映画、ビデオ BSデジタル そして競馬、なんでもありの柏木の玩具箱です
女の子ものがたり
家族の用事で県庁所在地へ、その第二弾。塵も積もれば山となる〜。先刻慌ただしく席に着く直前、無料鑑賞券が一枚発券されたので。一本目の「僕たちのワンダフルデイズ」に続き、男女の差はあれど青春の友情なお話を見ることに決定。
こちとらの田舎は山の中で、海は改まって遊びにゆくところだったけれど。母親の再婚で小学校高学年の菜都美が暮らすことになった町の風景が、いちいち胸にしみるのはなぜだろう。
どうなることかと思ったけれど、とりあえず今のところは……。盛装で披露宴に参列して、こんなふうに思いながら拍手をしたことってありませんか。郵便受けから晴れやかな文面の葉書を取り出した瞬間、一抹の不安が胸をよぎったことは?
その最初から破局が透けて見える結婚て、確かにあります、存在します。菜都美のともだち、きみちゃんもみさちゃんもあんなに愛らしいのに可愛いのに、いい子なのに何でだよぉ、何でそんなに自分を大事にしないんだよぉ。
今、巷を騒がせている三十半ばの容疑者たちのようなことをしでかせとは言わない。でもあらゆる意味で「女」であることを唯一のよりどころ・武器として世の中を渡ってゆくなら、「男」と名のつくものはいちいちきちんと踏み台にしていって下さいお願いします。
これは、あなた方やあなた方がかっこいいとあこがれていた先輩、あきねえちゃんのようなものを残念ながらさっぱり持ち合わせていなかった、元女の子からのお願いです。
菜都美にはあった、描くことに替わる何かがあれば、それを教えてくれる誰かがいれば、きみちゃんもみさちゃんもあんなふうにはならなかったのかも。
最初に菜都美と仲良くなったのは、きみちゃんとみさちゃんなのに。転校生の菜都美に親しげに声をかけ自分たちのグループに誘うのは、クラスでいけてる子たちのリーダー。この子は背が高くて、長い髪をきちんと結ってもらって、もうブラジャーをしてます。
「バイバイ〜あんたはそっちで上手くやりな」
二人のこんな台詞が私には確かに聞こえた。貧しくて汚くて田舎の小学校でいじめられているきみちゃんとみさちゃんは、一見明るく菜都美に手を振ります。
「最初に仲良くなったのは私らなのに、何だあいつ」
「お母さんも、ともだちはえらばなくちゃいけないって言ってたし」
たとえ自分がいちばんの下っ端でも、おしゃれなグループに混ざりたい。出て行かれた方は、出て行った子に冷たい。あの年頃はえてしてこういう方向に思考がゆきがちだったような気がするんですけれど。似たようなテーマを扱ったマンガ「自虐の詩」はまさにこのパターンでしたっけ。
そうはならないところが、このお話の得がたいところ。菜都美ときみちゃんとみさちゃん。高校生になった三人の制服がばらばらなのも、女の子にはきっと珍しい展開。
あ、でも、菜都美ちゃんには一言言いたい。セーラー服の赤いリボンを結ぶのが面倒だったら、ちゃんと鞄にたたんで入れおくなりしてね。不良も非行少女も、優等生も真面目な子も、セーラー服のリボンは結んでなんぼ。肩にかけっぱなしはただのずぼらだと思います、念のため。
おまけ・補足
少女・思春期・現在。菜都美とその友人達は複数の役者さんが演じてらっしゃるので、菜都美(深津絵里)という記述は思いっきり省略。
SAYURIがこんなに大きくなって。高校生の菜都美を演じた大後鈴々香さんは、田舎の普通の子に見えるときと女優さんな表情が交互に出てきて、菜都美本人も演じている女優さんもただものではない感じが漂ってました。
己はオヤヂか?少女のきみこの手足の健やかさも捨てがたい。三吉彩花ちゃん、次の作品も期待してます。「僕らのワンダフルデイズ」では、けちをつけたくなった冷蔵庫のビール、こちらは素直に納得。マンガ家の高原先生、同じ呑むんだったら今はこれが美味しいんですよね。雑然とした高原宅の片隅、冷蔵庫から菜都美が無造作に取り出したビールは、プレミアムモルツでした。
西原先生ごめんなさい〜。この文章をしたためている現在、「営業ものがたり」は古本で読み終え、やはり古本の「女の子ものがたり」が届くのを待っております。
西原理恵子さん原作といえば、「パーマネント野ばら」も来年公開されるんですね。この作品は平積みの文庫にひょいと目がゆき、書店の店頭で買いました。タイトルとカバーの淡い色合い風合いからは、想像もつかない迫力のこのお話。道楽者がつらつら思うにかなり望み薄だけれど、地元シネコンにかかるといいなぁ。