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海上労働調査報告 第13集(労働科学研究所報告) 運輸省船員局 昭和37年12月
(海上労働科学研究会資料 第7号 海上労働科学研究会)
第1篇 船内における人間関係に関する調査研究報告
船員志望の動機と職業観について(実習生)
大沢文男 海労調報(13)2〜23(1962)
青少年の船員に対する職業志向の過程をしり、船員教育の問題点、主として職業観からさぐった。商船学校志望の動機と志望形成の諸要因、家族の態度を調査表によりしらべたが、船員志望の一般状況は暗い。練習船実習生の職業観調査では、年令の発達につれて段階的に変容するが、学年がすすむにつれて船員という職業生活を否定する方向にあらわれている。次第次第に白分の適応可能性を案ずる現実的思慮に浸蝕され、ついには入学前から船員にあこがれていた希望意識、職業目的観などに分裂を生じて、船員に対する志向性が薄らいでいく。学生の微妙な心理過程と集団としての発達を適確にみきわめ、それに見合った適切な指導対策を講ずる必要がある。
第2篇 船員の安全衛生に関する調査研究報告
1.船員の疾病災害率の稚移表
西部徹一 海労調報(13)26(1962)
1951年より実施してきた船員の疾病災害率(下船療養した者のみ)を、逐次加えることによって10年間の疾病災害率の推移を分析した。病類別発生数と比率、職種別発生数と比率を明らかにし、その結果、その傾向をよりくわしく観察できた(疾病の分類は「船員の疾病災害に関する統計」、海労調報11、33〜78、1960と同じ)。
2.船員の教育機関における健康教育の現状と学生生徒の衛生知識について
西部徹一 海労調報(13)27〜53(1962)
船員の教育機関にある学生生徒について、保健教育についていかなる教育を受けているかを調べ、衛生知識水準を調査して健康教育の資とした。調査は1960〜1961にかけて行い、商船教育機関における保健教育の実施状況と学生生徒の衛生知識についてそれぞれ、15校2,039人より分析をした。その結果、体育と保健の分離を行い、指導者の計画的な養成が必要であり、教師自身の基礎的教育が要望され、健康教育の一層の徹底が痛感される。又学生生徒の衛生知識水準はそれぞれの健康教育のあり方を反映しており、”衛生管理者”制度とも関連して考えると多くの問題を含んでいることを指摘できた。
3.船内で使用する保護具について
美浦匡彦 海労調報(13)54〜72(1962)
現在船内で使用されている諸保護具の現状を概括的に知るために39社、40隻、435名回答より分析した。その結果、保護具の使用状況は非常に低い水準にあり、それと同時に船主の船内労働の安全、衛生や船用品に対する認識の低さがうかがわれた。保護具の問題点については、耳栓、防じん眼鏡、防じんマスク、安全帽、その他についてかなり指摘することができた。
4.船の飲料水タンク塗料の生物学的実験研究(第2報)
高木和男 海労調報(13)73〜86(1962)
衛生学的見地からセメントにかわる塗料の必要が痛感されるので、5種の塗料について、昭和36年9月27日〜昭和37年2月上旬の間、貯水タンク動揺装置内の水を白ねずみに与え、飼育試験を行い、第T報と同様臓器の組織学的検索を行った。その結果,アルミ系塗料、瀝青エポキシ系塗料には異常が認められた。なお貯蔵水の味については女子大生42名によって官能試験をした結果、動物試験の結果とは関係がみられなかった。
第3篇 船橋における見張作業に関する調査研究報告
航海士の色覚に関する研究
千原義男 海労調報(13)87〜111(1962)
昭和33年度の海技免状国家試験、船員教育機関の入学試験における色覚検査の状況の質問紙法による調査結果と昭和34年度における商船大学生、商船高校生、海技専門学院生、国家試験受験者合せて648名に対する各種色覚検査法(石原式、大熊式、TMC表、木村氏色票配列、NRランタン)による検査成績にもとずいて、航海士の色覚検査基準ならびに検査方法について検討している。色覚検査法としては、まず石原氏表を用いて選別を行い、誤読あるいはあやしい読み方をするものに対しランタンテストを行って誤判断をするものを不合格とするのが望ましいと結論している。さらに国家試験における色覚検査の有効期間、教育機関、船員の健康検査における検査方法についても言及している。
第4篇 船員の労働負担に関する調査研究報告
ニューヨーク航路船員の労働負担について
小石泰道 海労調報(13)114〜131(1962)
箱根山丸における疲労調査結果を要約したもの。
@睡眠時間量および睡眠効果の自覚の変動には、航海の経過とともに変動する作業発生、外気温湿度、心的条件が影響するようにみられる。
A各種疲労調査結果を総合判定し職種による相異の概要をみる。とくに静的作業の通信士が、胃腸症候やフリッカー値からみて問題のようであるし、労働時間が長く、かつ歩行の多い司厨員は船内で最も調査結果が好ましくない。また職員部員を通じて、日勤者より当直者が悪るく、勤務制の影響がはっきりみられる。
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