FAQ (frequently asked questions)
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近視・遠視・
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眼精疲労 ドライアイ 涙目
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のつけ方
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近視・遠視・乱視・老視
近視とは?
 近くは見えるが、遠くがぼやける状態です。一般には、眼球の直径が大きくなるために、近くのものにしかピントが合わなくなります(軸性近視)。水晶体の屈折力が強いために生じる近視(屈折性近視)や、子供の場合には調節緊張(いわゆる仮性近視)という状態も時々ありますが、ふつうの近視はほとんど軸性近視と考えられています。

訓練によって近視が治るって本当ですか?
 よく雑誌の広告などにアメリカの学会でも認められた方法、などと書かれていますが、きちんとした学会誌などにこのような訓練が有効だという報告が載ったことはありません。そもそも大きくなってしまった近視の人の眼球が訓練によって小さくなるなんて考えられますか?外来でよく聞かれますが、お金を無駄に使いたければ試してごらんなさい、とお話しています。

ブルーベリーが視力回復に効くと聞いたのですが?
 ブルーベリーに含まれる成分には目にとって重要なものが含まれているのは確かですが、これを食物として摂取したからといって直接視力に影響があるとは考えられません。視力回復という言葉が先走りしていますが、近視の訓練治療と同様、特定の栄養素が目の構造を変えるというのはとても考えにくい話です。体に必要な成分のほとんどは自分の体の中で合成されますし、体で合成できない微量元素(ミネラル)やビタミンなども通常の食生活で十分な量が摂取できます。最近サプリメントがはやっています。水溶性ビタミン(Cなど)は過剰摂取した場合尿中に排泄されるので問題ありませんが、脂溶性ビタミン(Aなど)は過剰摂取による健康障害もありうるので、サプリメントに頼る食生活は良くないと思います。特定の食品を摂取するよりも、偏食を避けてバランスのとれた食事をとることの方がはるかに重要です。

遠視とは?
 眼球が小さいために、遠くのものを見るためにもピントを合わす力を使わなければならない状態です。近くのものを見るためには、より多くの力を必要とします。若いうちはピントを合わす力がたっぷりあるので、あまり遠視の強くない方は、ほとんどその存在に気がつきません。老視になってピントを合わす力が減弱すると、初めて症状に気がつくのです。若いころは目が良かった、という人は実は遠視だったということが結構あります。
 よく遠視と老視を混同される方がいらっしゃいますが、遠視は目の構造の問題、老視は調節という目の機能の減退を意味する言葉ですから、全く異なることを指す言葉です。

乱視とは?
 眼球は完全な球面ではなく、多少縦横、または斜め方向にひしゃげた形をしています。したがって、目の屈折度数(光を曲げる力)は、向きによって異なります。たとえば、縦方向の方が横方向より度数が大きい、という状態です。乱視とは、このような向きによる度数の違いのことですから、近視・遠視とは異なる次元の概念です。乱視があると聞くと何か特別な目であるかのような気がする方もいらっしゃるようですが、厳密に言えば、乱視のない人など存在しません。便宜上、視力検査で乱視用のレンズを使う必要の有無を乱視の有無と呼んでいるのです。

老視とは?
 遠視の項でもちょっと触れましたが、老視(いわゆる老眼)とは、近くのものにピントを合わす力(調節力)が加齢により減退することをいいますが、実はこの減退は子供の頃から始まっています。ただ、日常生活上の読書距離(約30cm)にこの減退が影響を与えるようになると老視と呼ばれるだけなのです。遠視も、近視もない人で読書距離に影響が出始めるのが40歳台のことが多いので、この年代で老視と宣告されるのです。

老視と遠視・近視の関係について
 前述した通り、遠視の人は、遠くのものを見るのにも調節力を使うので、近くのものを見るためにはより多くの調節力を必要とします。したがって、年齢に伴う調節力減退の影響がより早く出現します。調節力とは無意識のうちに使われるものなので、遠視の人は目が良いと思っていることが多く、普通の人よりも早く老視の出現を自覚してショックを受けるのです。遠視がある程度強い人は、老視の進行とともに遠くのものを見るための調節力さえなくなると、遠くを見るためにもメガネが必要になります。
一方、近視の人は、もともと近くにピントが合っており、近くのものを見るために必要な調節力が少ないため、調節力の減退を自覚しにくいのです。たとえば、裸眼視力が0.1〜0.2位の人はもともと30cm前後にピントが合っているので、完全に老視が進行しても、読むのに不便を感じません。
 よく一般に、近視の人は老眼になりにくい、といわれますが、本当は「老眼にはなるが、その症状を自覚しにくい」だけなのです。

レーザー治療について
 最近、スポーツ選手などが近視のレーザー手術を受けたことがしばしば話題に上り、近視のレーザー手術、特にレーシック(LASIK)が注目されています。詳しくはリンクのページを通して専門の施設の説明をごらん頂きたいのですが、どのような人が対象になるかという点のみ簡単にお教えしましょう。
 まず、レーザーの対象は、近視とこれに伴う乱視です。遠視治療はまだ一般的ではありませんし、老視についても、今のところ満足できる治療法はありません。
 近視なら誰でもできるかというと、そうではありません。この治療法は矯正できる範囲が限られていますので、非常に強い近視の場合は、完全に近視をなくすことはできません(近視を軽くすることは可能です)。20歳未満の方は、まだ近視の進行が落ち着いていないため、対象になりません。また、目の病気がある方も対象にならないことがあります。これから老視になろうという年代の方は、完全に近視をなくした場合、老眼鏡が必要になることを覚悟して下さい。ご高齢の方は、白内障手術をして眼内レンズの度数で近視をなくす調整をした方が良い場合も多いと思われます。

近視・遠視・乱視・老視についてもっと詳しく理解したい!という方はこちらへ

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コンタクトレンズ 
コンタクトレンズの種類
 ハードコンタクトレンズ、ソフトコンタクトレンズ、使い捨て(ソフト)コンタクトレンズの3種類があります。簡単に特徴を挙げれば、ハードは最も安全性が高く、コストも安いが、初めて装用した時の異物感が若干強く、屋外のスポーツにはやや不向きのレンズです。ソフトは装用感が良く、屋外のスポーツ向きで、コストも安いが、目に対する安全性は低いため、取り扱いに注意を要するレンズです。使い捨ては普通のソフトに比べれば安全性が高く、装用感も良く、屋外のスポーツ向きで、取り扱いも簡単だが、コストの若干高いレンズです。
選択の際には、どのような使い方をするか、目に異常がないか、などについて眼科医と良く相談する必要があります。くわしくはこちらへ。 

