症状の問診は、診察の上で非常に重要です。よくお話を伺うことによって疾患をかなり絞り込むことができます。ここでは代表的な症状ごとに私が思い浮かべる疾患(鑑別疾患)の主なものを挙げてみます。
ただし、これはあくまでも一つの目安であり、それぞれの疾患には他にも特有の付随症状や検査所見がありますし、ここに挙げていない疾患であることもあり得ます。さらに、症状の経過(いつから、どう変わったか、など)も重要です。したがって、実際にはより多くの情報を得て初めて診断がつくことになりますので、症状名のみから疾患を決めつけるのは危険であるということにご留意下さい。もしこれらの症状をお持ちの場合には眼科の診察を受けることが必要です。
下線をつけた疾患をクリックするとFAQの該当する箇所を新しいウィンドウで見ることができます。
全体にかすむ、見づらいと一口にいっても、いろいろあります・・・
遠見裸眼視力低下(近くは裸眼で見える)→ 近視
近見裸眼視力低下(遠くは裸眼で見える)→ 老視(遠視〜軽度近視)
遠近ともに裸眼視力低下→ 老視の進行した遠視(または軽度近視)、乱視
遠近ともに矯正視力低下(度の合ったメガネをかけても見えにくい)→
角膜疾患、虹彩炎・ぶどう膜炎、白内障、硝子体混濁(出血など)、網膜疾患(眼底出血など)、
緑内障、視神経疾患、頭蓋内の視路障害(脳梗塞など)、弱視
(実際の診察ではいろいろな検査によってこれらの異常を一つずつチェックしています)
羞明(まぶしい)→
角膜のキズ、ドライアイ、虹彩炎・ぶどう膜炎、白内障、網膜疾患
飛蚊症→ 生理的硝子体混濁、後部硝子体剥離、網膜裂孔、網膜剥離、硝子体出血
光視症(光が見える)→
後部硝子体剥離・網膜裂孔、網膜剥離、閃輝性暗点(ギザギザした光、数分から数十分以内に消失)
変視症(中心がゆがんで見える)・小視症(小さく見える)→
中心性漿液性脈絡網膜症(いわゆる中心性網膜炎)、黄斑変性、黄斑上膜
中心暗点(見ようとする中心が見えない)→
網膜黄斑部疾患(黄斑変性、黄斑円孔など)、視神経疾患、閃輝性暗点(数分から数十分以内に改善)
中心暗点以外の視野異常(傍中心暗点・視野狭窄・視野欠損)→
硝子体出血、眼底出血、網膜剥離、網膜色素変性症、緑内障、視神経疾患、
頭蓋内の視路障害(脳梗塞など)
複視(ダブって見える)→
外眼筋麻痺、眼窩底骨折(外傷)、単眼性複視(乱視、白内障など)
夜盲(いわゆる鳥目)→
網膜色素変性症、先天停在夜盲、小口病など
眼球突出→
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、眼窩腫瘍、眼窩血管異常
眼瞼下垂(まぶたが下がる)→
眼瞼皮膚弛緩症、先天眼瞼下垂、老人性眼瞼下垂、動眼神経麻痺、ホルネル症候群(自律神経異常)
眼位異常→ 内斜視、外斜視、上下斜視
頭位異常→ 横目づかい症候、眼瞼内反(さかさ睫毛)、眼位性眼振、眼性斜頚