かめさんのトランス工房

素人が手探りで巻いた自作トランスのお話です、絶縁とか耐圧など不明の点が一杯です、あくまでも参考程度にして頂いて、より完全な物に挑戦して頂きたいです。ここに書いたことは私の単なる体験と、作例は経験に基ずいた計算値ですから、あくまでも自己責任で挑戦して下さい。

なお、当サイトの無断転用はしないで下さい。

トランスの製作例目次へ

真空管アンプの中で重要な部品であって、その割に単純な構造の物なのですが、最近は自作したいと言う話しはときに聞く事が有りますが、自作したと言う話は余り聞きません。

一つ言えることは、トランスなんて物は大小が有るだけで単に鉄芯に銅線を巻き付けただけで鉄と銅の塊みたいな物で有ると言うことです・・・・。なぜ皆さんが手を出さないのか不思議ですが、要は面倒そうで買った方が手っ取り早いの一言でしょうか。

実際に巻いてみると、自分の好きな仕様の物が出来るので、今まで考え込んで仕舞うような球も気楽に使える事に成りました。
作品集の中に、25HX5パラSEPPVT-25シングルのトランスカバーを外した写真があります。
Ep―Ip特性を撮ったカーブ・トレーサー・アダプタも特殊仕様のトランスが3個使ってあります。(内部写真をご覧下さい)

既成のシャーシーと既成のトランスを使うと、どうしても変化に乏しく成る様に感じるので、シャーシーと共に自作に挑戦して見ました。   

巻きあがったOPTとPT
(OPTにはCS―20型アモルファス・コアを2個、PTにはCS―160型Z材コア1個使用の例)

材料の調達

鉄芯、電線、絶縁材、端子、仕上材
関東変圧器材(TEL 0471-76-7011)
オヤイデ電気(03-3253-9351または03-5684-2151)
に相談すれば良いでしょう。両社とも通販に応じてくれます。

道具

巻線器、ワニス含侵用具
MJ無線と実験2000年6月号に記事があります。

端材で作った巻線機(長さは凡そ80cm)

 

ワニス含侵用の広口ビンとアスピレーター
(下部の金属物体がアスピレーター)

わにすの仕様と容器(画面をクリックすると拡大できます)

製作例 (1.と2.は実践した訳で無く同種の物を参考に計算しただけです)

1.先ずはヒータートランス

2.6L6 A級PP用パワートランス

3.SEPP用のマッチングトランス
32Ω:4-8-16Ω
48Ω:4-8-16Ω
72Ω:4-8-16Ω
128Ω:4-8-16Ω
200Ω:4-8-16Ω
256Ω:4-8-16Ω
256Ω:6Ωor8Ω

4.SEPP用パワートランス

最初はヒータートランス程度の単純な物で腕試しをしましょう。

カットコアが大きさの目安が付け易く、且つ高性能(Z材でいわゆるオリエントコア)なので、これを調達します、CS-xxの様になっておりxxの部分の数字が容量の大体の目安となります、上手に巻くと30%増しも可能です。
仮に6.3V×2で3Aの容量の物とすればCS-40が最適です。
価格は@\600前後で調達できると思います。これに締め付け用のバンド@\150位、その他シャーシーに取り付けるための台座も・・@\100位。〆て@\850程度

電線はポリウレタン被服銅線(UEW)が一般的ですが、耐熱度がやや高いポリエステル被服銅線(PEW)も有ります。価格は1Kg単位で¥1,700〜¥2,000位で太さによって変わります。
使う線の太さは2.5〜3.0A/平方mmが一般的の様です、銅線数値表があると便利です。
この表を使えば安全電流、最大仕上外径の他、1周当りの長さを想定し巻線の長さを計算することで、必要な量と仕上がり総重量、直流抵抗値等の概算を計算することが出来ます。
前記の関東変圧器材、秋葉原のオヤイデ電気(ラジオデパートの前)で出してるので貰いましょう!。

巻数の計算
1次巻数=1次電圧×10^8/4.44×断面積×磁束密度×周波数で計算します。
上記仕様のヒータートランスで計算すると1次巻数が800回となります。
2次巻線は6.3×8×1.06で53.4回ですが半端は切り上げるか切り捨てるかはお好みです。
(1.06は損失を補償する為で5%乃至7%位で良さそうですが、この例の場合無負荷では6.7V、全負荷では6.1V位に低下します。巻線抵抗の概略計算値は1次10Ω、2次0.1Ωです)
この巻線が2回路となります。

使用する銅線の太さ
1次に流れる電流が0.4Aですから、銅線数値表で適合する物を見つけます、今回は1個のカットコアの両翼にコイルを巻くのでコイルが2個になり並列接続で使いますので、線材は半分の0.2Aに耐える物が必要で0.30か0.32mmφに成ります。なお、この場合1次直列2次並列で即200V仕様に成る筈です。
太いに越したことは無いのですが、巻き上がったコイルがコアに収まらなく成らないとも限らないので、次項の要領で検証して慎重に見極めます。
勿論片翼にコイルを1個で巻く事も出来ますが出来あがりの見てくれがアンバランスに成ります、或いはコアを2個でコイルを1個も可能です。

2次線は上記同様1.5Aに絶える0.8〜0.85mmφに成ります。

コイルがコアに収まるかの検証
巻数と線材の太さが計算出来たところで、これで巻いたコイルがコアにすんなりと収まるのかを検証します、折角巻き上がっても収まらなければ水の泡に成ります。
CS-40型のコアの窓面積は15×56mmです、巻幅が最大56mmですが両端に余裕が要りますから、ここまでは巻けません、巧く巻いたとして50mmでしょう、1次線の0.32mmφの仕上がり太さは、電線表から0.357mmですから800回×0.36mm/50mmで5.76=6層になり、層積は2.16mmとなります。
2次線は0.85mmφとすると53×0.9/50で0.9=1層、これが2段です。0.9×2で1.8mmですね。

電線その物の層積は2.16+1.8=3.96mmですから、使用可能窓の厚み15/2=7.5mmには余裕が3.5mm有りますから十分な絶縁を施す事が可能です。

巻芯、巻枠
コイルを巻くのには枠になるものが必要です。巻き枠は薄くて丈夫な材料が必要です。プレスボード、プレスパン、ファイバーと呼ばれてる紙を主体にした材料(前記オヤイデ電気で調達可能)が一般的ですが、ボビンも売られています。私はボビンを使わずに巻いています。
巻枠材が調達出来ると今度は巻線器に取り付ける為の巻芯です。材料は木です、木工が得意な人には何でも無いでしょうが私は苦手です、寸法精度がシビヤーです、小さすぎても大きすぎても巧くないです。コアの断面にすっと入り且つ空間が少ないのが良い物です。
CS-40コアの断面は13±0.6、×35±0.5mmですから現物合わせが良いです。長さは56mm以上有れば良しとします。なを、斜めに割を入れてコイルを抜く時に楽に抜ける様にします。
更に巻軸を通す穴をあけておきます。