コンタクトレンズと角膜への酸素供給
 角膜には血管がありません。したがって、角膜は涙の層に溶けている酸素を角膜表面から摂取しています。起きている(目を開けている)間、目の表面は大気に露出していますので、十分な量の酸素が涙に溶け込みます。眠っている間、目の表面はまぶたによって大気から遮断されていますので、まぶたの裏側の結膜の血管から涙の層に溶け込む酸素を摂取しています。しかし、この血管は毛細血管なので酸素分圧が低く、酸素の供給はぎりぎりの状態です。夜間も入れっぱなしのコンタクトレンズは眠っている間の酸素供給を妨げますので、角膜が低酸素状態におかれてしまいます。これが連続装用のコンタクトをお勧めできない理由です。
 では、昼間はどうでしょうか?水泳にたとえてお話しましょう。コンタクトを入れない状態は、背泳ぎや犬かき、顔をあげての平泳ぎにたとえられます。いつでも呼吸ができます。ハードコンタクトは顔を水中につけて時々息継をする水泳にたとえられます。まばたきのたびにハードコンタクトが動くことによって涙の層がかきまぜられて酸素が角膜に行き渡りやすくなるのです。ペースを守ればかなり長い間泳ぎ続けることができます。つまり、コンタクトの中では比較的長時間装用できます。ソフトコンタクトは完全に水中に顔をつけたままのシュノーケリングにたとえられます。細い管を通して常に呼吸はできますが、1回の呼吸が十分ではありませんので長く続けると息苦しくなってきます。ソフトコンタクトは完全に角膜をおおってしまいますので、涙と大気の間のバリアとなります。したがって酸素の供給はぎりぎりであり、装用時間が長くなると息切れしてつらくなるのです。
 短期間の使用であればそれほど大きな障害を残すものではありませんが、コンタクトレンズは通常長期間にわたって使用するものです。角膜に負担が来るような装用方法を続けていると、あるとき角膜が酸素不足に耐えられなくなって非常に強い痛みと充血を伴うoverwearという状態になります。特にソフトコンタクトはoverwearの状態になりやすいので気をつけていただきたいと思います。
 さらに、このような痛みを来さない場合でも、無理な装用を長年続けている方は結膜(白目)から角膜への血管侵入が生じたり、角膜内皮細胞が加齢に伴うペースをはるかに越えて減少したりする可能性が高くなります。今は大丈夫でも二、三十年先にはどうなっているか、と思うと恐ろしい限りです。実際に角膜内皮細胞の減少を理由にコンタクトレンズ中止を余儀なくされる方も時々おられます。

コンタクトレンズの装用時間とメガネの必要性
 角膜に対する長期的な影響から見ると、HCLなら1日14時間、SCL(使い捨ても含む)なら12時間以内に抑えるのが望ましいと考えます。CL装用者の中には、メガネを持っていないために装用時間が長くなってしまう方がかなりいらっしゃるようです。このような方は、角膜にキズがつくなど調子が悪いときに無理して装用を続けるため、重篤な障害をきたすことがあります。装用時間の面から見ても、調子が悪い時の対応から見ても、ある程度実用に耐えるメガネを持っていなければなりません。

コンタクトレンズの耐用年数
 CLの中で、最も耐用年数が長いのは、昔の酸素をほとんど通さないHCLです。コンタクトの装用歴が20-30年という方に多いのですが、中には10年以上前のレンズを使い続けている方もいるようです。しかし、このタイプの長期CL装用者の角膜内皮細胞数を調べると、かなり減少している人が多いようです。角膜内皮の減少は、水疱性角膜症という、視力低下と眼痛を主症状として角膜移植が必要な病気につながりますので、眼科で角膜内皮のチェックを受けることをお勧めします。
 最近の酸素を通すタイプのHCLは、きちんと手入れをすれば3-5年位はもちます。ただし、酸素透過性の非常に高いHCLは、材質がもろく、汚れも沈着しやすいため、1-2年でだめになることが多いようです。
 普通のSCLは、やはり汚れやすいため、寿命は1-2年と考えて下さい。
 使い捨てのSCLは、それぞれの装用日数に合わせて材質などが決められていますので、その日数内であれば通常は問題ありませんが、決まった日数以上に装用を続けると、目に対する負担が少しずつ増して、あるとき急に痛みなどの症状が出現します。このような場合の角膜障害はかなり重篤で治りにくいことがありますので、装用日数は必ずお守りください。
 コンタクトがくもりやすい、目が赤くなる、痛みがある、めやにが出るなどの症状はCLの状態が悪くなったことを示す重要なサインですので、このような症状がある場合は眼科医の診察をぜひ受けて下さい。まだ大丈夫、という自己判断で装用を続けると症状が進行して、なかなか治らない状態になってしまいます。
 症状が軽いうちはなかなか自分では自覚できませんので、HCLなら6カ月、SCLなら3〜6カ月に1回位のペースで定期検診を受けることをお勧めします。

コンタクトレンズのお手入れ
 HCLの場合、最近は毎晩保存液に入れておくだけの蛋白除去剤が広まっています。もちろんこれはつかったほうが良いのですが、CLを長持ちさせるためには、外した後にこすり洗いを行うことが非常に重要です。
 SCLは、HCLよりもさらに汚れがつきやすいので、やはりこすり洗いは必要です。
 また、HCL、SCLとも、汚れがつきやすい場合には定期的に強力な蛋白除去剤を使う必要があります。
 SCLの消毒は、昔は煮沸消毒しかありませんでした。消毒効果は高いのですが、CLの中に浸透した蛋白が熱凝固によってさらに強く沈着してしまうので、最近は薬を用いる化学消毒をお勧めすることが多くなっています。化学消毒は、消毒効果においてやや劣りますので、外した直後のこすり洗いはとても重要です。詳しくは勝田台コンタクトのページに説明してあります。
レンズのお手入れ

