Maritime Labour Research Institute

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海上労働調査報告 第2集(労働科学研究所報告) 運輸省船員局 昭和24年12月

1.時間研究からみた船員の生活構造について
西部徹一 海労調報(2)1〜49(1949)
 船内の労働時間を論ずるにあたっては、船内生活の構造全体をとらえ、私生活時間との関連において、これを見るのでなければ、正しい実態をつかむことができない。1948年8−11月、4隻について生活時間調査をした結果の報告。
 @労働時間と自由時間との逆相関が最も大。
 A労働時間は日勤者より当直者の方が時間量としては条件がよいが、質的には問題を内包する。
 B8−12直が比較的安定した生活時間構造をもち、0−4直が最も不安定。
 C年令別には30才台の労働時間が著しく長く、これを頂点して短くなる。
 総括的にみて、大部員の船員が、労働力の再生産という面からみて、その生活時間構造は不安定である。

2.船員の睡眠について
西部徹一 海労調報(2)50〜67(1949)
 4隻の生活時間調査および睡眠調査から、睡眠量、就寝時刻、睡眠障害について考察した結果の報告である。
 @睡眠時間の長さ−a.停泊中は航海中より15%ほど長く、航海中の不足を補う。 b.年令別20才未満と40才以上が長い。 c.重筋労働は長い。
 A就寝時刻−a.ピーク21時。
 B当直勤務者の睡眠−a.睡眠回数 b.就寝時刻 c.昼眠の割合ら8−12直は比較的良く、0−4直が最も悪るい。
 C睡眠障害−a.暑熱、騒音(寒期でも暑さによる睡眠不足の訴えあり)。

3.船員の余暇時間の利用について
西部徹一 海労調報(2)68〜76(1949)
 自由時間から休息時間を除いた余暇時間について、対象4船208名について調査を行い、余暇の利用方法についてのべている。その結果、一般に労働時間が長い程自由時間は短く、最高462分、最低90分と格差が大きく、船長、機関長、事務長はとびはなれて多く、航海士、機関士は少ない。部員でも職長が多い。内容については、娯楽、教養、運動に大別して考慮し、そのうち娯楽では雑談、教養においては読書、運動は甲板散歩が大部分の時間を占めているが、いずれもその種類が少なく、船員の文化生活はきわめて内容がかぎられているといえる。職種別には司厨部関係の内容が特にかぎられて少ない。

4.船員の労働時間とその内容について
西部徹一 海労調報(2)77〜92(1949)
 1948年に行なった4隻の生活時間調査の結果から、各職種別に作業内容別の構成をみたもの。入出港日、航海日、停泊日別にみる。各職種の特色として
 @船長−労働と非労働の時間把握困難。対外交渉多し。船長、1航、事務長間の分掌不明確により事務量も区々。
 A1航−船長の補助者として事務労働多し。負荷集中。
 B機関士−整備作業の多少による。船舶設備の水準が労働に及ぼす影響大。
 C事務長、事務員−客船では内容広し。事務は日程上集中する。
 D甲板長、操機長−大型船では監督的内容が多い。
 E船匠−船体保全上重要な部門を持ち労働時間大。この独特な地位はなくす方向にいくべきではないか。
 F操舵手−新船員法以前では最も労働時間が長かったが、現在では8時間台となった。しかし、8時間労働を守れるだけの定員ではない。
 G見習−食事当番の徒弟的な面は改めよ。
 H操機手−当直の他に整備作業があるので機関士同様。
 I操缶手−船により扱い異なる。火夫と同じ船、ずっと労働時間の少ない船。
 J機関員−火夫より石炭夫の方が労働時間長く、作業内容も従属的、徒弟的。ディーゼル船では労働時間は長いが監視的、整備的作業で労働の質が全く異なる。
 K司厨長−貨物船では調理手的傾向、客船では事務長的性格。
 L調理手−とくに客船において調理時間長い。
 M司厨員−掃除、供食、サービス等、家婦的立場にあり、労働時間は長い。

5.船員の生活感情について
樋口伸吾 海労調報(2)93〜108(1949)
 船員の情緒について内観法により調査を行なった。そして、心理学的にみて、環境に対する人間の構えの意識である情緒が、陸上生活と比べてどんな特徴を持っているか、情緒プロフィール及び変動頻数により考察した。
 調査方法として、1日の生活感情の内省を作業終了時ならびに就寝前に作業時間の記録と共にとり、それを13段階にわかれた生活感情調査紙に記入させた。調査対象は、4船(戦標船、D型、E型、在来型の貨物船)で横浜、門司、小樽、大阪等の内地航路、各職場の船員にわたっている。いずれも、極く短時間(約1週間)の航海で生活感情を捉えるには不備であるが、大体の傾向を知ることができる。その結果、船長の情意生活が著しく固定的で、気分が暗い方へと偏り、かつ非流動的な特色をもち、それが作業と生活の未分化状態によることを明らかにした。

6.船員の知能ならびに性格の一面について
樋口伸吾 海労調報(2)109〜125(1949)
 昭和23年、商船乗組員218名、商船高校生146名、海員養成所生徒151名に対し知能(図形分割、図形構成、抹消、計算力)および性格(向性検査、内田クレペリン)検査を行った。
 初等知能、構成知能については、いづれも職員は一般に比較しても大体優秀である。抹消検査による注意力の分布は、職員部員とも大体正常曲線をなしている。割算力検査については、一般と比べ著しく優秀である。向性検査については、職員は大体通常であり、部員に内向的なものが著しく多く超内向者も含んでいた。知能検査、性格検査の上で、職員部員とも一部著しく成績が悪いものがあり、勤務あるいは生活の上から船員としての適格性が問題となる。

7.船員の情緒生活を規制する条件について  樋口 伸吾

8.船員給食について
荒 稲蔵 海労調報(2)128〜149(1949)
 1949年、5−6月、アンガウル航路船M丸(5,000G/T)に乗船し、19日間の食材料仕込量を記録した船員給食調査の発端的調査報告である。
 @毎日の使用量から給与熱量、栄養量の平均と変動を算出。
 熱量2,670カロリー、蛋白107g、動蛋/総蛋38%、脂肪25g、Ca 760mg、VA 11,452IU、VB 2.14mg、VB2 0.90mg、VC 214mg
 A野菜の仕込時廃棄率は概括的にみて3週間のうち後半は前半の1.5〜2倍に達する。

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