芯が出来たら枠の材料を巻きつけます、材料が硬いですからあらかじめ鋭角に曲げておくとなじみやすいです。幅はコアの窓一杯より0.5mmほど狭いほうが良さそうです。ボビンを使えばこれは不用です。

巻軸と巻枠に巻芯、 上のらせん状の物はカウンター接続用自在ジョイント

巻線
先ず層間と巻線間に入れる絶縁紙{私は主にマイラーフィルム(前記オヤイデで2〜4uで\1,000)を使ってますが、巻線間には薄手のプレスボード、クラフト紙、層間にはパラフイン紙、トレーシングペーパーなども使います}を所定の幅55.5mmに裁断します。長さは長いままにしておき必要の都度切断します。

端材で作った絶縁材裁断用器具と定規(長さ凡そ50cm)

私の場合、巻く線の太さに合わせて0.025mmから0.15mm厚までを使い分けていますが、今回の例では全体の層数が少ないので、余裕が有りそうですから全て0.1mm厚で良いでしょう。
Bトランスの様に高圧巻線で総層数が多くなるときは高圧巻線の層間には薄い物を、巻線間には厚めの物をと使い分けないと絶縁層が嵩張ってコアに収まらなく成る恐れが有ります。また、回路数が多い場合も同様です。

最初に0.1mmの絶縁材をを3〜5層巻き付けて、いよいよ巻初めです、0.32mmφの電線の先端を5cmほど出して粘着テープ(ビニールテープは伸びたり耐熱度の点から避けてマイラーテープ若しくはノーメックステープが良い、何れもオヤイデ電気で調達可能)をU字状にして電線を5mm程挟み上下を張りつけ残り15mmくらいで巻枠に張りつます、カウンターをゼロクリアーして、いよいよ巻線の開始です。

先ず1周するするまでは脇に注意して端から1.5mm〜2mmくらいで巻軸に対して直角を心懸けながら慎重に巻きます。巻始めの線を止めたテープが剥がれない様に先端を引っ張りながら巻きつけます。一周が終わったらやや強目に引きながら2〜3周巻いて剥がれとめテープが下敷きになってほぐれない事を確かめ,左右のぶれなどが無いかを確認し、良ければ巻線器の中間に取りつけた巻位置調整用台に線を指で押さえながら、引きの強さを加減します、更に巻位置を探ります。やや手前(巻き始め方向)に寄せて巻進みます。

もう一つの巻き始め方法は巻軸に対して平行に一気に反対側まで伸ばして、その上にテープを張りつけ直角に曲げて巻き始める方法も有ります。どちらを選ぶかは線の太さと得手不得手の問題でもあります。

兎に角線と線の間隔が詰まって、且つ乗り上げない様に巻きます,したがって線の太さにも依りますがひーふーみーよ−で最初は5〜7回くらい、上部巻線では15〜20回くらいなど適当な回数を巻いたら位置をずらします、ずらせばまたひーふーみーよー。
巻芯に近い下になる部分は巻枠の角が鋭く乗り上げ易いですから早めに位置をずらします。巻径が大きく角が鈍角に成る上層ではずらすのが緩慢で良くなりスイスイと言う感じです。乗り上げてしまったら戻ってやり直します。
この辺りのことは習うより慣れろのことわざが通用する世界です。何度かやっている内に早く確実に出来る様努めましょう。

一層が終われば層間紙を挟みます。仮に右から巻き始めたとして左に行きついたら層間紙(1重)を入れて次ぎの層に掛かります。
後は右から左、左から右を繰り返し、所定の巻数を巻ききりますが、ここで最終の端子処理です。最終5回くらい前でU字状の0.1mm絶縁材の切れ端を入れて、残りの5回で押さえ込みます、所定巻数が巻き終わって切断した電線の端を袋状の輪の中に通して双方を引っ張りしっかりと固定します。緩みを防ぐためにマイラーテープで押さえて置くことも有効です。

絶縁紙を最初と同様3〜5枚重ねに成るように巻き付けて、2次線を同様の手順で、2回路分巻けば巻線は終わりです、2次巻線相互間の絶縁紙は2重で十分でしょう。最後に最上層に再度絶縁材を巻き付けます。

後1個同じ物を巻けば巻線作業は完了です。

端子板の取りつけ
出来たコイルから巻芯を取り外し、コアを仮に嵌めて見ます,無理無くがた無く嵌れば、端子処理です。
端子型にするかリード出しにするかですが、これはお好みで・・、端子板もリード線止め板も前記関東で調達できますが、私はネジやさんで買ったラグ端子を巻枠材に植え込んでラグ端子型に仕上ています。
どちらにせよ板状の物ですから、粘着テープ(和紙で出来たペンキ塗り用の養生テープが丈夫です)でしっかりと止めます。この時端子板の裏側部分には巻芯材など厚めの絶縁材を当てておきます。このあと電線を半田付けしてその上からクラフト紙などでお化粧して終わりです。

コアを嵌めてバンドで締めれば取り敢えず出来上がりです。なお、全てが終わってコアを嵌める時にはコイルの脇とコアの間にマイラーフィルムを2枚入てコイルとコアとの間の耐圧を確保します。

ワニスの含芯
加熱、ワニス含侵に移るわけですが、それに先立ちテスト通電をします。
2個のコイルを並列に繋ぐ訳ですが全く同じコイルを2個巻いて使う場合左右のコイルの端子で位相が逆になります。同じ場所に出した端子を単に相互に繋ぐのでは無く、相互に反対側の端子を接続します。
フューズを通して通電して見ます,フーズが飛ぶことが有れば並列の接続が逆位相になってる可能性がありますから点検します。
唸りが出るのはコアの嵌め方が巧くかみ合っていないとかカット面に異物が付着していないかを点検します。
2次側の電圧が予定通りかを確かめます。巧く行けば乾燥ニス漬けに移ります。ワニスはオヤイデでは1リットル\1,300です。

好き好きですがコアを嵌めたままニス漬け、外してニス漬け、如何様にでもOKです。
ただし、コイルのみニス漬けをする場合にはコアは別途錆止め塗装、カット面は綺麗にしてグリスなどを塗布して置きます。