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角膜のキズ
 目にキズがついたという場合、大半は角膜のキズを指します。角膜は5層構造からなり、表面から角膜上皮・ボウマン膜・実質・デスメ膜・内皮という順に重なっています。上皮層は皮膚表面と同様に活発に分裂をして細胞が常に新しく置き代わるサイクルを繰り返していますので、キズの修復はとても早く、軽いキズならば一晩で治ってしまいます。コンタクトレンズでついたキズや目にゴミが入った場合の角膜のキズの多くはこの上皮層の浅いキズですので、無理にコンタクトレンズ装用を続けたりしなければ数日以内に治ります。無理なコンタクトレンズ装用、あるいはやや深い怪我によりボウマン膜を越えて実質に傷害が及んだ場合には、目の中の炎症も惹起され、治癒に時間がかかります。それでも一時的な傷害であれば1週間以上かかることはめったにありません。コンタクトレンズ装用者やドライアイの方で毎回キズがあるといわれる場合、その多くは毎日新たなキズが生じているものと思われます。つまり、治るそばから新たなキズが生じている、ということです。軽いキズであれば大きな問題はありませんが、慢性的にキズがあると将来問題が生じる場合もありますので、適切な治療やコンタクトレンズ管理が必要になります。
角膜潰瘍
 細菌やビールス、あるいは神経や栄養の障害によって角膜の実質層にいたるキズを生じた場合、角膜潰瘍と呼ばれます。リウマチや自己免疫性の疾患で生じることもあります。程度がひどいと角膜に穴があいてしまうこともありますので(角膜穿孔)、早期に適切な治療を行う必要があります。
再発性角膜上皮びらん
 「びらん」とは角膜では上皮層に限局したキズの一種です。目を爪でつついてしまった、あるいは植物の葉で目を突いてしまった、などという場合、ボウマン膜と上皮層の接着が不十分な状態でキズが治ることがあります。一見治ったようでいてもその部位はとても外力に対して弱い状態になりますので、しばらくしてから(時には数カ月以上たってから)ある朝目をあけた瞬間に激痛が走り、痛みと涙を生じることがあります。これが再発性角膜上皮びらんと呼ばれる病態で、「朝目をあけた瞬間に」というのが診断のポイントの1つです。主に点眼や眼軟膏による保存的治療を行いますが、場合によってはキズを保護するために医療用ソフトコンタクトレンズをしばらく入れっぱなしにしたり、外科的に傷害部位に再発防止の処置をすることもあります。ベースにドライアイがあることも多いので、人工涙液の予防的点眼も考慮されます。

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結膜炎
結膜炎とは、結膜(白目の表面とまぶたの裏側をおおう薄い膜)の炎症をまとめて呼ぶ病名なので、炎症の原因によって症状や注意点、治療法が異なります。
ウィルス性結膜炎
 最も一般的なのが、「はやり目」と呼ばれるアデノウィルス性結膜炎です。この結膜炎は正式には流行性角結膜炎という名称がついており、その名の通り、極めて伝染力が強いのが特徴です。法定伝染病でもあり、はしかなどと同様に学童の場合は学校を休まなければなりません。感染してから発症するまでに約1週間の潜伏期があり、発症前にもまわりに伝染する可能性がありますので、しばしば流行します。症状は、目の充血とめやに、流涙、異物感(ゴロゴロして痛がゆい感じ)です。アデノウィルスは、のどの炎症も引き起こしますので、しばしば風邪のような症状が先行します。最初の数日間は治療をしていても症状が強くなりやすく、その後少しずつ良くなってきますが、典型的なタイプでは完全に良くなるまでに2-3週間かかることもあります。最初に片目に発症し、その後反対目に発症した場合、免疫の関係で後から発症した目の症状は軽いことが多いです。時に角膜に薄い濁りを生じることがありますが、この濁りはなかなか消えにくく、角膜の中央部にこの濁りが生じると、視力が落ちてしまうこともあります。特に小さいお子様の場合には症状が強く、後遺障害を残しやすいので、御家族がはやり目といわれたら、うつさないように注意しなければなりません。接触を介して伝染しますので、手をよく洗うこと、目を拭いた清浄綿などはすぐに廃棄すること、タオルを別にすること、お風呂は最後に入ることなどの配慮が必要です。
 治療は抗生剤と抗炎症剤の点眼ですが、特効薬ではないので、良くなるまでの症状を緩和し、後遺症を少なくしようという目的で処方しています。
 アデノウィルス以外の風邪の原因ウィルスによっても、はやり目のような症状が引き起こされることがあります。この場合、比較的早く治りますが、やはり伝染しますので、注意を要します。
細菌性結膜炎
 細菌が結膜炎を引き起こすこともしばしばあります。この場合の症状ははやり目に比べると軽いですが、やはり感染防止に注意が必要です。実際には、ウィルス性と区別がつきにくいことも多く、ある程度症状が強い場合には、はやり目に準じて対処しています。
アレルギー性結膜炎
 異物が体に入ったり粘膜に付着した場合、これらの異物を除去しようという反応が体内に起こります。これを免疫反応といいますが、微生物以外の体外異物に対して、結膜局所において免疫反応による炎症が起こることがあり、これを総称してアレルギー性結膜炎と呼びます。目の花粉症とは、スギ、ヒノキ、ブタクサなどの花粉が原因で生じるアレルギー性結膜炎に他なりません。アレルギー性疾患の特徴は、とにかく痒いことですが、コンタクトレンズの汚れに対する巨大乳頭結膜炎、アトピー性結膜炎もアレルギー性結膜炎の一種です。
 治療の基本は、抗アレルギー剤の点眼です。最近効果のすぐれた薬剤が開発されていますので、これのみで改善することも多いですが、症状が強くて治療効果が不十分な場合には、ステロイドなどの抗炎症剤の点眼を併用することもあります。市販のアレルギー性点眼(薬屋さんで処方箋なしで買えるもの)は、成分が最新のものではなく、安全性を高めるために濃度も低くなっているため、症状が軽い人を除けば十分な効果は望めません。特に花粉症でお悩みの方は、眼科で適切な治療を受ければ、症状が驚くほど楽になることを実感されると思います。

