|
海上労働調査報告 第4集(労働科学研究所報告) 運輸省船員局 昭和26年9月
T 船員室の施設及び主として夏季に於ける環境状況についての調査報告
石堂正三郎 海労調報(4)6〜72(1951)
船員室と一部の作業場(無電室、ボイラー室、機関室)について、施設的な面及び衛生工学的な面から、夏季における環境条件の実状を把握するため、沿岸航海中の船舶4隻、停泊船4隻について調査を行った。その結果、容積的に限界のある居住区についてはそれなりの設備を設けること、特に温湿度、換気に関しては、作業場も船員室も設備的に改善を要する点が多々あり、それも決して不可能なことではないのであるから、早急に対策を講じるべきである。
U 高級船員の精神疲労について
西部徹一 海労調報(4)75〜99(1951)
1950年11〜12月において、北海道航路船]丸(KD型)に乗船し、生活時間調査、作業後症候調査、フリッカー検査を試みた結果の報告。
まず生活時間の構成を職員の職種別に見る。船長が航海中睡眠を寸断されること、航海士は夜荷役によって停泊中休息がとれないこと、事務長は事務繁忙期であったなどの中で通信士は比較的良好な構成であった。
作業後症候調査では、航海士に精神的な面の訴えが多いのに反し、機関士の方は身体的な面の訴えがみられた。
また5日間の類民時間量と疲労回復感とフリッカー値をみているが、一般に騒音、荒天が睡眠をさまたげていることがいえるが、職務別では個人差が介入してくるので傾向を摘出すること困難。
V 船内給食状況について
荒 央江 海労調報(4)107〜151(1951)
1950年、約50隻(1部は外航船)に調査表を送付して、食品出庫量、野菜廃棄量、調理法、冷蔵庫容積、調理作業内容と作業時間等多項目にわたる総合的な調査を実施した結果の報告。
@給食栄養量と食品群別使用量−カルシウムとビタミンA、B1、Cの不足が強調され、精白米(貯蔵米)とB1不足、果実の消費量の過小、ビタミンA給源の偏り(91%をLGYに依存)等問題点を摘出。
A1950年、ララップ航路船の貯蔵米のVB1含有量を測定、帰港時は出港時の半分であった。
B夜食−平均700カロリー74%が米飯につくだ煮かつけもの程度(注、まだめん類はほとんどない)。
C1950年、8月ララップ航路船Ha丸で19日間記録。結球葉菜、根菜は永持ちするが、葉菜、果菜は貯蔵に耐えがたい(葉菜2週間以上は無理)等種類によって状況の異なる点を指摘。
D冷蔵庫容積−5隻について航海日数と1人あたり容積をみた予備的調査資料。
1950年、北海道航路船To丸における7日間の乗船調査報告。
@給食栄養量と食品使用量−近海船として良好であった。
A主食摂取量調査(3日間)−a.甲板部若年層大、機関部は年令差みられず作業環境の影響らしい。b.同一職種内では食べ方が類似しており、職種によって異なる傾向をみせる。
B野菜廃棄率−a.遠洋予定中心によるストックにより、予想以上に高率。総平均23%。b.品目別に秤量し、積込日から経過日数と廃棄率をみた。c.庫内温度−自記温度計による3日間の平均5.5℃。平均温度が高すぎること、較差が大きすぎることを指摘。他に献立、食料金を報告。
W 機関員の耐熱性と恕限温度について
三浦豊彦 海労調報(4)153〜168(1951)
夏季の高温時に於て、機関員ことに石炭船の火夫の労働に対して、その怒限温度をどの程度にするかをみるために1950年8月火夫13名と甲板員7名の自津神経機能を、Aschner
testと止息血圧試験によって調べた。その結果、自律神経機能上比較的安定した人は自覚的にも耐熱性があることが火夫の場合にもあてはまり、同一荷重に対しても温熱条件や休憩時間の配分によって、生理機能や循環機能への影響が異なることから、機関員の恕限温度については今後まず実験室的に決定する方向へむかうべきであるとの結論を得た。
X 船内居住環境に関する実態調査報告
石堂正三郎 海労調報(4)170〜182(1951)
1950年8月、北海道航路貨客船U丸の居住環境について、温湿度、風速、輻射熱などの温熱条件、および塵埃、細菌、騒音などの調査を実施した。その結果、@温熱条件は一般に高く、快的な条件からはるかに遠く、換気不良との関係が大きい。A気積が小さい。B塵埃と併せて考察しても換気不良が主原因となっていることが考えられる。Cエンジンルームの騒音は100ホンを越えている、などが判明した。
|