コンタクトレンズ

2008年4月以降のコンタクトレンズ診療について

平成20年4月の保険改定によって、コンタクトレンズ診療の費用算定の方法が簡略化されました。実際の細かい運用には依然として不明確な点もありますが、今まで通り医学的に正しいと思われる診療を行ってまいります。
    2008年5月  加藤眼科
<初診と再診について>
 初めて当院でコンタクトレンズを作成される方が初診となります。当院でコンタクトを処方されて定期検診を行ってきた方は、原則として再診になります。

<コンタクトレンズ検査料>
 当院はコンタクトレンズ検査料1(200点)を算定する施設となっています。自己負担3割の方の場合、再診だと再診料(71点)+コンタクトレンズ検査料1(200点)=271点→自己負担額810円が基本的な請求額となります。お薬を処方したり、処置あるいは手術を行った場合には別途これに対する費用がかかります。
 一方、眼の病気の状態や過去の手術歴等によってはコンタクトレンズ検査料ではなく通常の眼科検査で請求する場合もあります。疑問の点はスタッフまたは医師にお問い合わせ下さい。

<コンタクトレンズ診療の受付時間についてのお知らせ>
2007年4月より、コンタクトレンズの作成・定期検診等の受付時間は
平日:午前は11時30分まで、午後 は17時まで
土曜は12時15分まで

コンタクトレンズの選び方

コンタクトレンズ(CL)には大きくわけてハードコンタクトレンズ(HCL)、ソフトコンタクトレンズ(SCL)、使い捨てのソフトコンタクトレンズ(Dispo)の3種類があります。 どのレンズが良いか、選ぶときに迷う方も多いことでしょう。そこで、それぞれのタイプの特徴を簡単に解説します。

ハードコンタクトレンズ(HCL)
良い点:
1.目に対する長期的な影響が少なく、安全性が高い
 角膜には血管がないので、角膜の細胞は空気中の酸素を涙を通して摂取しています。HCLは直径が小さく、まばたきのたびにレンズが動くため、目の表面をおおっている涙の層がかき混ぜられて空気中の酸素が行き渡りやすいので、角膜の酸素摂取という点で最もすぐれています。最近は素材自体の酸素透過性も高くなり、安全性がより高まっています。
2.乱視の矯正効果が強い
 HCLは目の歪みによって形が変わらないため、乱視の強い人、場合によっては円錐角膜などの不規則な乱視の人においてもすぐれた乱視矯正効果があります。
3.目にキズがついてもすぐ治る。
 目にゴミが入ったり、目にキズがつくとHCLは痛くて入れていられません。一見欠点のように思われますが、これはHCLが痛みという信号を出してくれるということです。したがって、HCLを装用している方には重い角膜障害が少なく、仮にキズができてもCLを中止すれば短期間に治ってしまいます。
悪い点:
装用開始後、慣れるまでの間の違和感がSCLに比べて若干強い。
しかし、ほとんどの方はすぐに慣れますので、この点についてはあまり心配はありません。ただ、風の強い日などにゴミが目に入ると痛くなってしまうため、野球、サッカーなど屋外のスポーツには若干不向きです。
注意点:
HCLの作成時には気をつけて欲しいことがいくつかあります。
まず、材質について。最近よく宣伝されている酸素透過性の極端に高いタイプは、素材自体がもろく、また蛋白などの汚れが付着しやすいため、耐用年数が短く、アレルギーの原因ともなりますので、当院ではおすすめしていません。ある程度の透過性があれば十分と考えます。
次に、どこで作るか。HCLは処方が結構難しく、処方の良し悪しが装用感のみならず障害の原因ともなりますので、信頼できる眼科での作成と定期検診を強く推奨いたします。経験からいうとトラブルになるのはいわゆる量販店で作成したケースや、眼科で作っても検診を受けていないケースがほとんどです。

ソフトコンタクトレンズ(SCL)
使い捨てではないタイプのことです。SCLはほとんどHCLの裏返しと考えて下さい。
良い点:
装用開始当初の違和感がHCLに比べて少なく、屋外のスポーツに向いている。
悪い点:
1.目に対する安全性が低い。(常に角膜をおおっているため酸素不足になりやすい。)
2.乱視矯正効果が弱い。
 乱視矯正効果を付加したトーリックSCLというのもありますが、トラブルの多いレンズです。
3.キズがついても違和感が少ないため、キズを深くしてしまうことが多い。
 ひとたびCLを入れられないほどの症状になると治るのにかなり長い期間を要する場合があります。
4.汚れがつきやすい。
 CLに伴うアレルギーは断トツでSCLに多いのです。
5.表面から水分が蒸発しやすいため、最近多いドライアイの人に不向きである。
注意点:
SCLはレンズ自体が目の形にフィットするため、処方は簡単です。したがって、HCLでちょっとでもクレームがつくとすぐにSCLに変えてしまうという言語道断なことをする量販店もあるようです。
SCLはあまりおすすめしたくないレンズですが、トラブルさえなければ使い捨てに比べてコストが安いのでスポーツを目的とした場合などに処方しています。ただ、トラブルが最も起こりやすいレンズなので、定期検診をきっちりと受けることが重要です。