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ものもらい・霰粒腫(さんりゅうしゅ)
 ものもらいとは俗称であり、正式には麦粒腫(ばくりゅうしゅ)と呼びます。麦粒腫はまぶたの中に細菌が入って炎症を起こす疾患で、当初はまばたきの時に痛みや違和感を感じる程度ですが、1〜2日たつとまぶたが腫れてきます。ものもらいという名前からは伝染性のように感じられますが、通常伝染する病気ではありません。治療としては抗生剤の点眼と必要に応じて内服を処方します。膿が出かかっているときには、切開して排膿することにより痛みを緩和して治りを早くすることができます。
 一方、霰粒腫とはまぶたにある分泌腺に炎症性のしこりを生じる疾患で、麦粒腫とは病態が異なりますが、麦粒腫と混在して生じることも多いので、一般の方には区別が難しいかもしれません。治療は抗生剤点眼を基本に行いますが、しこりがなかなかなくならないときや、しこりによって皮膚がうすくなって破れそうになっている場合にはしこりを摘出する手術を行います。この手術は操作自体は5〜10分位で済むので外来で行うことが可能ですが、麻酔薬に対するアレルギーの検査や術後の圧迫止血のため、30-40分位は時間が必要です。
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球結膜下出血
球結膜下出血とは?
 急に白目がべったりと赤くなって驚いて眼科を受診される方は結構いらっしゃいます。これは、白目の表面をおおう薄い膜(結膜)にある細い血管が何らかの原因で破れて出血し、その出血が結膜の下にたまった状態なので、結膜下出血と呼びます。この場合、痛みもめやにもなく、鏡で自分の顔を見たときに気づいたり、他人から目が赤いことを指摘されて初めて気がつくことが多いようです。これはいわば内出血の跡ですから、治療は必要ありません(というよりも効果のある薬はありません、といった方が正確)。自然に吸収されて、多くの場合1週間以内にきれいになくなります。よく眼底出血と混同される方がいらっしゃいますが、目の奥の出血である眼底出血とは全く関係ありません。
最近出血を繰り返すのですが、大丈夫ですか?
 時に、結膜の血管が何らかの理由で出血しやすくなり、短期間のうちに出血を繰り返すことがあるようですが、繰り返して起こったからといって目に悪影響が残ることはまずありません。例外は出血傾向のある方ですが、この場合の内出血は目に限らず全身に起こりやすいため、血液検査をすればすぐにわかりますし、むしろ内科の領域の問題です。
充血と出血はどう違うのですか
 「充血」とは結膜の血管が炎症により拡張するために全体として赤みを帯びて見える現象であり、出血の場合の限局的なべったりとした赤みとは全く異なります。

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眼精疲労・ドライアイ
 「疲れ目」の症状を訴える方は昔からよくいらっしゃいます。医者の世界では「不定愁訴」というのですが、このような方はなにしろ訴える症状の数が多いのが特徴です。頭が重い、目の奥が痛い、肩が凝る、吐き気がする、などなど。原因がはっきりしないので、眼精疲労(眼性疲労ではありません)という病名をつける習慣になっていましたが、最近「ドライアイ」が眼精疲労の原因となっている場合が多いことがわかってきました。そのような方にはドライアイ用の人工涙液の点眼がよく効きます。ただ、遠視、老眼など他の原因で生じる場合もありますので、お悩みの方は眼科の診察を是非受けて下さい。原因がわかるだけでも安心できますよ。

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涙目
 涙が出る、という症状でいらっしゃる方もかなり多いですが、涙目の原因はいくつかあります。
涙道閉塞または狭窄
涙液は、上まぶたの外側の奥にある涙腺や結膜から分泌され、目の表面を潤した後、上まぶたと下まぶたの鼻側に1つずつ開いている涙点という穴から涙小管という細い管を通って鼻の外側の奥にある涙嚢という袋に流れ込み、そこから鼻の奥に排出されています。涙目の原因の1つは、この「涙の下水管」のどこかがつまってしまうことです。お年を召された方に多い鼻涙管閉塞はこれにあたります。この場合の根本的な治療はつまった下水管を再開通させることですから、何らかの手術的処置が必要になります。手術を行わない場合は症状を緩和する点眼を処方します。

ドライアイ
 涙目のもう1つの原因は、意外にも「ドライアイ」です。ドライアイの場合は、冬など寒い日に外出して「風に当たると涙が出てくる」というのが特徴です。軽いドライアイの人は、何でもないときにも少しずつ分泌されている涙が少なかったり、成分が乾きやすくなったりしているだけで、たとえばタマネギを刻んだ時、悲しい時などに出る刺激性の分泌は正常な場合が多いのです。したがって、目が乾きやすくて刺激を受けやすい状態にある人が寒風に当たると、その刺激で涙があふれてきてしまうというわけです。一見矛盾するようですが、流涙の原因としてこのドライアイの方が意外に多い印象を持っています。この場合は、ドライアイ用の人工涙液点眼を続けることによってかなり症状が改善します。
結膜弛緩症
 加齢とともに白目の表面の薄い膜(結膜)もたるみが生じて皺ができやすくなりますが、このたるみがひどくなると、結膜の皺が下まぶたの縁を部分的に覆ってしまうことがあります。これを「結膜弛緩症」と呼びます。涙液は上まぶたの外側にある涙腺や結膜から分泌され目頭側の涙点へと向かって流れますが、下まぶたの縁と眼球表面の接するところはこの涙の通り道として重要です。結膜弛緩症ではこの通り道が塞がれてしまうために涙が塞き止められて目頭側に流れにくくなります。すると、目尻側からは涙があふれ、目頭側は乾燥するという状態になります。ご高齢の方の涙目では結構この病気のことが多いことが最近注目されています。治療として、軽度の場合はドライアイの場合と同様に人工涙液点眼を用いますが、弛緩の程度が強い場合には結膜の皺を取り除く手術を行います。

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白内障
 目の構造はよくカメラの作りにたとえられますが、カメラのレンズに当たる部分を水晶体といいます。目に入ってくる光を集光してフィルムに当たる網膜という神経の膜に焦点を合わせる働きをしています。この水晶体が濁った状態を白内障と呼びます。白内障のほとんどは老化によるもので、加齢性白内障といいます。目の中の炎症や怪我、時には先天的な素因などによって生じる白内障もありますが、まれです。レンズが濁るため、光が通りにくくなって視力が落ちたり、光が散乱してまぶしく感じたりします。治療薬として白内障進行予防の点眼がありますが、これをつけても治るわけではなく、ある程度進行した場合に治す方法は手術しかありません。濁った水晶体を取り除いてしまうと、ピンボケの状態になるので、昔は牛乳瓶の底のような分厚いメガネをかけたり、コンタクトレンズを装用したりしていましたが、ここ15年位の間に目の中に埋め込む眼内レンズが飛躍的に普及し、術後の見え方も格段に良くなりました。
 手術時期についてですが、昔は見えなくなるまで待った方が良いと言われていました。しかし、それは手術の安全性が低かったこと、分厚いメガネをかけるために、両目を手術する必要があったこと、手術方法自体もある程度進行していないとやりにくかったことが理由です。現在の手術の安全性は昔とは比較にならないほど高くなりましたし、片目のみの手術でも問題なくなりましたし、さらに、現在の方法では、むしろあまり進み過ぎない状態の方が安全に手術ができますので、「見えなくなってから」という考え方はほとんどなくなりました。現在お悩みの症状の原因が白内障であるならば、よく相談された上で手術を検討されてはどうかと思います。