加熱は私の場合適当な抵抗を2次につないでその発熱で行っています。上から植木鉢を被せて2〜3時間放置してやっと触れそうな温度に成ったら通電を止めて、ニス含侵に移ります。加熱は乾燥のほか電線、絶縁材のストレスをほぐす効果もあるので温度は有る程度高い方が有効でしょうが高過ぎると絶縁材を損傷する事も無きにしも有らずで、程ほどにしています。

含侵には広口ビンと理化学実験用の真空道具のアスピレーターを使っています。アスピレーターは神田駅前の高野理化で売ってます、¥3,000程です。広口ビンには焼き海苔が入ってました、廃物利用です!Hi、・・・・ ・
水道水の圧力で真空を作り出すので引火性のワニスにも安心して使えます。
広口ビンの蓋に穴を開け、穴を開けたボルトをパッキンを介して取りつけて、これにガス用ホースが繋がる様にしてあり、これを通じてアスピレーターに接続してあります。(上の写真を参考にして下さい)
ホースにはバンドが必須です、また、ビンと蓋の所で空気漏れがしやすいので使用時にはビニールテープで目張りをします。水を流して真空度が上がってくると泡が勢い良く出てきますから、目安となります。

後はワニスの乾燥を待つだけです。 巧く出来れば本格的なPTに挑戦しましょう。

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6L6 A級PP用のパワートランスに挑戦   (ページ先頭へ)

ヒータートランスが巧く巻けたら引き続いて、本格的なアンプに使えるやや大型の物に挑戦しましょう。
ここでは音が良いと言われる、6L6のA級PPステレオに使える物を取り上げて見ました。
6L6のA級ステレオに使えるB電流が300mA級とも成ると、手頃な市販品は皆無に等しく、汎用を狙ってB電圧が高すぎたり、ヒーター用巻線が過剰容量とかで重量が嵩みます。
プレート電流をたっぷり流して使うA級アンプを断念せざるを得ないのが現状では無いでしょうか。
ここではこの様な悩みを解消すべく比較的小型軽量なPTと言う事で設計して見ました。(出来あがり予想重量3.0〜3.2Kg)

6L6のA級PPの規格を見ると
自己バイアス Ep 270V Esg 270V Rk 125Ω Ip 134〜145mA Isg 11〜17mA RL 5KΩ 出力18.5W
と出ています。固定バイアスの場合はバイアス電圧が-17.5VでIpMaxが155mAと成っています。

ステレオ構成ですから電流値が倍に成ります、従ってB回路の総電流は最低限300mAを要します。(前段も含めて340mAで計算します)
先ず整流に球を使うか半導体を使うかですが、整流管1本で済ませるには無理が有りそうですから、ここではシリコンダイオードを使うことにしましょう。

そこで総電力を計算してみましょう。
先ず必要な巻線です、B巻線とヒーター巻線です。
整流直後に必要なB電圧はプレート電圧270V+バイアス18V+アウトプットトランス(OPT)の電圧降下+フイルタの電圧降下で、OPTの直流抵抗がPP間で120Ωとして凡そ4.2V、フィルタに直流抵抗60Ωのチョークを使うとして凡そ20Vに成ります。これらの合計が312Vに成ります。
312Vを得るには312/1.25で250Vの交流入力が必要になることが判ります。(1.25はシリコン整流器を使う条件での仮定です)
チョークを廃して半導体のリップルフイルタを使う向きには電圧低下が少ないので10Vほど低いAC240Vで巻数などを再計算して下さい、ただし半導体の保護目的で56オームを入れるとすれば、チョークを使う場合と同様250Vで良いでしょう。

ヒーターは6L6が4本で3.6A、前段が6AU6などの5極管、位相反転に6FQ7若しくは12BH7Aを使うとして、1.8Aが要り合計5.4Aを要することと成ります。

250V×2×0.34A=170VA  6.3V×2×3Aで37.8VAの巻線が要ります、総容量は208VAですね。これに損失分を6%加えて220VAの容量のトランスに成ります。

コアの選定ですがCS-200が適合です。CS-160でも巧く巻けば収まりそうです、計算は両方でやって見ましたが,無理をしない方が良いかも
コアの価格はCS-200が1.89Kgで\1,400、CS160が1.51Kgで\1,200見当です。

CS-200型コアで1次巻数を前出の式で計算すると380回とでます。B巻線は500×3.8×1.06で2014回と成ります。
ヒーターが6.3×3.8×1.06で25.37ですが端数の巻数はあり得ませんので25回ですが、配線の電圧ドロップを寄寓される向きには26回(概略計算値は6.4V)が適かも。

では、線径の選定です、1次電流が2.2Aで半分の1.1Aに耐える線径を電線表で見てみます、2.5A/平方mmでは0.75mmφ、3Aでは0.70φと出ています。
B巻線用は340/2で0.17Aですね、0.28〜0.30mmφが適合です。ヒーター用は1.5Aですから0.85または0.8mmφですね。

これらが判ったところでヒータートランスでやった様に検証して見ましょう。
CS-200の窓は83×25mmです、1次が380×0.798/77で3.94=4層ですが巻具合に依っては5層にも、でもコアに余裕が有りますから5層に成っても気にせずに進めましょう。
いっそのこと0.8mmφで巻くのも良いでしょう。(0.8mmφだと380×0.852/77で4.2=5層で気楽)
B巻線が0.29mmφを使うとして20
14×0.324/77で8.47=9層です。6.3Vが25×0.904/77で0.29ですね、この場合1層で2回路分を左右に巻きます。

層積は1次が5×0.798で3.99mm、B巻線が9×0.324で2.9mm、ヒーターが0.904、総計7.8mmと出ます。
層積の限度は25/2で12.5mm有りますから、余裕たっぷりの4.7mm有り、余ほどラフな巻き方をしない限り収まります。
1次線を0.8mmφで巻けば余裕が4.43mmで、結果からして1次線を1段階太くした方が良いと言う結果が出ます。

ついでにCS-160で巻けないかを検証して見ましょう。
1次巻数は475回です。B巻線が2518回、ヒーターが32回となります。

475×0.798/77で4.922=5層、2518×0.324/77で10.6=11層、32×0.36=1層
5×0.798=3.99mm、11×0.324=3.56mm、それに0.904、総計8.5mm 12.5-8.5で余裕が4mmで如何にか収まる水準です。鍵は1次巻線の4.922が5層で巻き切れるかに掛かっています。
我ぞと思われる方はどうぞ。(ここの写真に写っているPTは同じコアで同じ線で474回で満杯に成ったので妥協しました)

巻線ですが1次に付いてはCS-200に有っては4層でも5層でも可、CS-160であれば是が非でも5層に収めるか、多少発熱が多くなるのと2次電圧が僅かに低下するのを承知で0.70mmφで巻きましょう。
本来は線径によって電圧変動率にも影響しますがA級アンプが故に変動率は問題に成りませんね。