使い捨てのソフトコンタクトレンズ(dispo SCL)
 これには1-Dayタイプ、2週間または1カ月で交換するタイプ(頻回交換)、1週間連続装用のタイプがあります。1週間連続装用のタイプはトラブルが多いので仕事上どうしても必要な場合以外にはおすすめできません。1-Dayタイプと2週間または1カ月タイプは、レンズに汚れが蓄積される前に捨ててしまうので、ふつうのSCLと比べて安全性が高くなっています。つまり、dispo SCLはふつうのSCLの使いやすさに安全性を付加したレンズと考えて下さい。目の状態や使い方に応じてレンズタイプの選択について御相談しています。最近は当院でも、一般的に見ても、シェアが大きくなっています。
このレンズの欠点はコストが高いことですが、トラブルを起こした場合のことを考えれば、かえって安いともいえます。このように良い面が多いのですが、使い方を誤ればSCLの悪い面が登場してきます。たとえば、1-Dayタイプを一昼夜装用したり、2週間タイプを15日以上使ったりすると、レンズの劣化による影響が少しずつ目に蓄積してあるとき非常に強い障害を起こしてしまいます。このような場合には、ふつうのSCLの場合と同様に非常に長引くことがあります。
 最近シリコーンハイドロゲルという新素材のレンズが開発され、普及しつつあります。この素材は乾きにくいという特徴があるため、乾燥感が気になる方に選ばれる傾向がありますが、従来の素材に比べて酸素透過性が非常に高いと いう利点もあります。しかし、汚れがつきやすい場合もあるので御自分にあった製品を実際に試しながら見つける必要があります。

CL選択の基準
簡単な指針を示しましょう。
屋外のスポーツをしたい    →dispoSCLかSCL
装用感がどうしても気になる →dispoSCLかSCL
アレルギーがある       →dispoSCLかHCL
乱視が強い、ドライアイがある→HCL
目に対する安全性を重視する →HCL
コストが気になる         →HCLかSCL

カラーコンタクトレンズについて
よく芸能人がしていますね。目の色が変わって見えるとかなり目立つので、使いたくなるのはわかりますが、カラーコンタクトはSCLの中でも最もたちの悪いレンズです。汚れがつきやすく、古くなると酸素も通しにくくなり、とても障害を起こしやすいレンズです。普段はふつうのCLを装用してたまにカラーコンタクト、という使い方をすると、かえって使っていないときにケースの中でばい菌やかびなどが増殖して恐ろしいことになりかねません。このような理由から当院ではカラーコンタクトの中では使い捨てタイプのカラーコンタクトレンズ(チバビジョンのフレッシュルック)のみを取り扱っています。(ただし、ふつうの使い捨てと比べれば眼に対する酸素供給などに不安がありますので、装用時間は1日6〜8時間以内が望ましいと考えています。さらに、このレンズを装用する場合には定期検診をより徹底して行う必要があります。)
 現在、発売されている使い捨てタイプのカラーコンタクトはフレッシュルックのみですが、2週間タイプのフレッシュルックカラーは2008年11月をもって発売が中止されますので、今後はワンデータイプのフレッシュルックのみを取り扱うことになります。

コンタクトレンズのお手入れレンズケア用品

コンタクトレンズによる障害

角膜障害・角膜潰瘍

コンタクトの扱いが良くないと、ばい菌やカビ、アメーバなど
により角膜障害を来すことがあります。早期に適切な治療を
しないと、視力が出なくなる可能性もあります。
違和感を感じていたにもかかわらず、装用を続けたために悪化
させてしまったというケースが多いです。異常を感じたら、
まずコンタクトを中止し、早めに眼科を受診して下さい。

巨大乳頭結膜炎(GPC : giant papillary conjunctivitis)

汚れたコンタクトレンズを長期間装用していると、コンタクト
(の汚れ)に対するアレルギー性結膜炎を起こしてしまいます。
本来滑らかなはずの まぶたの裏側の結膜にブツブツが生じてい
ます。コンタクトレンズをやめてしまえばいずれは治りますが、
少なくとも数カ月はかかってしまいます。コンタクトレンズを
使用しながら治すためには、一時的な使い捨てSCLの使用と
点眼薬による治療が必須です。ただコンタクトを新しくした
だけではまず治ることはありません。特にふつうのSCLや酸素
透過性の極端に高いHCLをお使いで、最近レンズがくもりやすく
なった、という方は要注意!

角膜内皮障害
 若年者の正常角膜内皮所見。

細胞密度(CD: cell density、1平方ミリメートル当たりの細胞数)は3000近くあります。
細胞の大きさのばらつきも少なく、健康な角膜ということができます。

 コンタクトレンズ長期装用者

20年以上にわたり、酸素を通さない昔のPMMAレンズを使い続けていたため、慢性の酸素不足によって角膜内皮細胞がかなり減少しています。細胞密度(CD)は約1500と、正常の半分ほどになっています。細胞の大きさにもかなりばらつきがあります。
将来白内障手術を受ける際、このような方は角膜内皮が極端に少なくなる可能性があります。

 コンタクトレンズの連続装用者

眼内レンズが普及しない頃に白内障手術を受けたために、その後連続装用タイプのソフトコンタクトレンズを長期に使用していました。手術の際にも角膜内皮が減少しているため、細胞密度(CD)は670と極端に低下しています。これ以上の障害が進むと水疱性角膜症という、角膜が濁って痛みを伴う状態になりかねませんので、コンタクトレンズの装用続行はかなり危険です。


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