詳しい白内障の説明へ
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緑内障
緑内障とは?
 眼の神経(視神経)の線維が高眼圧や血流不足のために抜け落ちて行き、その結果として視野に暗点を生じ、最終的には高度の視野狭窄から失明に至ることもある眼の成人病です。40歳以上の日本人の約3%が緑内障に罹患していると推定されており、最近は健診などで発見されるケースが増えています。
 病名は似ていますが、目の中のレンズの濁りである白内障と、視神経の障害である緑内障は全く異なる病気であり、もちろん同時に存在することもよくあります。
 緑内障はいわば目の成人病ですから、高血圧や糖尿病などと同様に、一度診断されたら、定期的な通院を一生続けなければなりません
緑内障になると失明するのですか?
 緑内障という病気はかなり進行するまで自覚症状を感じませんので、昔は診断技術が確立していない上、早期発見のための健診というものもなかったため、かなり末期的な状態になって初めて発見されることが多かったのです。このような場合は失明することも少なくありませんので、緑内障と聞くと失明するというイメージが出来上がったのだと思われます。最近はすぐれた治療薬も次々に開発されていますので、きちんとした治療と管理を続ければ、進行をかなり抑えることができるようになってきました。実際、緑内障が原因で失明するケースは激減しているようです。しかし、緑内障のこわい点は、一度障害された視野は元に戻らないということであり、すぐれた治療薬をもってしても末期状態まで放置されると失明する恐れはあります。つまり、早期発見は非常に重要なのです。早期に見つかりさえすれば、定期的な検査と必要な治療を継続している限り、失明の可能性は非常に少ないと考えて下さい。
最近目の奥がよく痛くなるのですが、緑内障でしょうか?
 外来でよく質問されますが、大概は緑内障による痛みではありません。緑内障には慢性と急性のタイプがあり、痛みを伴うのは急性発作といわれる状態のみです。この発作の痛みはとても強く、頭痛や視力低下も伴う激しいものですので、とても平気でいられる状態ではありません。緑内障の中でこの発作を起こすタイプは日本人では少ないのですし、一度診察すれば発作を起こす目かどうかすぐにわかりますので、ご安心下さい。
 ただし、全く別の症状でいらした方の目を診てみると、この発作を起こしやすそうだった、ということが時々あります。緑内障発作はごく短時間のうちに失明する場合もありますので、このような場合には予防のレーザー治療を強くおすすめします。
内科の検査の時に緑内障だと使えない薬があるといわれましたが、大丈夫ですか? 
 胃カメラなどの検査を行う場合には、内蔵の筋肉の収縮を抑える薬を前もって服用する場合が多いのですが、このような薬は目の中の筋肉にもある程度作用するため、緑内障の発作を誘発する危険があります。しかし、もともと発作を起こしやすい目の人以外は全く心配ありません。発作を起こしやすい目かどうかは、眼科医が診ればすぐにわかります。前の項目でも述べたように、実際には、緑内障の方の中でも発作を起こしやすいのはごく一部なので、緑内障の目薬を使っていても、このような検査用の薬の服用は全く問題ないという方がほとんどです。気になる方はかかりつけの眼科医に確認してみて下さい。
緑内障は治らない、というのは本当ですか?
 緑内障のために障害された目の神経の線維は再生しませんので、欠けた視野は元に戻りません。そういう意味では緑内障は治りません。これは慢性・急性を問わず緑内障全般について言えることです。唯一、治ると言って良いのは、緑内障発作を起こす前の段階で予防的なレーザー治療を受けた場合です。この段階では視野の障害は生じていませんので、レーザーによって発作の危険をほとんどゼロにできれば、その後緑内障の心配をしなくても済むという意味で「治る」という言葉を使っても良いのではないかと思います。
緑内障は手術が必要ですか?
 緑内障の手術は、薬剤によって進行を抑えることが出来ない場合にのみ行われます。昔は良い薬が少なかったので、手術をしなければならないケースが多く、手術の技術自体も未発達だったため、何度も手術を繰り返した揚げ句失明に至ることも少なくありませんでした。しかし、最近はすぐれた薬剤の開発により、まず手術を必要とするケースが減りました。さらに、手術の技術もかなり進歩しましたので、昔と違って手術後に失明する危険はたいへん低くなりました。もちろん手術の後も定期的な通院は継続しなければなりません。
緑内障を自分で発見する方法はありますか?
 あります。100%確実というわけではありませんが、次の方法により、ある程度進行している緑内障の方は自分の目の異常に気づくことができるといわれています。ご心配の方は、一度試してみることをおすすめします。
まず、テレビのチャンネルをどこの局も映らない状態(いわゆる砂嵐の画面)にして、画面中央に小さいシールなどの目印を貼ります。30cm位離れた位置で片目を手で覆って隠しながら、もう一方の目でその目印に視点を合わせます。すると、緑内障の視野異常がある方は、中心から外れたところに砂嵐が見えない部分があることを自覚できます。正常な方は何も異常を感じません。
ただし、この方法で異常がなくても、眼圧検査や眼底検査、視野検査などによってごく早期の緑内障が見つかることはよくありますので、詳しい検査を受けた方がご安心なのは言うまでもありません。
眼圧が正常範囲ならば緑内障の心配はないのですか?
 眼圧の正常値は10-21mmHgと言われています。典型的な緑内障では眼圧が高くなりますので、眼圧が高いよりは正常の方が安心です。しかし、測ったときに眼圧が正常でも、眼圧は1日の中でもある程度変動しますし、季節変動もありますので、たとえば他の時間帯や他の日には高くなっていることがあり得ます。さらに、緑内障の視野障害には眼圧のみならず視神経の血のめぐりが悪いことも関わっていると考えられていますし、実は緑内障の中で最も多いのは、眼圧が正常範囲にとどまっているにもかかわらず、視野障害が進行する正常眼圧緑内障というタイプなのです。したがって眼圧が正常なだけでは緑内障の心配はなくなりません。むしろ眼底検査の視神経の所見の方が臨床的には重要です。眼圧が高いだけで、視神経所見が正常という方(高眼圧症)は、もちろん視野異常もなく、緑内障ではありませんので、治療も必要ありません。ただし、高眼圧症の方はそうでない方と比べると将来本物の緑内障に移行する確率がやや高いので、定期的な検査は受けておいたほうが安心でしょう。何しろ自覚症状がありませんので。