1次線が巻き終わったら絶縁材をヒ―タートランスの時と同じ様に巻きつけます。PTの場合通常ここで静電シールドを施します。銅箔若しくは薄い銅板を巻きつけます。
ここで気を付けなければいけないのは銅箔または銅板の両端をショートさせないことです、重ね合わせ部分には絶縁材を挟みこんで上下が接触しない様にします。
勿論シールド材は1重でOKです。シールド材にはアース端子に接続するためのリード線を半田付けしておきます

静電シールドが終わったら再度絶縁材を巻きつけて、B巻線を巻きます。途中でタップを出しますから引き出し線の場所は端子板の配置を考慮して巻き始めます。今回はセルフバイアス用で計算しましたが、最低限センタータップは必須です。
なお、B巻線の途中で挟む絶縁紙は薄手の0.05mm厚が良いでしょう。

固定バイアスも試して見たい向きにはタップを多く出します。まず、ここ侭の回数で巻くとバイアス分だけプレート電圧が高く成ってしまいますから整流後抵抗で電圧を下げるか、適当な電圧のタップを出します。またバイアス電圧を得るためのタップも要ります。

セルフバイアスと同じ条件で動作させるには、バイアスス分だけ電圧を低くします。AC250Vのところを235Vにします。バイアス用タップは25V位で良いでしょう。

ではB巻線の巻順とタップを出す巻き数です。
250V-235V-25V-0-25V-235V-250Vの7端子に成ります。25Vは片側だけでも良いですが、折角自作するのだから両波整流が出来るようにしましょう。

250V-235V間から巻き始める訳で、先ず60回巻いた点で235Vタップ、907回巻いた点で25Vタップ、1007回の点でセンタータップ、1107回の点で25Vタップ、1954回の点で235Vのタップ、最後2014回で最終処理をします。
CS-160を使う時には順に75回、1133回、1259回、1385回、2443回で最終が2518回と成ります。

なお、CS-160を使う時に窓の余裕が潤沢とは言えないので、自信の無い向きには、静電シールドを廃して代わりにヒーター巻線を1次巻線とB巻線の間に巻き込む事も嵩減らしには有効です。(巻線間の絶縁層が1個減ります)

タップは輪状にして捻って出しますが隣の線などとレアーショートなどを起こさない様にマイラーテープなどで保護します。

絶縁材を先ほどと同じく巻きつけて、次ぎはヒーター巻き線です。巻数が少無く且つ巻き線間の電圧差が少ないので同一層に2巻線を離して巻ます。真中を開けて両端に巻けば良いでしょう。

最後に上層の絶縁材を巻きつければコイル1個は巻終わりです。1個のコイルだけでもコアに嵌め込んでテストはできます。成功すれば同じ要領でもう1個を巻けば巻線完了です。

後の要領はヒータートランスと同じですからここでは省略します。ここをクリックして端子板の取り付けです。
ご健闘のほどを!。 あとがきへジャンプ      

SEPP用マッチング・トランス巻         (ページ先頭へ)

お断り:このトランスは小型、高効率、高耐力を狙って目一杯の巻線をしていますからある程度巻線に自信がついてからの挑戦が宜しいかと思います。場合によっては巻数を減らすとか、一段階細い線に変える事で巻き易くする事も必要かも知れません

48Ω:4-8-16Ωのマッチング・トランス。

第3には現在進行中のアンプ用のMTの実例です。
なお、同様なMTでやや対比が多い物を使ったアンプは25HX5パラSEPPで実証済みで、好結果を得ています。

球を使ったOTLアンプは球アンプファンには欲しい物の1台ですが、電源回路が大袈裟で複雑になることが多くて、作りたいが中々手が出せないのが歯がゆいところです。
その上大型で、重くて、更に発熱が馬鹿に成らないと思います。スピーカーのインピーダンスは時代とともに低い方に移行しており16Ωから8Ω、最近では6Ωが台頭してきており、球OTLに取っては益々厳しい環境に成って来ています。

そこで考え付いたのがマッチングトランスを使ってスピーカーとアンプのインピーダンスを無理無く整合させることでした。とは言ってもインピーダンス比が通常のアンプ程大きくては、その良さが失われる様に思い出来る限り対比を小さくするようにしました。

使う球は安価で豊富なTVの水平出力管とします。このアンプの場合は48Ω:4―8―16のマッチングトランスを使うことします。なお、小型で済ませるため巻線は1次巻線に2次巻線をも利用するオートトランス方式を採用します。
コアはCS―20型のカットコア(@¥450〜¥500)2個を使い、所定の太さの電線が所定の巻回数が巻き切れるかを下の表に基ずいて検討して有ります、 出来上がり重量は凡そ1.2Kgです。

巻数は次の様に計算します
4Ω:48Ω √48/4=3.464   仮に4Ωを120回巻いたとすれば48Ω巻線は416回です。計算値は416回ですが実際には404回としたのは電線の直流抵抗などで計算上の対比だけではインピーダンスが決まりません、ここでは1次に対する2次の巻足しを3%見込みました。4Ω:8Ωは √8/4=1.41 120×1.41≒170で 4-8Ω間は170-120=50回とします。以下同様です。
4Ω巻線の巻数をいきなり120回と決め付けましたが、基の計算はヒータートランスの所で出てくる計算式で電線の層積率を勘案した結果で決めてあります。

計算上の耐量は負荷を8Ωにした場合60W/30Hzを見込んでいますが、アンプの方が現在製作中ですから検証はできていません。(性格上負荷を4Ωではこれより小さく16Ωでは大きくなります)  
単体での周波数特性は1W時 10Hzで-0.2db 100KHzで-1db 200KHzで-3dbで、途中の凸凹は殆ど有りません。

50KHzの入出力波形は下の写真の通りです(上が入力で下が出力です)拡大可

32Ω:4-8-16Ω

48Ω:4-8-16Ω

72Ω:4-8-16Ω

128Ω:4-8-16Ω

一番厄介なのが巻線構成ですが以下のようにしました、少し複雑過ぎる嫌いが有る様にも思います。

巻線方法などは1.のヒータートランスを参照して下さい。

巻線

巻数 線径 外径

巻幅(層数)

