ。
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| 『寺田寅彦は忘れた頃にやって来る』 松本哉(集英社新書)2002.05出版 |
物理学者かつユニークな随筆家であった寺田寅彦を扱った本は何冊か読んではいるが、 いずれも古い本なので文体的にキツイのと、論文的なお堅い内容で彼の魅力を十分引き出しているとは言えなかった。
あ、ちなみに「天災は忘れた頃にやって来る」で有名な人です(笑)
「電車の混雑」理論も面白い。
この本は、寺田寅彦の随筆をネタに、今の視点から解りやすい文章で書いたエッセイ。というか、著者が彼の随筆を読んだ感想文かな。 で、確かに著者の寺田寅彦に対する愛情は感じられるけど、 この新書シリーズの性格上しょうがいないとは言え、ツッコミが浅すぎる。
既に寺田寅彦を知っている人には物足りないし、知らない人にはその魅力が十分伝わらないような。 うーん、本として微妙だな。ま、売れてるらしいけどね。ふむ。
ま、いまだに寺田寅彦の入門書としてトップの座に君臨してるのは『帝都物語』っちゅーことか(笑)
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| 『ある日どこかで』 リチャード・マシスン(創元推理文庫)2002.03出版 |
脳腫瘍であと半年足らずの命と診断された脚本家リチャードは、旅の途中、 格式あるホテルで75年前の女優エリーズのポートレイトに心を奪われ、彼は時間旅行を試みるが...
『地獄の家』などで一般的にはホラー作家扱いされている作者だが、これは甘いぞ。もう甘いなんて生やさしいもんではない。 チュッパチャップスにグラニュー糖をまぶして、さらに「小倉あん」をてんこ盛りにしたくらい「あまーい」ラブストーリだ。 ちなみに私にはもちろん、甘すぎて、治療済みの虫歯がうずくくらいだ。 ま、宝塚の舞台にもなってるそうで、さもありなん。
1980年に製作された映画(主演はクリストファー・リーブ(笑))の方は、小品だけどいまだカルト的人気を持ってるらしい。 うん、確かに遊びも有って面白かった。
で、やっと翻訳されたこの原作なんだけど...このゆったりとしたテンポは... ま、十九世紀末の優雅さを表現したかったのかも知れないが、 現代の基準からすれば、というか私の許容範囲を越えてる。
プラス「大甘」だ。2重苦だな。
ま、元々SF風ストーリとしては、目新しいものではないので、 たとえこれで展開を早くしても、ハーレクィーンとかにもありそうな、単なる捻りのないシンプルなSF風ロマンスになっちまうわけで、 それだと、なーんの特徴も無くなってしまう。ま、元々そんなに器用な作家ではないしね。
類似の小説は、それこそ綺羅星のごとく名作が目白押しなだけに、ちょいときつい。 やはり、デヴロー『時のかなたの恋人』(おすすめだ)程度の甘さに抑えて欲しいもんです。
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| 『心とろかすような』 宮部みゆき(創元推理文庫)2001.04出版(親本1997.11) |
元警察犬、今は探偵社の飼い犬マサが語る事件簿。
犬の視点からのみ語られる構成は、実はけっこうスゴイと思うが、そう思わせないところは、もっとスゴイ事かもしれない。
安心して読めて、ちょっとホロリとさせられるミステリがお好きな方はどーぞ...って、私は何様だ。
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| 『白夜行』 東野圭吾(集英社文庫)2002.05出版(親本1999.08) |
ふぅ。大河ドラマやね。
この20年にも渡る2人の男女を巡るドラマは、様々な人の視点から語られる長い物語だが、キーとなる2人の視点からは 一切語られない。 彼らは第三者からの視点を通してのみ描写される。 よって、彼らの心理描写も一切無い。さらにこの2人が会話はおろか同じシーンにさえ出ていない点。 ここらへんは宮部みゆき『火車』に通じる気もする。
もはや私的には、「新刊が出るとそそくさとハードカバーを買って即読む」という作家ではなくなってしまったが、 やはり、ある一定レベル以上は保証してくれるので、文庫に落ちれば読んでしまうし、今回も実際読んでみて、 長さを感じさせない巧さ・伏線の緻密さは「さすが」と言わざる得ない。うー満腹満腹。
ま、伏線とは言っても、トリックなどが出てくる本格ミステリではなく、人間関係のジグソーパズルの妙ですが。
余談だけど、この分厚い本を1/4ほど読んで、あまりの登場人物の多さに、しかも今後ますます増えていく事が予想された為、ちょー久々にメモりながら読んでみた。 で、それなりの役割を与えられた(セリフの有る)登場人物が39人だった。どーだヒマだろ。
ま、『三国志』には負けるか(笑)
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| 『ヴェトナム戦場の殺人』 デヴィッド・K・ハーフォード(扶桑社ミステリー文庫)2002.03出版 |
ベトナム戦争の最前線。 人間が集団として生活している以上は、死と隣り合わせの状況でも犯罪は起きる。 カール・ハチェットは合衆国陸軍の犯罪捜査官として、基地内部で発生した犯罪を捜査するのが任務だった...