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飛蚊症
飛蚊症とは?
黒い点、虫のようなもの、または薄い雲のようなものが視野の中に見える症状を飛蚊症と呼びます。これは主に加齢(老化)に伴う現象ですが、特に近視の方は若くても生じることがあります。この”生理的”飛蚊症は問題のないことが多いのですが、時に網膜剥離・眼底出血など重大な病気が存在することもありますので、瞳孔を開く目薬を使った詳しい眼底検査が必要です。
飛蚊症の原因は?
 眼底出血など、目の中の空間に濁ったものが浮かぶ病気では、この濁りが影となって自覚されるために飛蚊症を自覚します。しかし、飛蚊症の大部分はこのような病気に伴うものではなく、いわゆる老化現象に伴うもの(後部硝子体剥離、注:網膜剥離とは違います)です。虹彩(茶目)の後ろには水晶体があり、さらにその後ろに卵の白身のような透明なゲル状物質の硝子体(しょうしたい)があって眼球内部を充たしています。この硝子体は99%以上が水分で、わずかに線維を含んでいるのですが、加齢に伴って線維と水分が分離して中に空洞を形成し、それがさらに進行すると、眼球の内壁から硝子体が剥離して線維の塊がふわふわと浮いた状態になります。この線維の塊が飛蚊症の原因です。時々目を動かすと視野の隅の方に光が走る光視症という症状を伴いますが、これは収縮した硝子体が網膜を引っ張って刺激を与えるために出現する症状なので、網膜に穴があいて網膜剥離につながる危険があります。早めに詳しい眼底検査を受ける必要があります。
以前から飛蚊症が時々出てくるのですが、大丈夫ですか?
 出血であればいずれ吸収されますので飛蚊症はだんだん消えますが、後部硝子体剥離は1回生じると治ることはありません。ほとんどの方は、しばらくすると飛蚊症の存在に気がつかなくなるため、治ったと錯覚するのですが、たとえば青空や白い壁、本のページなど均一な背景をバックにすると飛蚊症は自覚されやすいために、また出た、という気がするだけなのです。飛蚊症は初めて出現した後1カ月位は進行しやすいので注意が必要ですが、それ以降は変化がないことがほとんどです。よく、数が少し増えた気がするとおっしゃって受診される方もいらっしゃいますが、大部分は問題なく、単に目の奥の濁り方が若干変わったために悪くなった気がするようです。ただ、目の奥の状態によっては、定期的な検査を必要とする場合もありますし、何かいつもと違う気がした時は、眼科医の診察を受けて下さい。
飛蚊症の治療法はありますか?
 出血などの病気によるものであれば治療をしますが、生理的飛蚊症に対する治療法はありません。理論的にば硝子体切除という手術により症状を改善させることは可能ですが、手術の危険性がメリットを上回るため、これを行うことはまずありません。もちろん有効な飲み薬もありません。最初は気になって仕方がないと思いますが、そのうち慣れると思って気楽に考えて下さい。ただし、その前にきちんと検査を受けて下さいね。
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網膜剥離
網膜剥離とは?

 網膜剥離とは、網膜が外側の眼球壁から剥がれてしまう病気です。最も多いのは網膜に開いた穴(裂孔)が原因で起こる裂孔原性網膜剥離です。この場合はなるべく早く手術をしないと視力が戻らない可能性があり、放っておけば失明どころか眼球が萎縮してしぼんでしまうこともあります。
 その他のタイプには、眼の血管からしみ出た液が網膜の下にたまる漿液性または滲出性網膜剥離、網膜の前面に生じた線維性の膜が縮むことによって網膜が引っぱり上げられて剥がれる牽引性網膜剥離などがありますが、これらに対しては原因に対する治療(レーザーや薬物治療など)を第一に行いますので、緊急に手術ということはあまりありません。

網膜剥離はレーザーでは治せないのですか?
 よく網膜剥離のレーザー治療を受けたという話を聞きますが、眼底を見ると網膜剥離を起こさないように網膜裂孔に対してレーザーを受けた、というケースがほとんどです。
 レーザー治療の原理は、網膜とその外側の組織を熱で凝固して癒着させることによってその部位の網膜が剥がれないようにすることなので、剥がれてしまった網膜にレーザーを当てても何の効果も期待できないのです。網膜が剥がれる前に行ったレーザーであれば、網膜剥離の発症をかなり抑えることができます。ごくまれに、限局的に生じた網膜のまわりの剥がれていない部分にレーザーを当てて堤防を作り、網膜剥離がそれ以上広がらないように治療する場合もありますが、こうした場合のレーザー効果はやや弱いため、後日本格的な手術が必要になる場合もあります。

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眼底出血
眼底出血とは?
 眼底検査で発見される出血の総称であり、いろいろな原因で発症します。原因によって治療法は異なりますが、止血剤や循環改善剤の内服、レーザー治療、時に出血を取り除く手術(硝子体切除)を行うことがあります。
一般的に全身の病気(高血圧、動脈硬化、糖尿病など)に伴うことが多いので、これらの病気をお持ちの方はご注意下さい。ある程度の視力障害を伴う眼底出血の場合、出血が消退するのに数カ月以上かかることはよくありますし、視力が完全には戻らないこともあります。定期的な検査はもちろんですが、全身病も怠りなく治療し、コントロールしておく必要があります。
レーザーをすればすぐ見えるようになるのですか
 眼底出血に対するレーザーの効果は眼底の状態によって異なります。網膜中心静脈閉塞症という高度の眼底出血を来す病気の場合は、視力の回復というよりも続発しやすい血管新生緑内障に対して行われることも多く、この場合視力回復の可能性は低いと言わざるを得ませんが、緑内障による失明を防ぐためにはどうしても必要な治療です。これよりもやや軽症の網膜静脈分枝閉塞症の場合は、出血に伴う網膜の浮腫(むくみ)が眼底の中心部(黄斑部)にかかって視力障害をきたす際に行われます。この場合も、視力が回復するかどうかは出血の範囲やむくみの状態により個人差があり、視力が回復する場合にも1カ月以上かかることが多く、レーザーを行ってすぐに見えるようになるわけではありません。残念ながら視力回復に至らないケースも少なくありません。特に出血してからかなり時間がたつ(気がついたときにはかなり時間がたっていた、ということも多いのです)と、効果はあまり期待できません。
 眼底出血の代表的存在である糖尿病網膜症の場合は、血管からの漏れによる限局的なむくみの場合はレーザーによりかなりの確率でむくみを減らすことができるのですが、全体的なむくみの場合はレーザーが効かないことも多く、最近はむくみを取るために手術を行う場合もあります。
レーザーの副作用は?
 糖尿病網膜症が増殖型といわれる進行期に入った場合、その進行をくい止めるために行われる汎網膜光凝固の場合は、レーザーによってかえってむくみを生じて視力低下を引き起こすことが少なくありません。視力低下の危険はあるが最終的な視力予後はレーザーを行ったほうが良いと言われており、そのためにやむを得ず行うのです。この視力低下は改善する場合も多いのですが、中にはむくみが長期間続いた結果、視力が回復しないこともあります。汎網膜光凝固は3〜4回に分けて行いますので、毎回視力や眼底の状態に十分留意してレーザーを行うようにしています。糖尿病の場合は、どんなにコントロールが良くてもいずれは出血が生じますので、ひどい状態にならないように日頃から自己管理に努め、レーザーを受けないでも済むようにするということが重要なのです。
 