層積

8-16Ω巻線の半分

35 0.55×2 0.592 35*0.592*2/44≒1.0 0.592

0-4Ω巻線の半分

60 0.70×2 0.746 60*0.746*2/44≒2.0 1.492

16-48Ω巻線の半分

82 0.50 0.542 82*0.542/44≒1.0 0.542

4-8Ω巻線の半分

25 0.8×2 0.852 25*0.852*2/44≒1.0 0.852

16-48Ω巻線の半分

82 0.50 0.542 82*0.542/44≒1.0 0.542

0-4Ω巻線

120 0.70 0.746 120*0.746/44≒2.0 1.492

16-48Ω巻線の半分

82 0.50 0.542 82*0.542/44≒1.0 0.542

4-8Ω巻線の半分

25 0.8×2 0.852 25*0.852*2/44≒1.0 0.852

16-48Ω巻線の半分

82 0.50 0.542 82*0.542/44≒1.0 0.542

0-4Ω巻線の半分

60 0.70×2 0.746 60*0.746*2/44≒2.0 1.492

8-16Ω巻線の半分

35 0.55×2 0.592 35*0.592*2/44≒1.0 0.592

合計

688    

11段14層

9.532

以上の様に全11段に巻きました。お判りの通り0―4Ωの真中の1巻線を除いて全て半分巻で上下の巻線を直列接続します。
その上で更に並列接続です。之は上層に巻いた物と下層に巻いた物の直流抵抗のバランスを取るためです。
なお、上の表で線径の欄に×2と有るのは2本の電線を並べて巻くことを意味します。

結果的に0―4Ω巻線は0.70×3を120T、4―8Ωは0.8×2を50T、8―16Ωは0.55×2を70T、16―48Ω巻線は0.50×2を164Tです。

更にこれらを0-4-8-16-48Ωに成るように直列接続します。
トランスとしての合計巻数は404Tです。
電線の太さが0.50φ、0.55φ、0.70φ、0.80φと4種を使いますが電流耐量と巻幅を勘案した結果です。
この種トランスは間歇使用が原則ですから電流耐量は極端で無い限り問題外でしょうが、直流抵抗が伝送効率に大きく影響します。

注:ここの品種を含め他に付いても、負荷インピーダンス欄に注が付されている巻線では安全電流を少々突破する物が有りますから、測定時などで長時間最大出力で使うと過熱の恐れも有りますから、間歇的に行う必要が有ります。

出力耐量は、2次側の負荷インピーダンスに依って耐量(許容最大出力)が変動します。
凡その耐量は下の通りです。

負荷インピーダンス 16Ω注
コア耐量(30Hzでの計算値) 52W 63W 80W

巻線の順と端子板配置

巻線   48-16Ω   8-16Ω   4-8Ω   0-4Ω 
    48Ω   16Ω    8Ω    4Ω    COM
外部端子◎    ◎    ◎    ◎    ◎
    |    |    |    |    |
    +―+  +@ +―+  +―++   |
    | |  || | |  | A|   |
    B |  || | |  | ||   |
    | |  || | C+ | ||   |
    | D  || |  | | ||   |
    | |  || |  | | |+―E―+
    | +F―+| |  | | |    |
    |    || |  +G+ |    |
    +―――H+| |      |    |
          | |      +――I―+
           +J+            .
中間端   ○ ○   ○    ○   ○ (等分配置)

○内の数字が巻線の順次と端子盤に対しての引き出し線の位置を
示しています。                     . 

@を最初に右から2番目の位置すなわち16Ω端子と8Ω端子の間に
引き出し線が出るような配置で巻き、A・・Jと順次巻機重ねる。 

なお、B、D、@、C、Aは端子板の方から巻き始め、巻き終わ
りの引き出し線は端子板の反対方向○印に等間隔で出します。 .
H、F、J、G、Iは先に巻いた同種巻き線の巻き終わり線の引
き出し位置○印から巻き始めます。Eは巻き始め巻き終わり共外
部端子側に出します。                  ・ 

中間点に当たるBとH、DとF、@とJ、CとG、AとIの夫々
の巻き終わりと巻き始めは上下の同種巻き線の引き出し線は空中
接続でも端子接続でもOKです。             . 
        (写真はこの通りには成っていませんが・・・)

上記表の通りコイルの総層積が9.5mmで余裕が3.5mmですからCS-20型コアに収まります。

32Ω:4-8-16Ωのマッチング・トランス

巻線

巻数 線径 外径

巻幅(層数)

層積

8-16Ω巻線の半分

32.5 0.60×2 0.644 32.5*0.644*2/44≒1.0 0.644

0-4Ω巻線の半分

55.5 0.75×2 0.798 55.5*0.798*2/44≒2.0 1.596

16-32Ω巻線の半分

46 0.45×2 0.490 46*0.490*2/44≒1.0 0.490

4-8Ω巻線の半分

23 0.8×2 0.852 23*0.852*2/44≒1.0 0.852

16-32Ω巻線

92 0.45 0.490 92*0.490/44≒1.0 0.490

0-4Ω巻線

111 0.75 0.798 111*0.798/44≒2.0 1.596

16-32Ω巻線

92 0.45 0.490 92*0.490/44≒1.0 0.490

4-8Ω巻線の半分

23 0.8×2 0.852 25*0.852*2/44≒1.0 0.852

16-32Ω巻線の半分

46 0.45×2 0.490 46*0.490*2/44≒1.0 0.490

0-4Ω巻線の半分

55.5 0.75×2 0.798 55.5*0.798*2/44≒2.0 1.596

8-16Ω巻線の半分

32.5 0.60×2 0.644 32.5*0.644*2/44≒1.0 0.644

合計

609    

11段14層

9.740

以上の様に全11段に巻きました。お判りの通り0―4Ωの真中の1巻線と16-32の一部を除いて半分巻で上下の巻線を直列接続します。
その上で更に並列接続です。
巻数が半端の0.5回は端子板引き出し線と中間接続引き出し線を互いに反対位置で引き出します。

結果的に0―4Ω巻線は0.75×3を111T、4―8Ωは0.8×2を46T、8―16Ωは0.60×2を65T、16―32Ω巻線は0.45×4を92Tです。

更にこれらを0-4-8-16-32Ωに成るように直列接続します。
トランスとしての合計巻数は314Tです。

出力耐量は、2次側の負荷インピーダンスに依って耐量(許容最大出力)が変動します。
凡その耐量は下の通りです。

負荷インピーダンス 16Ω
コア耐量(30Hzでの計算値) 49W 63W 80W

他に付いては48Ω:4-8-16Ω物と同様ですから、省略します。

72Ω:4-8-16Ωのマッチング・トランス   本品を使った作品例

巻線

巻数 線径 外径

巻幅(層数)

