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〜隻眼〜 1 一つの目。片目。 2 ものを見抜く眼識。すぐれた識見。また、独自の見識 Yahoo辞書より引用
我が家の熱帯魚の中に、コリドラスという小型のナマズの仲間が居ます。 ナマズとは言ってもとても小さく、口ひげが生えているのにおぼちょ口で、 愛嬌があって、観賞魚として人気のある魚なのです。 その中の一匹が、片目なのです。片方の目玉が丸々無く、 何時からか怪我でなくしてしまったのか、元々生まれつきなのか、 我が家に来た時点でその様相だったので、詳細は良く分からないのですが。
そのように、生きていく上で非常に大きなハンデを 背負いなかがらも生きている彼が居ます。 水槽の中で、苦労もせずに餌をもらえる環境があるとはいえ、 多数の魚が生息しエビなども居る環境です。 水質的な問題、魚の健康維持などの要因で、餌は極めて少なめで 与えるのが魚を飼うときの基本です。 生きる力が弱い魚が餓死してしまったり、いじめられて弱って死んでしまうなんて ことはざらにある環境です。小さいながらも弱肉強食の世界が繰り広げられているのです。
この隻眼のコリドラスも例外ではありませんでした。 買ってきた当初は、片目の宿命でしょうか?同じ場所をグルグルと回り、 目が見える方へ方へと泳いでいくのです。 当然ながら、餌に中々たどり着けません。 餌を落として与えても、見えない目の方に落ちてしまうと気がつかない事も多々ありました。 正直、買ってきた当初はそう長くは持たないかな。と思いました。 残念ながら、このコリドラスのみを単品飼いする余裕もありませんでしたし、 このコリドラスに餌がいきわたるように大量に餌を投入すれば、 下手をすれば水質悪化で全部の魚が死んでしまいます。 それ以前に、健康な魚が食べすぎで死んでしまいます。 俺の中では、弱肉強食の世界だから、そんな言い訳で納得させていました。
しかし、彼はその数ヶ月後、水槽の中でも1,2を争うほど大きな魚へと変貌を遂げました。
彼は生きる知恵をつけたのです。
まず、餌の投入は周りの魚のざわめきで察知します。 そして、餌の見つけ方は自分がグルグル回る半径を徐々に大きくしていき、 魚の中でも1,2を争うほど早く餌場にたどり着きます。 他の魚は餌場へ一直線へ向かう中で、そのコリドラスだけはグルグルと 円を書いてたどり着くわけです。必然と、横から体当たりするような格好となります。 始めは自分より大きな魚に弾き飛ばされてばかりでした。 しかし、彼は諦めませんでした。自分の技はそれしかないとばかりに、 繰り返し繰り返し、体当たりをしてははじき飛ばされ、他の魚の食べ残しにありつき、 そして体当たりを繰り返し。 いつしか、彼は餌場のヌシとなりました。 体が大きくなればなるほど、体当たり負けしなくなり、さらに餌を食べれる量が増え、 悪循環はよい循環へと激変しました。
両目が見える魚達は餌を食べる事に対して、何の知恵も働かせなかったのです。 しかし、その隻眼のコリドラスだけは色々と考え、試行錯誤をして、 そしてまさに身を削る努力で餌をとる方法を考えたのです。 水槽の中で、一番のハンデを背負っていたはずのそのコリドラス。 一番弱いはずだった、その隻眼のコリドラスはその弱さを克服すると同時に、 誰よりも強くそして賢い魚へと変貌したのです。
2 ものを見抜く眼識。すぐれた識見。また、独自の見識
その隻眼のコリドラス。 誰よりも生きるという意味を見抜いていて、優れた識見を持っていたということです。
人一倍大きくなった、隻眼のコリドラスは今日も我が水槽の中で優雅に泳いでいます。
相変わらず、円を描くように大きく大きく傾きながら。
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