ベトナムの戦場を舞台にした謎解きミステリ中篇三作をまとめた作品集。
ま、謎解き自体は軽めのものだし、中編集なので重量感には欠けるが、つかみが上手いのでストーリにすんなり入れるし、主人公への感情移入のさせかたがスムーズ。
どうやらベトナム戦争がトラウマらしいアメリカのことだから、こういう小説も既に有るのかと思ったら、どうやらそうでもないらしく、本国でも評判だそうな。確かに新鮮だ。
人命の尊さや戦争の狂気、母親の愛などが大袈裟にではなく、さりげなく語られる点は好感が持てるし、 ベトナム戦争映画で多い必要以上の苦悩も無ければ、 アメリカ人が大好きな「米国は常に正しい!」的なスタンスでもないので、そういうのに辟易している人には、このニュートラル感は心地よい。と思う。
ただ、やはり食い足りなさは残るね。
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| 『混成種-HYBRID-』 カシュウ・タツミ(角川ホラー文庫)1994.04出版 |
学界から異端視されている黒田博士の発明「金属植物」は、画期的であるにもかからわず、学界やマスコミから全く相手にされなかった。 黒田は、金属植物「チップ」を代用神経として使うことを思いつき研究を重ねた。 実験が進むにつれ、黒田は妄想と狂気のはざまに入りこみ、ひとつの想いに捕らわれていった...
ま、笑ってやってください。アイディア自体は、少年誌あたりに連載されていそうなネタだけど面白いんだし。短いし(笑)
でも、たかが8年前の本(たかがじゃないか)がこれほど陳腐化してしまって、「本」としていいのか。 ま、バイオホラーの火付け役『パラサイト・イブ』より1年早い、ってのが唯一のウリか。 個人的には『パラサイト・イブ』より好きだけど。
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| 『そして二人だけになった』 森博嗣(講談社ノベルス)2001.11出版(親本 新潮社 1999/06) |
世界最大級の海峡大橋を支える「重し」である巨大なコンクリートの塊“アンカレイジ”。 その内部にシェルターとして極秘に作られた「バルブ」と呼ばれる空間に、科学者、医者など6名が集まった。 トラブルから完全密室と化したバルブ内で起こる連続殺人。最後に残ったのは、盲目の天才科学者と彼のアシスタントだった。真犯人は二人のうちのどちらなのか...
もちろん、舞台はハイテク施設内とは言え、クリスティの某有名作品をなぞった展開を見せるわけだが、 実は作者の初期作品の硬質さ加減が好みだったりするので、この本の雰囲気も嫌いではない(うーん、表現が素直じゃないな(笑))
メインネタも前例は有るとは言え、処理の仕方はうまい。ま、実現性は置いといて。 でも、この長さが必要だったのかどうかは、また別問題だし、オチがね。今更「多重人格もんかい!」で、ありきたり過ぎ。 どんでん返しの連続技をやってみたかっただけ? 元々は作者初のハードカバー、初のノンシリーズだったわけで、力みすぎた?