層積

8-16Ω巻線の半分

35 0.55×2 0.594 35*0.594*2/44≒1.0 0.594

0-4Ω巻線の半分

60 0.70×2 0.746 60*0.746*2/44≒2.0 1.492

16-72Ω巻線の半分

130 0.32×2 0.357 130*0.357*2/44≒2.0 0.714

4-8Ω巻線の半分

25 0.8×2 0.852 25*0.852*2/44≒1.0 0.852

16-72Ω巻線の半分

130 0.32×2 0.357 130*0.357*2/44≒2.0 0.714

0-4Ω巻線

120 0.70 0.746 120*0.746/44≒2.0 1.492

16-72Ω巻線の半分

130 0.32×2 0.357 130*0.357*2/44≒2.0 0.714

4-8Ω巻線の半分

25 0.8×2 0.852 25*0.852*2/44≒1.0 0.852

16-72Ω巻線の半分

130 0.32×2 0.357 130*0.357*2/44≒2.0 0.714

0-4Ω巻線の半分

60 0.70×2 0.746 60*0.746*2/44≒2.0 1.492

8-16Ω巻線の半分

35 0.55×2 0.594 35*0.594*2/44≒1.0 0.594

合計

880    

11段18層

10.224

以上の様に全11段に巻きました。お判りの通り真中の0―4Ωを除いて半分巻で上下の巻線を直列接続します。
16-72Ω巻線は第3層と第9層、第5層と第7層を夫々直列接続します。
その上で夫々の巻線を並列接続をします。

結果的に0―4Ω巻線は0.70×3を120T、4―8Ωは0.8×2を50T、8―16Ωは0.55×2を70T、16―72Ω巻線は0.32×4で260Tです。

更にこれらを0-4-8-16-72Ωに成るように直列接続します。
トランスとしての合計巻数は500Tです。

コアとコイルの隙間に余裕が有りませんから、巻線に当たっては努めて彎曲しない様に巻きます。また、巻幅が目一杯になります。

出力耐量は、2次側の負荷インピーダンスに依って耐量(許容最大出力)が変動します。
凡その耐量は下の通りです。

負荷インピーダンス 16Ω注
コア耐量(30Hzでの計算値) 49W 56W 70W

他に付いては48Ω:4-8-16Ωの物と同様ですから、省略します。

128Ω:4-8-16Ωのマッチング・トランス

巻線

巻数 線径 外径

巻幅(層数)

層積

8-16Ω巻線の半分

35 0.55×2 0.594 35*0.594*2/44≒1.0 0.594

0-4Ω巻線の半分

60 0.60×2 0.644 60*0.644*2/44≒2.0 1.288

16-128Ω巻線の半分

210 0.40 0.439 210*0.439/44≒2.0 0.878

4-8Ω巻線の半分

25 0.70×2 0.746 25*0.746*2/44≒1.0 0.746

16-128Ω巻線の半分

210 0.40 0.439 210*0.439/44≒2.0 0.878

0-4Ω巻線

120 0.60 0.644 120*0.644/44≒2.0 1.288

16-128Ω巻線の半分

210 0.40 0.439 210*0.439/44≒2.0 0.878

4-8Ω巻線の半分

25 0.7×2 0.746 25*0.746*2/44≒1.0 0.746

16-128Ω巻線の半分

210 0.40 0.439 210*0.439/44≒2.0 0.878

0-4Ω巻線の半分

60 0.60×2 0.644 60*0.644*2/44≒2.0 1.288

8-16Ω巻線の半分

35 0.55×2 0.594 35*0.594*2/44≒1.0 0.594

合計

1200    

11段18層

10.056

以上の様に全11段に巻きました。お判りの通り真中の0―4Ωを除いて半分巻で上下の巻線を直列接続します。
16-128Ω巻線は第3層と第9層、第5層と第7層を夫々直列接続します。
その上で夫々の巻線を並列接続をします。

結果的に0―4Ω巻線は0.60×3を120T、4―8Ωは0.7×2を50T、8―16Ωは0.55×2を70T、16―128Ω巻線は0.40×2で210Tx2を直列で420Tです。

更にこれらを0-4-8-16-128Ωに成るように直列接続します。
トランスとしての合計巻数は660Tです。

出力耐量は、2次側の負荷インピーダンスに依って耐量(許容最大出力)が変動します。
凡その耐量は下の通りです。

負荷インピーダンス 4Ω注 16Ω
コア耐量(30Hzでの計算値) 45W 50W 57W

なお、16-128Ω巻線は巻幅が目一杯になります。また、コアとコイルの隙間に余裕が有りませんから、努めて彎曲しない様に巻きます。
16-128Ω間の所定巻数を確保する為に0-4Ω間の線径が細めの設計に成っています、その為に4Ωで使用する場合連続で長時間の使用が制限される他、ここの直流抵抗が1次側に影響し1次インピーダンスがやや増加します。効率も低下傾向になります。

他に付いては48Ω:4-8-16Ωの物と同様ですから、省略します。

200Ω:4-8-16Ωのマッチングトランス  (使用コア CS-16型2個)

インピーダンスを比較的高くしたので、適合する球も多数を並列にしなくても済む代わりに扱う出力が少なくなるので、小型化を図った。
コアはCS-16型を2個使います。耐力は25W/30Hzで、重量はおよそ940gです。
使用球のターゲットは6G-B3A(T)/12G-B3(T)、25E5(T)/6CM5(T)、50H-B26(T)/25HX5(T)、6R-A2、6R-A3、5998/A/421Aなどです。

巻線

巻数 線径 外径

巻幅(層数)

層積

8-16Ω巻線の半分

35 0.45×2 0.49 35*0.49*2/34≒1.0 0.490
16-200Ω巻線の1/3 193 0.32 0.357 193*0.357/34≒2.0 0.714

0-4Ω巻線の半分

60 0.55×2 0.592 60*0.594*2/34≒2.0 1.184

16-200Ω巻線の1/3

193 0.32 0.357 193*0.357/34≒2.0 0.714

4-8Ω巻線の半分

25 0.60×2 0.644 25*0.644*2/34≒1.0 0.644

16-200Ω巻線の1/3

193 0.32 0.357 193*0.357/34≒2.0 0.714

0-4Ω巻線

120 0.55 0.592 120*0.592/34≒2.0 1.184

16-200Ω巻線の1/3

193 0.32 0.357 193*0.357/34≒2.0 0.714

4-8Ω巻線の半分

25 0.6×2 0.644 25*0.644*2/34≒1.0 0.644

16-200Ω巻線の1/3

193 0.32 0.357 193*0.439/34≒2.0 0.714

0-4Ω巻線の半分

60 0.55×2 0.592 60*0.592*2/34≒2.0 1.184
16-200Ω巻線の1/3 193 0.32 0.357 193*0.357/34≒2.0 0.714