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ぶどう膜炎
ぶどう膜炎とは?
 目を構成する組織のうち、虹彩・毛様体・脈絡膜の3つは、胎生期における起源が近く、兄弟のような関係にあります。血管やメラニン色素に富み、肉眼的にはぶどうのような色に見えるため、この3つを総称してぶどう膜と呼びます。病気になるときにも、同時に炎症をきたすことがしばしばあり、ぶどう膜の炎症ということでぶどう膜炎と呼ばれます。
 虹彩炎、虹彩毛様体炎など目の前の方のみに炎症がある場合を前部ぶどう膜炎、脈絡膜のみに炎症がある場合を後部ぶどう膜炎と呼ぶこともあります。
ぶどう膜炎の原因が体質といわれたのですが・・・?
 ぶどう膜炎にはさまざまな原因があり、4大疾患として原田病、ベーチェット病、サルコイドーシス、眼トキソプラズマ症がありますが、最も多いのは”原因不明”のぶどう膜炎です。寄生虫であるトキソプラズマをはじめとして、細菌、ヘルペス、サイトメガロウィルスなどの感染症もありますが、原田病やベーチェット病、その他いくつかのタイプのぶどう膜炎では、起こしやすいHLA(体質を示すものとお考え下さい)のタイプが決まっていますので、原因は、と訊かれると体質的なものです、と答えることが多くなります。ただ、体質以外にもさまざまな要因が加わって発症するはずですので、いわゆる遺伝病とは異なります。
ぶどう膜炎になると失明するのですか?
 ぶどう膜炎も程度は人それぞれです。重症の場合は、失明もしくはそれに近い状態になることがあります。しかし、以前はかなり多くの失明者を出したベーチェット病も、最近は重症の状態で発症する方は少ないような印象を持っています。あまり重症でなければ失明まで至ることは少ないのですが、慢性的に炎症を生じるために白内障や緑内障など他の病気を併発することも多く、併発した病気の方が問題になることも少なくありません。
ぶどう膜炎の治療は?
 原因が寄生虫や細菌、ウィルスなど体外の因子の場合は、そちらの治療を行いますが、実際は原因不明のことも多いため、炎症を抑えるステロイド療法が中心になります。点眼、内服、時に結膜下注射、などさまざまな投与方法がありますが、病気によって使用法に注意が必要な場合もありますし、場合によっては手術を必要とする場合もありますので、詳しくは医師に直接お聞き下さい。ただ、一言強調しておきますが、ぶどう膜炎の治療薬は副作用を伴う場合が少なからずありますので、薬の使用法や通院に関する医師の指示には必ず従っていただかなければなりません。不適当な治療(や通院)は病気を長引かせ、治りにくくしてしまうことがあります。

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斜視・弱視
斜視とは?
両目の黒目の向きがまっすぐではなく、寄っていたり、離れていたり、上下にずれたりしている状態を総称して斜視と呼びます。特にお子様の場合は視力の発達に影響することもあるので、気づいたら詳しい検査を早めに受ける必要があります。
内斜視の特徴は?
 子供の視力発達に影響を与えやすいので、注意が必要です。代表的なのは、出生後1年以内にみつかることの多い乳児内斜視と、生後2〜3年以降に発症することの多い調節性内斜視です。前者は比較的早い時期に手術治療を行いますが、後者の場合は手術ではなくメガネによる遠視の矯正を行います。時にメガネのみでは内斜視が残る部分調節性内斜視もありますが、この場合にもまず完全矯正のメガネの効果を十分に吟味してから、残った斜視に対する手術治療を考えます。
 よく内斜視と間違われやすいものに、生後まもない赤ちゃんに多い仮性内斜視という状態があります。小さいお子様は両目の目頭の間の距離が長い(目頭の皮膚のかぶり方が厚い)ため、黒目自体はまっすぐでも、鼻側の白目が狭く見えてしまい、一見内斜視のように見えるのです。この仮性内斜視は見かけだけのものなので、心配ありませんが、中には本当の内斜視になる場合もありますので、半年もしくは1年後にもう1回診察を受けた方が無難でしょう。
外斜視の特徴は?
 一番多いのは間歇性外斜視です。初期には遠くを見たとき、ぼーっとしたときに黒目が離れますが、注意を呼び起こすとまっすぐに戻ります。外出時に遠くをみるときに片目をつぶるというのも重要な徴候です。このまま進行しないことも多いですが、進行する場合は遠くを見たときには常に外れるようになり、さらに進行すると遠く近くにかかわらず常に外れた状態になります。ここまで来たら手術を行う必要があります。近くを見ようとする時に働く調節という機能は、目を内側に寄せる輻輳という機能と連動していますので、近視がある場合には、むしろメガネをかけた方が間歇性外斜視の進行予防に効果が期待できます。
弱視とは?
 小児期の視力発達段階において、何らかの影響によって(脳の視覚経路のネットワークの構築が障害されるために)視力の発達が妨げられた状態をいいます。原因としては左右の目の度数や乱視に差がある状態(不同視弱視・経線弱視)、両眼ともに遠視が強い場合(屈折弱視)、斜視がある場合(斜視弱視)などがありますが、短期間片目に眼帯をしただけで弱視になる場合(視性刺激遮断弱視)もあるため、小さいお子様には片目だけの眼帯は厳禁です。原因が遠視や乱視であれば、治療としてメガネを作成し、常用します。左右差があれば悪い目の視力発達訓練を行います。多くの患児は3歳時健診や就学時健診で見つかりますが、視力の発達は2歳位までがピークでその後は速度が鈍り、9歳前後で終わってしまいます治療に反応しやすいのは6歳位までですので早期の治療が重要です。残念ながら10歳以上で見つかった弱視に対しては治療のすべはありません。
斜視や弱視の場合どこで治療を受けたら良いのでしょうか?
 子供の診察や検査には経験を要しますので、眼科医のすべてが小児眼科に詳しいわけではありません。視能訓練士という資格をもった検査員がいるかどうかが一つの目安となります。また、地域ごとに小児専門の病院もありますので、そのような施設は経験が豊富と思われます。かかりつけの眼科で相談すれば小児眼科に詳しい施設を紹介してもらえることが多いと思います。
 私自身は慶應大学病院での研修時代に当時小児眼科の権威のお一人だった植村恭夫先生の薫陶を受けましたので、ある程度の経験はあります。当院では乳幼児の斜視手術は行っておりませんが、状態に合わせた治療を行うことはできます。手術が必要な場合には適当な施設をご紹介しています。
かかった眼科によって違うことを言われましたが?
 小児眼科では経験に頼る部分が多いので、治療に対する考え方もさまざまです。また、子供はあきやすいために検査が難しく、検査結果が安定しないことも多いので、その時の結果によって違うことを言われる可能性もあります。そのようなことも含めてきちんと納得できる説明をしてくれる施設を選ぶのが望ましいと思います。治療方針について疑問がある場合には他の施設でsecond opinionを得るという考え方も重要です。ただし、あまり多数の施設を渡り歩くと過去の検査結果が活きませんし、治療が遅れてしまいますので、まわりの方の評判や医師の意見も聞いた上で施設を選びましょう。