そしてエピローグ...は、そこまでの「新本格ミステリ」的な流れを全否定するかのように、唐突な「逃げ」を見せる。
こういうのを「文学的」とか「詩的」だとか喜ぶ読者と、それを見てほくそ笑む作者、の図。ってところでしょうか。 うーん、作者がマジでそこらへんを狙ったのなら...さぶい。 で、「見たて」の外国童謡に何か意味が有ったのでしょうか。良く解りません。誰か教えてください。
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| 『凍える島』 近藤史恵(創元推理文庫)1999.09出版(親本1993.09) |
相変わらず詩のように、1センテンス毎に切り取って額にでも入れておきたくなる文章。
かといって必要以上に装飾されているわけではなく、むしろシンプルといっても良い文体。
ストーリは、孤島での連続殺人事件もので、前例有りすぎの手垢に汚れきったもんですが、 この文体で語られると...新鮮じゃん!
ま、落とし所もミステリのネタ的には前例が有るけど、その使い方と後処理はとてもスマァト。 (作者の表記をマネてみました。ウザイけど)
うーん、やはり人間が一番トリッキーってことっすか?
ま、「相変わらず」って言ってもこれは作者のデビュー作...デビュー作でこの水準!これはおすすめ。でも哀しい話よ。
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| 『白光』 連城三紀彦(朝日新聞社)2002.03出版 |
主婦の聡子は、カルチャースクールに通う妹から4歳になる娘を預かるが、彼女を家に残し外出している間に殺害され、 庭に埋められているのを発見される。 当初、娘と一緒に家で留守番をしていた痴呆症の義父が疑われるが、不審な男が家を出入りしていたという目撃者が見つかり、事件は複雑な様相を示し始める...
人間のドロドロした部分をえぐるように描写するクライムノベルも最近は多いけど、 大半は、ある種のデフォルメとも言えるマンガチックな演出を加えることによってリアリティさを微妙に「はぐらかし」、 ある一定以上のヘビーさを読者に与えないように工夫しているのが主流ですね。 その結果、読者はそこそこの感情移入で、他人の不幸を楽しめる。
しかし、この本のように作者一流のしっとりした端正な文体で、こうも淡々と 救いのない、むき出しの悪意を突きつけられると、読んでいて閉塞感が...
物語は基本的には、2組の夫婦間で実は誰が誰を愛して、誰が誰を憎悪しているか、 という全ての順列組合せをパターンとして提示してみました、という感じ。 要は人間関係のパズルね。
作者の初期作品に多い、飛び道具スレスレといえるアクロバティックなロジックと文学的な表現の融合再び! を期待するとちょっと肩透かしをくう。 ま、その初期作品にしても、 確かに驚くべきトリックやロジックが提示されているのに、 その文体のあまりの「しっとり」具合に、さらりと読み流してしまい、その凄さに気づかない。 という欠点(欠点か?)が有った訳だが(笑)
でも、関係者の証言によって真相が2転3転していき、 こうもクルクルされると、現実感が段々無くなって、幻想小説的な雰囲気さえ漂ってくるあたりは、さすがですね。
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| 『死んでも治らない』 若竹七海(光文社カッパノベルス)2002.01出版 |
17年間勤めた警察を辞めた大道寺圭は、かかわったトホホな事件を書き綴った「死んでも治らない」を出版するが、 この本がきっかけで次々とおマヌケな犯罪者が現れて、大道寺は妙な事件に巻き込まれていく...
ライト感覚のハードボイルド5作からなる連作短編と、 各編の間に、主人公が警察を辞めるキッカケとなった事件の書き下ろし短編を小分けにして挟み込んであり、 最後まで読むと人間関係の全体像が見えてくると言う構成。
短編自体はユーモアものとしては良くできているし、表題作のミステリ的趣向も面白い。 ただ、構成としては、今回はあまり成功してない。
イッキ読みしないと途中で細かい部分を忘れてしまうし(笑)、 各短編の登場人物が微妙にクロスしていくんで、「これは例のあれかな」と期待したんですが、結局ほとんど意味が無かったので、ちょっと膝カックン。 普通の連作短編のままで良かったような。
ま、デフォルメされているとは言え、これだけイヤな人間(主に女性)がゾロゾロ出てくるのに、この読後感の良さは、この作者ならではか。
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