8-16Ω巻線の半分

35 0.45×2 0.490 35*0.49*2/34≒1.0 0.490

合計

1518    

13段22層

10.104

256Ω:4-8-16Ωのマッチング・トランス  (使用コア CS-16型2個)

インピーダンスを比較的高くしたので、適合する球も多数を並列にしなくても済む代わりに扱う出力が少なくなるので、小型化を図った。
コアはCS-16型を2個使います。重量はおよそ940gです。
使用球のターゲットは6G-B3A(T)/12G-B3(T)、25E5(T)/6CM5(T)、50H-B26(T)/25HX5(T)、6R-A2、6R-A3、5998/A/421Aなどです。

巻線

巻数 線径 外径

巻幅(層数)

層積

8-16Ω巻線の半分

35 0.45×2 0.490 35*0.490*2/34≒1.0 0.490

0-4Ω巻線の半分

60 0.50×2 0.542 60*0.542*2/34≒2.0 1.084

16-256Ω巻線の1/4

150 0.40 0.439 150*0.439/34≒2.0 0.878

4-8Ω巻線の半分

25 0.65×2 0.694 25*0.694*2/34≒1.0 0.694

16-256Ω巻線の1/4

200 0.40 0.439 200*0.439/34≒2.6 1.317

0-4Ω巻線

120 0.50 0.542 120*0.542/34≒2.0 1.084

16-256Ω巻線の1/4

200 0.40 0.439 200*0.439/34≒2.6 1.317

4-8Ω巻線の半分

25 0.65×2 0.694 25*0.694*2/34≒1.0 0.694

16-256Ω巻線の1/4

150 0.40 0.439 150*0.439/34≒2.0 0.878

0-4Ω巻線の半分

60 0.50×2 0.542 60*0.542*2/34≒2.0 1.084

8-16Ω巻線の半分

35 0.45×2 0.490 35*0.490*2/34≒1.0 0.490

合計

1060    

11層20段

10.01

以上の様に全11層に巻きました。お判りの通り真中の0―4Ωを除いて半分巻で上下の巻線を直列接続します。
16-256Ω巻線は全て直列接続します。

結果的に0―4Ω巻線は0.50×3を120T、4―8Ωは0.65×2を50T、8―16Ωは0.45×2を70T、16―256Ω巻線は0.40を700Tです。

更にこれらを0-4-8-16-256Ωに成るように直列接続します。
トランスとしての合計巻数は940Tです。

出力耐量は、2次側の負荷インピーダンスに依って耐量(許容最大出力)が変動します。
凡その耐量は下の通りです。(連続音などでの長時間稼動は避けてください、巻線の部分過熱の恐れが有ります)

負荷インピーダンス 16Ω
コア耐量(30Hzでの計算値) 25W 27W 30W

 

256Ω:6Ωまたは8Ωのマッチングトランス(小型簡易巻線型) (使用コア CS-16型2個)
32Ω、48Ω、72Ω、128Ω:4-8-16Ωのマッチング・トランスは小型で高耐力を狙い、占積率を上げるために2本の線を並べて巻く事や巻線上下の電流バランスを取るために複雑な巻線構造をしております。
インピーダンスを比較的高くしたので、適合する球も多数を並列にしなくても済む代わりに扱う出力が少なくなるので、小型化を図ったことと、簡易に巻ける様にと負荷側のインピーダンスを6Ωと8Ωに限定した物を巻いてみました。
コアはCS-16型を2個使います。耐力は25W/30Hzで、重量はおよそ850gです。
使用球のターゲットは6G-B3A(T)/12G-B3(T)、25E5(T)/6CM5(T)、50H-B26(T)/25HX5(T)、6R-A2、6R-A3、5998/A/421Aなどです。

50KHzの入出力波形は下の写真の通りです(上が入力で下が出力です)拡大可
やや物足りない感じですが、小型で簡易巻線ゆえ止むを得ないかも。

表の下がコア側で下の方から順に巻いて6Ω用の130回が最上層

巻線

巻数 線径 外径

巻幅(層数)

層積

1次巻線(6Ω用)

130 0.35 0.387 130*0.387/34≒2.0 0.774

2次巻線

150 0.40 0.439 150*0.439/34≒2.0 0.878

1次巻線(8Ω用)

175 0.35 0.387 175*0.387/34≒2.0 0.774

2次巻線

150 0.40 0.439 150*0.439/34≒2.0 0.878

1次巻線(8Ω用)

175 0.35 0.387 175*0.387/34≒2.0 0.774

2次巻線

150 0.40 0.439 150*0.439/34≒2.0 0.878

1次巻線(8Ω用)

175 0.35 0.387 175*0.387/34≒2.0 0.774

2次巻線

150 0.40 0.387 150*0.439/34≒2.0 0.878

1次巻線(8Ω用)

175 0.35 0.387 175*0.387/34≒2.0 0.774

2次巻線

150 0.40 0.387 150*0.439/34≒2.0 0.878

合計

1580    

10段20層

8.26

巻線の接続  2次巻線を全て並列の接続、1次巻線は全て直列に接続、更に2次側相当巻線も直列に接続します。
8Ω用の4巻線の終わりを負荷が8Ωの為の端子としてPRI端子板に接続、
更にここに6Ω用巻線を直列に接続して一方の引き出し線を負荷が6Ωの為のPRI端子に接続する。
トランスとしての巻数は6Ωでの1次側0.35mmφが830回+150回で980回、8Ωで700回+150回で850回、2次側が0.40mmφを150回が5パラと成ります。端子はCOM、SEC、PRI6Ω、PRI8Ωとして、使用に当てって負荷インピーダンスは1次側で切り替えます。

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4.SEPP用パワートランス巻き           (ページ先頭へ)
3.でマッチングトランスが出来たので、今度はパワートランスに挑戦です。

終段に使う球はカソード電流耐量が大きく、プレートがベース引き出しのテレビ水平出力管、17KV6A若しくは17JG6Aを使います。
プレート許容損失は17KV6Aは28W、17JG6Aが17Wで大分違いますが、プレート電圧を低く使いますので問題は有りません。
この球のヒーターは16.8V0.6Aと成っているので6本直列点火であれば、100Vで直接点火出来るのですが、今回はパラレルSEPPステレオ形式で使うので必要な本数は8本です。
したがって内6本は100V直接点火で、残り2本はパワートランスから供給します。

プレート電圧は130V、スクリーングリッド電圧が180Vと変則使用です。変則使用の例はフッターマンH-3にその例がありますが、問題点も指摘されており、これのデッドこピーを再現する物ではありません。

