★映画「阿弥陀堂だより」の里をめぐる旅


映画「阿弥陀堂だより」概要
  阿弥陀堂への道・冬 

2002年10月東宝系列にて全国公開。
南木佳士の原作「阿弥陀堂だより」を「雨あがる」の名匠、小泉尭史監督が脚色、指揮をとった。
心の病を抱える女医・美智子(樋口可南子)と作家の夫・孝夫(寺尾聡)。都会での生活に疲れ、
夫の故郷である信州の山里に帰郷した二人は美しい四季の風物の中で、素朴なかにも暖かい村の
人々とのふれあい、そして96歳の老婆・おうめ(北林谷栄)が口述する「阿弥陀堂だより」にほんとうの
生きる喜びを見つけて行く。。。。。

この作品の特筆すべくところは、四季を通じてロケ撮影を敢行したことにあります。
スタジオ内のカットはほとんどなく、全編通じての映像はすべてここみゆき野地区で撮影されたもの
ばかりです。
登場する俳優は少数精鋭、その周囲をエキストラと劇団員が効果的に支え、ストーリーにメリハリを
つけています。
またドラマや映画にありがちな、「善と悪」「敵と味方」による対立やネガティブな描写はまったくなく、
すべて「プラス」描写によりまとめ上げられていることもこの作品の特徴です。
どちらかというと風景描写による「ヒーリングシネマ」的な作品でもあり、万人に受け入れられる爽やかな
感動の人間ドラマといっても良いかもしれません。

そんな阿弥陀堂だよりの舞台となった「日本の原風景」の数々はいずれも当YHから車で20分程度の
場所に集中しており、誰でも気軽に訪れることのできる場所ばかりです。
ぜひ貴方だけの「阿弥陀堂だより」をさがす旅に出かけてみませんか?



これが阿弥陀堂

もともとあった建物ではありません。映画のために建てられたものです。しかしさすがは「黒澤組」の
スタッフです。見事に古い年代モノの古民家に仕立て上げられました。





阿弥陀堂だよりの里・それはみゆき野。

〜 阿弥陀堂だより

目先のことにとらわれるなと、世間では言われていますが、
春になると、なす、いんげん、きゅうりなど、次から次に苗を植え、
みずをやり、そういう風に目先のことばかり考えていたら、
知らぬ間に九十六になっていました。
目先しか見えていなかったので、よそ見をして、
心配事を増やさなかったのが、よかったのでしょうか。
それが長寿の秘訣なのかもしれません。


畑にはなんでも植えてあります。なす、きゅうり、とまと、かぼちゃ、すいか。
そのとき体の欲しがるものを好きなように食べてきました。
質素なものばかり食べていたのが長寿につながったのだとしたら、
それは、お金がなかったからできたことなのです。
貧乏は有難いことです。


娘の頃は熱ばかり出していて、
満足に家の手伝いもできませんでした。
家の者誰もが、この娘は長生きはできないだろうと言っていたものです。
それがこんなに死ぬのを忘れたような
長生きになってしまうのですから
人間なんてわからないものです。
年をとればとるほど、
わからないことは増えてきましたが、
その中でも自分の長生きの原因が一番わからないことであります。


雪が降ると山と里の境がなくなり、
どこも白一色になります。
山の奥にあるご先祖様たちの住むあの世と、
里のこの世の境がなくなって、
どちらがどちらだかわからなくなるのが冬です。
春、夏、秋、冬。
はっきりした山と谷の境が
少しずつ消えてゆき、一年がめぐります。
人の一生と同じだと、
この歳にしてしみじみ感じます。


映画「阿弥陀堂だより」より




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