美の女神 〔― 補足 ―〕 ――――――――――――――――――――――――――――― ― 美の女神 ― 美を司る神は万物(森羅万象)に対して、一定の方向性を持った“力”として働き掛けます。つまり、美を生み出す根源的な力が存在します。 従って、大自然の美は、我々が美しいと感じるから美しいのではなく、美を創り出す“力”が働いて創り出されるから美しいということになります。要するに、初めから厳然として“美”が存在するのです。 同様のことが、人の目に見えない世界でも生じています。精神的なものにも、感覚的なものにも、やはりそれぞれの美が存在します。いわゆる人の心によって生み出される美です。ここに芸術作品が生み出されるそもそもの要因があります。芸術作品は人のこころが、美を司る神と結合したときに生み出されるのです。 ********* ○ ○ ********* 上の考え方を裏付けるものが、何と、数学の世界に存在します。 「黄金比」或いは、「黄金分割」と呼ばれる不思議な数字です。 これは自然界に存在する美の法則であり、1:1.618 という比率で表わされます。この分割比をもつ形状は、人間が一番心地よく感じると言われています。 正式には、下のような数式で表わされます。
この黄金比と呼ばれる比率は、ごく一般的なものとして名刺や、ハガキや、トランプなどのタテ、ヨコの長さに用いられています。こうした我々に身近なものが、この美の法則に則って創られているのです。 また後世に名を残した多くの画家たちの絵画の中にも、さらには彫刻や建造物にも、この比率が取り入れられています。ミケランジェロ、レオナルド・ダ・ビンチが描いた絵はもとより、ミロのビィーナス、そしてエジプトのクフ王のピラミッドなどにも取り入れられています。つまりこれは古代から知られていた美の法則なのです。後世に名を残した画家や建築家は、その法則に基づいてそれぞれの作品を創ってきたのです。 ( 因みに、ギリシァのパルテノン神殿の場合はタテ・ヨコの長さがこの比率であり、ミロのビィーナスの場合は、おへそから上と下がこの比率になっているということです。) それだけでなく驚くべきことに、この比率は植物にも、また動物にも見出すことが出来るというのです。しかも宇宙の遥かかなたにある渦巻き星雲までもが、この比率に従っているというのです。 つまりこの美の法則は、宇宙の成立にも関わっているのです。ただし、そのことを理解するには前提として、次のような数式を解く必要があります。 【 フィボナッチのウサギ 】 (フィボナッチ = イタリアの数学者、1180年〜1250年または1170年〜1240年 ) (* お断りとお礼 この数式に関する情報は、こちらのサイトを参考にさせていただきました。 ⇒ 詳しい内容については、こちらのサイトをご参照ください。図解入りで詳しく説明されています。因みに、図形化された数式は、こちらのサイトにあるものを使用させていただきました。ここに慎んでお断りとお礼を申し上げます。 また、こちらのサイトもたいへん参考になります。 ⇒ オス・メス1対のウサギが産まれた。ウサギは満2ヶ月目に子を産み、それから毎月、オス・メス1対を産むとしたときに,最初の1対は、1年の終わりにはどれほどの数になるか。 このなぞなぞがもとになって導き出された数式が,フィボナッチの数列とよばれるものです。 ( 最初のメスのウサギは、二ヶ月までは子供を産むことができません。三ヶ月目から次々に子を産んでいき,その子も、二ヶ月目から子を産んでいきます。この場合、十二ヶ月後に何匹のウサギになるかという算数です。) 各月ごとのウサギの数を an とします。nが月数です。すると下のような計算になります。
従って, an は、an+2 = an+1 + an (n=1, 2, 3, …) となります。要するに、前の二つの数を足していけばよいわけです。 1 0+1=1 1+1=2 1+2=3 2+3=5 3+5=8 5+8=13 8+13=21 13+21=34 21+34=55 34+55=89 ・ ・ ・ これがフィボナッチの数列と呼ばれるものです。 この数列が黄金比の数字に関係してきます。 上の数列を分子式にして比較すると、下のようになります。
これは次のような数式に改めることが出来ます。
【 フィボナッチの渦巻き 】 中心部分に黄金比を持つ長方形を置き、その周囲に大きさが異なる正方形を、辺の長さに合わせて順番に並べて描くと、渦巻き状の図形が創られます。これがフィボナッチの渦巻きと呼ばれるものです。黄金比の長方形を内包する対数螺旋の構造をもちます。 これを図解なしで説明するのは困難なため、省略いたします。上に紹介したサイトをご参照ください。 ― そこには分かりやすい説明文と一緒に、放射状の渦巻きの図形が描かれています。また動画を使って詳しく説明しているサイトもあります。― この放射状に延びた渦巻きにも、フィボナッチの数列が反映されていることが分かります。 そして何と、この渦巻きは、カタツムリの殻や、太古の海に生息したオウムガイに見ることができるというのです。また、植物の葉のつき方やひまわりの種、松かさやパイナップルの菱形の鱗の模様にも、らせん構造とフィボナッチ数列が関係しているということです。 さらには台風の渦も、この形になります。また宇宙のかなたにある渦巻き星雲も、この渦巻き模様になっているということです。 渦巻き星雲については、こちらのサイトが参考になります。 ⇒ また、こちらのサイトもたいへん参考になります。 ⇒ 上のサイトのこちらのページには、たくさんの興味深い写真が掲載されています。 ⇒ 「 たくさんの螺旋模様が、実際の写真といっしょに紹介されています。 タンポポの種。 貝(巻貝・二枚貝)。 松かさ。 松の枝。 サボテン。 ひまわりの枝と種。 台風の目。 クジャクの羽の模様。 カタツムリ。 さざえ。 パイナップル。 など。 これほど多くのものが、黄金比の螺旋構造を持っていることには驚かされます。 以上のように 「黄金比」の数字は、タテ・ヨコの長さだけでなく、植物から動物、そして宇宙の成り立ちにまで関わっていることが分かります。要するに、美を創り出す“力”は、我々がいるこの世界が創られた時から機能していたということです。根源的な“力”として、確かに存在するということです。 それを古代の人々は、『―美の女神― ・ 美を司る神』として認識していたのです。つまり美を生み出す“力”の存在を、直感的に知っていたのです。 ********* ○ ○ ********* もちろん美の女神は、1:1.618 という比率を創り出しただけではありません。我々が美しいと感じるものすべてが、この“力”によって創り出されているのです。 ○ 野原や公園に咲き乱れる花々は誰が見ても美しいものです。 ○ 雨上がりの空に懸かる七色の虹は誰もが美しいと感じます。 ○ 蝶の羽は日の光を反射して美しく輝きます。 ○ 雪の結晶は美しい幾何学模様を創ります。 ○ 砂糖や塩の結晶も美しく成長します。 ○ 夕焼けの空は雲を真っ赤に染めます。 ○ 様々な言葉によってつむぎ出される詩は人の心を打ちます。 ○ 芸術的な絵画は見た人を感動させます。 ○ 様々な旋律で奏でられる音楽は人の心に安らぎを与えます。 ○ 木彫りの彫刻はただの木ではなく命の吹き込まれた立体表現となります。 音の世界、色の世界、造形の世界、言葉の世界、触覚の世界、味覚の世界、そうした様々な世界に、まだ我々が感知していない美の法則、美の係数が存在すると考えるのが妥当です。美を創り出す根源的な“力”は、万物(森羅万象)に働きかけているからです。 これからも新たな美の発見があるに違いありません。 2007. 1. 27 . 店主記す |