頂きます

 

以前、テレビを見ていたらシマウマを捕らえるライオンの画像に

対して、クレームが来ているという記事を目にした事があります。

 

たしかに、シマウマにかぶりつき血だらけになりながら、

内臓をむさぼり食らうライオンの絵というものは、

見る人にとっては不快を表すものである事は理解できます。

しかし、ここで考えたいのはライオンは決して興味本位や

自分本位でシマウマを殺したのではなく、

あくまで自分が生き延びる為に、食料としてシマウマを

食らったまでの事という事です。

 

昨今では一昔前より、子供たちに対して

ショッキングな映像や画像を遠ざける風潮があります。

確かに、猟奇的な事件が多い最近ではそのような

風潮が蔓延する事は理解できるのですが。

しかし、その為に人に限らず生きしける全ての生き物は、

他の生物の生命を搾取する事によってその生命を維持している

という根本的な事を忘れかけているようにも思えるのです。

現在の地球上の食物連鎖の相関上、最上位に位置する

人間ですから、誰かに殺される関係は一番薄いわけです。

だからこそ、人間と言えどこの食物連鎖の中で

生きているという事すら忘れかけてしまっていると思うのです。

 

ライオンはシマウマを襲い、

鷹はウサギを襲い、

イルカはイワシを襲います。

 

その光景は確かにショッキングかもしれませんが、

それが普通であり、それが自然なのです。

 

可哀想。

その感情は非常に大切で、非常に高貴なものだと思います。

しかし、その感情がどこか他人事に感じられるのです。

人間がその悲惨な食物連鎖の枠から外れて、

どこか違う次元で発言しているかのような。

 

スーパーで並んでいる、牛肉、豚肉のパックも形は違えと同じ事なのです。

これは生きていく為にはしょうがない事であり、

その悲惨な食物連鎖の中で、人間すらも生かされている

に過ぎないという現実を再認識する場だと思うのです。

 

俺は釣りをしますし、釣った魚を自分で調理したり

しますから、朝、海を普通に泳いでいた魚が、

夜の食卓に並ぶような時には非常にこの現実について考えさせられたりします。

人間に限らず、生物は食事をしないと死んでしまいます。

ですから、食べる事は決して悪ではないのです。

 

ですから、日本人は食事の前にはそっと手を合わせて

「頂きます」と言うのです。

 

目の前の食材の命に向かって、あなたの命を「頂きます」と。

 

 

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