必要な電源は±130V、±280V、6.3V2A、16.8V1.2Aです。パワートランスに必要な巻線は105Vで1A以上と100V0.1A以上が2巻線、16.8V1.2A、6.3V2Aです。単純に合計すると260VAになります。

コアはどの大きさを使うかですが、取り敢えずCS-160型が使えないかを検証して見ます。
(片側すなわち半分で計算しています、このコイルが2個で1つのトランスに成ります)

巻線

電流容量

巻数

線径

外径

層数

層積

1次 1.2A 474 0.75 0.798 474*0.798/77≒5 3.99
6.3V 1.0A 31 0.26×8 0.294 31*0.294*8/77≒1 0.294
105V 1.0A 520 0.70 0.746 520*0.746/77≒5 3.73
16.8V 0.6A 84 0.40×2 0.439 84*0.439*2/77≒1 0.439
95V 0.1A 468 0.30 0.337 468*0.337/77≒2 0.674
合計 130.8VA 1577    

14

9.127

上記表の計算結果からして苦しいですが、不可能ではない事が判ります。
必要とする巻線の内少々手心を加えてあるのが100V巻線です。100Vを得ようとすると2層プラスαと成って少しのプラスαであっても1層余分に巻かなければ成らないので2層で収まるところで妥協します、この巻線がスクリーングリッド電源の嵩上げ用で必ずしもこの電圧を要求する訳で無いので95Vと半端では有るのですがこれで良しとします。

後一つ2次側容量が130VAあるので本来1次側には効率を考慮した場合5%〜6%程度の上乗せが必要で1.4Aの電流に耐える巻線が必要です。しかし終段の動作は深いAB級に成らざるを得ないSEPPでは常時フルに電流が流れる訳でも無いので必要とする太さよりも1段階細い線を使うことにします。

この状態で総層積を出すと表の通り9.127mmと成ります。CS-160型のコアの窓は25×83mmと成っており、層積はその半分の12.5mm以内に収める必要があります。12.5‐9.127=3.373で厳しい状態です。

全体が大きくて重い物になりますから巻枠もしっかりした物が必要で、1mm厚のファイバーを使うことにします。
この1mmを差し引くと残りが2.373mmですね。

巻線回路数が5回路で最下層と最上層の絶縁を含めて絶縁層が6層、これに0.1mm厚の絶縁材を3重に使うと1.8mmに成ります。更に層間が全部で9層有ります。これには0.05mm厚を1重で0.45mmのスペースが必要になります。

2.373‐2.25mmで残り0.123mm!、厳しい〜〜。でもご安心下さい!、コアの窓の誤差がプラス誤差で現物を測って見ると1mmくらいは多くなっています。今回はこの誤差に助けられてどうやら巻けます。

兎に角巻いて見なければ判らない式で強行します。
早速つまずいたのが1次線、計算では475回を5層で巻ける筈があと1回が・・・、しかた無しに474回で妥協。
巻ほぐして気合を入れて巻けば巻けないことも無さそうなですが、下層では電線の巻き癖が強く出て再利用が難しいのであきらめました。

1次が巻き終わると本来は静電シールドを入れる訳ですが、その為に絶縁層が1層多くなります。
これを避けるためにここに6.3V巻線を巻くことで、その役割を受け持たせることとします。

この6.3V巻線にも嵩減らしの工夫をします。電流が1Aですから本来必要とする線径は0.7mmは要ります。しかし、そんな余裕も有りませんし巻数がたったの31回、31回を0.7mmφの線で巻くと巻幅が0.3層で終ってしまいます、残りはスペース巻で余分な空間で穴埋めすることに成ってしまいます、そこで細い線を多数パラレルで巻いて幅を広く、嵩を少なくする工夫をします。本来0.7mm線を巻くところを0.26mm線を8本パラにする事で目的を達します。しかし、8本を並べて一気に巻くのは骨が折れますから2本パラを4回路巻いて引き出し端子で並列接続をします。
なお、この巻線は静電シールドの役割を持たせて居ますから、巻幅一杯にすることに意義も有ります。したがって一端をアースに接続します。

16.8V巻き線も同じ考え方ですがこちらは単なるパラ巻きで嵩減らしです。

もう1個のコイルを巻いて2個をテープで止め1個に纏めます。その上で端子板付け、結線、乾燥、ニス浸けと進みます。これに付いては1.のヒータートランスと同じです。

1次側巻き線、6.3V巻き線、16.8V巻き線は何れも並列接続をします。この時接続を勘違いに気を付けます。念のため100V巻き線は片側の巻き線にだけ電源を入れて残りの巻き線の片側だけを電源を入れる方に繋いで電圧を確認すると良いでしょう。
誤って、2個の巻き線が直列接続なってしまって居る両端を繋ぐとショート状態になりますから・・・。
2次巻き線も同様確認します。105V巻き線は直列接続で、95V巻き線は夫々単独で使います。

標準では寝かせて取りつける為の台座が無いようなの、でアルミ板(T=1.5)を加工して写真の様な金具を作りました。これをバンドでコアと共に締め付けると完成です。

仕上がり重量は3.2Kg、大きさは135×92×76mmです。

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あとがき

いざ自作しようと思っても、材料の購入先が不明、一体どうやって巻いたら良いのやら、さっぱり見当が付きません、巻いた後の処理を如何するのかも・・・・。

最初は出物のトランスを壊してコアを取り出す事もやって見ましたがコアとコイルを同時にニス含侵がして有りコアが容易には抜けません。
最初は茨城から購入しましたが、種類が限られている上、高価なので他を当たって居たところ、友人がコア屋さんを見つけて呉れたので渡りに船で飛びついたものです。

巻線には巻線機が欠かせませんが、これは木製です、半柱その他の端材を集めて作りました、完全手動巻線機です!。カウンターは大昔のテープレコーダー用のものの改造品で友人から頂きました。

巻線数の算出法は武末数馬氏の著書「OTLアンプの設計と製作」(ラジオ技術社昭和34年刊)から学びました。

ワニスの含芯に使う真空容器に圧力鍋を想定したり、真空ポンプも当たって見ましたが遊びに使うにしては高価過ぎます、掃除機も考えましたがブラシモーターが使われてる公算が大で引火性のワニスを使うのには危険が伴います。
かくしてパソ通でアスピレーターを知り、真空容器に手近に有った焼き海苔の入っていた広口ビンを使って見たら、これで十分用が達せるので愛用することになりました。

上に書いたように実際に巻き始めるまでには相当の日時を費やしました。今回私が集めた資料や作った器具類をご披露し、私が経験した苦労を味合うことなくトランス巻を楽しんで頂くためにこのページを作りました。
是非挑戦してみてください、アンプ作りに熱が入ること請け合いです。   K.ame


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