自動車関係・その他
(小説)魂の駆動体(ハヤカワ文庫 760円)
著者/神林長平
初版発行/2000年3月15日
 この物語は、運転し走ることを目的とした「クルマ」が失われ、単なる移動システムとしての「自動車」が支配的となった近未来で、運転することを目的とした「クルマ」を設計する老人たちの話と、人間は絶滅し翼人たちの世界となった遠い未来に遺跡から発見された「クルマ」の設計図を元にそれを作り出そうとする人々の話の2部に大きく分かれている。
 1部の内容は少々独特の(?)SF臭さはあるものの、クルマ好きなら思わずほくそ笑んでしまうようなマニアックな世界が繰り広げられる反面、現在の環境重視の世界から考えてあながちあり得ない話で無いところにちょっと危機感を感じながら読んだ。2部は遠い未来の話のはずなのだが、「草創期のクルマの開発者たちはこうやって開発したんだろうなぁ」という内容で、結構読んでいて引きつけられた。
 基本的にはSF嫌いの私だが、この作品は多少SF独特のまどろっこしさや首を傾げたくなるような設定はあるものの、ストリー的には大変おもしろく読んだ。と同時に今後のクルマ社会や自分のカーライフについて考えさせられる作品であった。「クルマ」好きを自認するなら是非読んでいただきたい作品。
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