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弱視の治療法
基本方針
 弱視が視力発達の感受性のある期間(10歳未満)に発見されたら、なるべく早く治療(視能訓練)を開始します。
眼鏡装用
 遠視や乱視が原因と考えられる場合、眼鏡を常に装用する必要があります。目の中に入った光は網膜というスクリーンに結像するのですが、眼鏡装用によって鮮明な画像が網膜上に映し出されるため、網膜の細胞から信号を受ける脳の神経細胞が刺激されて視力の発達が期待されるのです。
健眼遮閉(アイパッチ)
 矯正視力に左右差がある場合、1日に数時間(毎日)良い方の目を隠して強制的に悪い方の目を使わせる訓練をします。現在はこのアイパッチが弱視治療の主流です。
 アイパッチの装用時間は1日2〜3時間のことが多いですが、程度や疾患の種類に応じて増減します。弱視の発見年齢が高いと効果が出にくいため、長時間の装用を要します。視力が向上してくれば徐々に時間を短くし、正常になったら様子を見ながら中止しますが、その後も弱視の再発がないことを確認するために定期的に診察します。10歳以上では治療効果が期待できませんので、できるだけ早い時期に行うことが望まれます。できるだけ完全に視野を隠さなければなりませんので、方法については医師や視能訓練士の指示に従って下さい。専用のアイパッチも市販されています。往々にしてお子様はアイパッチを嫌がりますので(見づらいのだから当然ですが)、なだめすかしながら毎日続けさせる親の努力が実際には成功の鍵となります。また、ただ隠していてもぼんやりしていては効果が少ないので、目を使わせる工夫も大事です。たとえば、テレビゲームは目に良くないと考えられる方が多いようですが、アイパッチをしている間の視能訓練にはもってこいの道具です。小さいお子さんの場合には塗り絵の輪郭をクレヨンでなぞらせるというのも良い方法です。
ペナリゼーション(penalization)
 健眼遮閉と同様に悪いほうの目を使わせる方法ですが、調節麻痺剤の点眼を用います。弱視の教科書にものっている有名な治療法なのですが、方法が煩雑なことなどから最近はあまり行われないようです。私も実際に行ったことはありません。

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点眼薬・眼軟膏のつけ方
目薬のつけ方
 目薬は黒目の真ん中に落とさなければならないなんて考えていませんか?そうじゃないんです。まず下まぶたを指で下に引いてあかんべえをして顔を上に向け、白目とまぶたの裏側との間にできたくぼみに1滴を落とします。指をはなして目を軽く閉じ、あふれてきた液は清浄綿などで拭き取ります。慣れれば結構簡単ですよ。点眼びんの先を目に近づけすぎると睫毛に触れてばい菌がびんについたり、場合によっては目を突いてしまってきずつけることもありますので、少し離れたところからポトリと落とす感じでやってみて下さい。また、1回に何滴もつけたところで効果に差はありません。かえってすぐに薬がなくなってしまうだけですので、1滴だけ落とす習慣をつけて下さい。
2種類以上の目薬をつけるときの間隔は?
 続けざまに点眼すると、後からつけた点眼によって前の点眼が洗い流されてしまうので、できれば5分間位の間隔をあけて下さい。最低でも2〜3分はあけて下さい。通常点眼の順番はどうでもよいのですが、ドロッとした点眼があるときにはこれを最後にして下さい。眼軟膏の点入も点眼より後にしましょう。
眼軟膏の点入の仕方
 点眼の時と同様にず下まぶたを指で下に引いてあかんべえをします。まぶたの裏側の赤い部分に軟膏の先を近づけ、ゆっくりと少量を押し出します。容器の先がまぶたに触れないように注意しながら容器を遠ざけ、先に残った軟膏を清浄綿で拭き取り、その後目を閉じてあふれ出てきた軟膏を拭き取ります。軟膏も少し点入すれば十分です。

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その他
眼科受診時に注意していただきたいこと
 眼科では、視力・眼圧などチェックする項目が多いため、一般に、まずいくつか検査を行ってから診察となります。その後、飛蚊症や糖尿病の眼底チェック、白内障の精密検査など詳しい目の状態を調べるために瞳孔を開く目薬を使うこともしばしばあります。瞳孔を開く目薬は、効果が十分出て検査できるようになるまでに約30分かかりますので、こういった検査をすべて行うと少なくとも1時間近く要します。御来院の際には時間には十分余裕をもってお越し下さい。また、瞳孔を開く目薬は検査が終わってからも4〜5時間は作用が続きます。この間は光をまぶしく感じたり、近くが見づらくなったりしますので、お車を自分で運転して帰るのは非常に危険です。次のような症状・目的の時は車での御来院は御遠慮下さい。:飛蚊症、視野欠損、見づらい(白内障など)、糖尿病や高血圧の眼底検査。
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